日本を旅行した外国人を対象に行ったアンケートを見ると、「きれい、おいしい、楽しい!」という意見が多く、基本的に満足度は高いけれど、日本は完全無欠の国ではない。
「日本では英語が通じない」というのは、昔から訪日外国人の鉄板の不満で、必ずトップか上位3位には入っている。
そうではなく、最近、SNSを見ていると「scammed(だまされた、詐欺にあった)」と怒りの投稿をしている外国人がいた。
「We got scammed in Japan
Although we are pretty alert when we travel, this time we were caught off guard 🫤」
(私たちは日本で詐欺にあった。旅行中、私たちはかなり警戒していたのですが、今回は油断しました🫤)
その「詐欺体験」とはこんなものだった。
彼らがコンビニでパスモに2000円をチャージした後、それで高速バスに乗ろうとしたところ、運転手に「お金が足りません」と言われ、「えっ?」と驚いたけど、仕方なく現金で支払った。
どういうことかと思って、彼らがグーグルレンズを使ってレシートの日本語を翻訳すると、「取消」と書いてあった。コンビニの店員は彼らから2000円を受け取り、それを勝手にキャンセルして、自分のものにしたと彼らは被害を訴えている。
そして最後に、「もし、あなたが日本でこんな不快な経験をしたくなかったら、または、素晴らしい体験をしたいと思ったら、私たちのインスタグラムをフォローしてください」とメッセージを書く。
この投稿を見た外国人は、「そんなことは一度も起きたことがない。信じられない」や「その話には腑に落ちない点がある。きっと詐欺ではない」とこの話自体を疑う人が最も多く、「それはひどい。すぐ警察へ行くべきだ」と話をそのまま信じる人が最も少なかった。
外国人の感想でほかにあったのは、それは詐欺でも作り話でもなく、「店員が英語を理解できなかったことが原因で、何らかのコミュニケーション・ミスがあったのでは?」というもので、この指摘に共感が集まった。
個人的にはこの話は創作臭いだと感じたが、この外国人と店員が英語でやり取りをして、どこかで誤解が生まれ、それがトラブルの原因になった可能性なら十分あると思う。
おしい、正解は「エキサイティング・プライス」
日本にいる外国人が買い物をするだけでも、コトバの壁にぶつかるという話はたまに聞く。
知り合いのアメリカ人がコンビニで、「これをマイクロウェーブで温めてください」と頼んだら、コンビニの店員が戸惑った表情を浮かべる。まさか、「 microwave(電子レンジ)」が分からないとは思わなくて、彼も驚いた。
あるイギリス人はスーパーで買い物をしていて、ベーコンが見つからなかったので、「すみません、bacon はどこですか?」と日本語で聞いたら、店員が不思議そうな顔をした。
別の店員も来て、3人の日本人を相手にイントネーションやスピードを変えて「bacon」と何度か言ってみたけれど、誰も理解してくれない。そのうち店員の1人が「あっ! きっとベーコンだ」と気づいてくれた。
日本人の英語力の低さについては、欧米人、台湾人、タイ人、ミャンマー人、インド人、アフリカ人、トルコ人など、国籍や宗教、民族を超えて「これほど英語が通じないとは思わなかった!」という話を何度も聞いていた。
だから、そんなグチには慣れていたけど、日本に住んでいたインド人から聞いた意見は衝撃的だった。
そのインド人は20代の男性で小学校から英語を学んでいて、大学では英語で授業を受け、論文も英語で書いた。
彼も日本人の英語力については、道案内やレストランでの簡単なやり取りも難しかったことがあり、日本人の聞く力・話す力の無さにはビックリした。
彼はその原因を考え、「日本では学校で英語教育をしていないからだろう」という結論に達する。日本人の英語の実態からすると、その理由がいちばん説得力があった。
もちろん、そんなワケはなく、日本では小学校から英語の授業があると聞いて、それはそれで彼には意外だったという。
インドの大学では授業は英語で行われるから、大学生で英語を話せない人はいないし、英語ができなかったら、大卒で最低レベルの企業に入ることもできないという。つまり、英語の能力があるかないかで、インドでは人生がまったく別のものになるのだ。
一方、日本ではそれがない。
英語ができなくても有名企業に入ることはできるし、日常生活で英語を必要とする場面もない。
結局、インドと違って、日本の社会では英語ができるメリットがあまりに小さいから、英語を習得しないといけないという強いモチベーションが生まれない。
やる理由や動機がなかったら、英語を話せるようになるわけがないということで、そのインド人は納得した。
こちらとしては、インド人が日本人と接して、「学校で英語を教えていない」と感じたことは衝撃的だった。
物を供養する独特の信仰。日本の”神”を表す最も正しい英語は?
日本の英語教育って30代くらいまでは、海外の技術を取り入れる目的のリーディング・ライティングが主体でしたからね。
昨今は小学校からALTによるリスニング・スピーキング授業も取り入れられてますから、将来はもう少しマシになるのでは?
日本語と英語は文法構造がかけ離れていて、双方ともに相手言語の習得難度が最高レベルというのも有るでしょう。
そして英語が苦手でも大学以上の高等教育を受けられるし、十分な収入の就職先もあるとなれば英語学習のモチベーションは高くならないでしょうね。
「英語力の向上」は数十年から叫ばれていますが、国際的な試験の結果や外国人の反応からすると、まだまだのようですね。
日本は英語ができるメリットが小さいことが大きな理由だと思います。
生きるために必要ではありませんから。
そりゃインドとは比較にならないですよ。インドの公用語はヒンディー語ですが、英語は第2公用語ですから。そのヒンディー語だってインド全域では必ずしも通じるとは限らない。それに対して英語は、ローカル言語ではないですから、(それなりの社会階層の間では)インド全域で通じます。
> そのインド人は20代の男性で小学校から英語を学んでいて、大学では英語で授業を受け、論文も英語で書いた。
そんな事情も、ヒンディー語では語彙が不足するので、英語を使わないと高等教育が不可能だからです。つまり、英語が使えない限り、インドでは「高卒・大卒程度の国民」として生きることはできないのです。
多くの日本人は気づかないことですが、このような言語の国は世界中に意外と多いです。日本人が、日本語で高等教育を受けられるのは、明治の先人が外国の文明を片っ端から漢字語に翻訳してくれたおかげです。その成果は、われわれ日本人だけでなく、「日本製漢字語の導入」という形で中国も韓国も恩恵にあずかっているのです。
たとえば「中華・人民・共和国」でも「中華」以外は全て日本製漢字語、「朝鮮・民主主義・人民・共和国」でも「朝鮮」以外は日本製漢字語です。「大統領」もそうです。