このまえアメリカ人(40代男性)とイギリス人(30代女性)と一緒に、浜松の三岳山へハイキングに行ってきた。
(梅雨入り前に行って正解だったぜ、フ~)
ということでこれから、そのとき彼らから聞いたイロイロな話を書いていこう。の第三弾。
・野生化した生き物
なんでザリガニを英語で「Crayfish(泥の魚)」というのか?という話から(詳細は前回)、ザリガニの話になる。
いま日本全国、津々浦々にいる上のザリガニはアメリカザリガニで、日本の固有種(ニホンザリガニ)ではない。
1920年代にアメリカから日本へ持ち込まれた20匹ほどのアメリカザリガニの中から、数匹が逃げ出して野生化したものだ。
そんな話をすると「マジか!」とアメリカ人がビックリ。
でも、野生化したブタよりはずっとマシだなとため息をつく。
「野ブタ」と言うとかわいいが、野生化したブタはかなり恐ろしい。
イノシシのようにキバがのびるなど進化(先祖返り?)して、人を恐れないし繫殖力も強いから、アメリカではとても危険な動物とみられているとか。
畑を荒らすだけなく、そのアメリカ人は野生化したブタに子どもが殺されたという話を聞いたと言う。
・森林浴
「森林浴」を英語で何というかきいても、2人とも思いつかない。
それを直訳した「Forest bathing」だと何の目的で、何を身体に浴びるのかよくわからないと言う。
森の中を歩いて鮮やかな緑を見たり新鮮な空気を吸ったりして、心や体をリフレッシュすると話すと、それならわかるが、それを一言で表す「森林浴」のようなことばは知らないとのこと。
森林浴の考え方は英国・米国にはないのか?
少なくとも日本ように、国民的なレジャーではなさそう。
・スドウサイエンス
森林浴ではマイナスイオンを全身に浴びるから健康に良いという話をすると、「いや、それは間違いだ」とアメリカ人とイギリス人そろってが否定しやがりました。
マイナスイオンが無意味かどうかはおいといて、“ニセ化学(疑似科学)”を英語で「スドウサイエンス」と言うことを初めて知った。
日本の須藤博士が提唱したものかと思ったら、それはまったく関係なくて、「pseudoscience」というスペルだったでござる。
ボクが耳で聞いた発音はスドウサイエンスだ。
・縄文時代
森林浴のように日本人が森を好きなのは、縄文時代の“記憶”があるからでは?とアメリカ人が言う。
森の中に入って鹿を狩ったり、どんぐりなど木の実を拾って生活していた縄文時代の期間が、日本の歴史の中では一番長い。
それで最近、このアメリカ人は縄文時代に興味があって、この時代の記録は残っていないけど、現代の日本人に大きな影響を与えているはずだと考えている。
アメリカでacorn(エーコーン:どんぐり)を食べるのは、ネイティブアメリカンしか思いつかない。
彼いわく、縄文時代の日本人とアメリカ原住民では、信仰や文化で似ている点がある。
となると森林浴は日本人の先祖返りや野生化かも。
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pseudo-(米語:スードゥ、英語:シュードゥ)は「擬似的な~」「ニセの~」という意味の接頭語です。語源はギリシャ語から、ラテン語を経て英語へ導入。なので、理数系では結構登場する用語なんですが。
科学的にはその英米人の見解の通りです。「森林浴」「マイナスイオン」「磁気ネックレス」「パイウォーター」など、情報番組とかメーカーの宣伝パンフレット以外、専門分野の論文等では全く扱われることのない「疑似科学用語」ですね。もしも森林環境の中で「健康に良いという感覚」を覚えるとしたら、それは、気温や水分(湿度)あるいはオゾン(O3)の影響でしょう。
日本では、この手の「健康」「美容」に関する「疑似科学用語」が流行ることが多いです。まあ「病は気から」と言いますから、効果を信じて個人が使ってる分には、社会に迷惑を及ぼさないのでどうぞご自由に。でも本質的には、「金運の増大する高額な壺」とか「福島原発からのトリチウム水放出は健康に有害」などと同じ類の話です。
これらが科学的に妥当であると検証される可能性も、ゼロではないが、見込みはほとんどないと思いますよ。
ブタのくだりですが、ブタの牙は切り取っているだけでして未処理の場合は普通に生えてきます。断尾にも言えることですが、過密に由来する攻撃を防ぐための処置なのです。
野生化するとキバはそのまま伸び放題ですね。