【ひゃっこい夏の行事】京都の大祓&水無月・石川の氷室饅頭

 

日本には千年以上つづく、年に2回の大祓という伝統文化がある。
6月の終わりになると神社に縄でつくった大きな輪(茅の輪)が登場し、それをくぐることで半年分の罪やケガレを祓(はら)うことができ、残り半年の健康・安全な生活を祈る。
この大祓が「夏越の祓」で、12月には冬バージョンがある。

という記事をきのう書いたのですよ。

【キレイさっぱり】日本だけの文化・茅の輪くぐりの目的

 

この夏越の祓に合わせて京都では、白のういろうに小豆を乗せた「水無月」という和菓子を食べるオイシイ習慣がある。

 

 

6月の旧暦「水無月」(みなづき)がそのままこのお菓子の名前になった。
といってもこれは「水の無い月」という意味じゃない。

雨期なのに「水無月」、神無月は「神のいない月」じゃない理由

平安時代の京の都では、6月1日(氷の朔日:こおりのついたち)は「氷室の節句(節会)」という宮中行事をする日になっていて、氷室から取り出した氷を天皇や貴族が口に入れて暑気払いをするという、それはそれは優雅な風習があった。

*氷室(ひむろ)とは「ここは東京だぜ!」ではなくて、電気のなかった時代、洞窟や穴などで氷を保管していた「天然の冷蔵庫」のこと。
むかし氷室があったところは、現在でも氷室という地名になっている場合がある。

水無月が三角形なのはこの氷をイメージしたもの、または四角の半分に切って「半年」を意味するという説がある。
上に乗っている小豆は悪霊ばらいだ。
小豆と日本人の付き合いはとても古く、日本・中国・韓国ではアズキの赤色には魔除けなどの神秘的な力があると信じられていた。
神社の鳥居や「さるぼぼ」が赤いのはそれが理由といわれる。

くわしいことはこの記事を。

【日本・韓国・中国の文化】あずきが“魔除け”になる理由

残り半年の健康や幸せを願いながら、水無月を食べるというのが初夏の京都のお約束。
千年、数百年前の日本では、夏に氷を食すなんていうぜい沢ができるのは上流階級の、いまでいうなら上級国民の限られた人のみ。

 

雪国の石川県金沢市のあたりには、かつてたくさんの氷室があって、江戸時代にはこの地(加賀藩)を治めていた前田家が7月1日に氷室の雪氷を幕府に献上していた。
江戸城で将軍や側近が上の行事をしていたのだろう。

夏の氷は貴重すぎて、庶民にはエベレストに咲く高嶺の花。
それで加賀の人たちは7月1日に、氷をイメージしたという氷室饅頭を食べて健康を祈った。
この風習は現在も続いている。

 

 

江戸時代のあるとき金沢の菓子屋が饅頭が作り、江戸への道中の無事を祈って神社に供えられたのが氷室饅頭の始まりという。
無病息災を願って食べる初夏の縁起物、という意味では京都の水無月と同じ。
でも氷室饅頭は見ての通り、白、赤、緑の三色のあんこの入ったシンプルな酒まんじゅうだ。
このへんは京の都と地方との違いか。
なんて言うと怒られるか。

現在の上品な水無月は昭和になってからできた物で、江戸時代にはコンニャクにあんこを乗せた物だったという説があるから、まぁ安くておいしくて、涼を感じられたらそれでよし。

 

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。