前回の記事は、フェイスブックでたまたま見つけたこの投稿からはじまった。
この「Muslim in Burma(ビルマにいるムスリム)」とは、ミャンマーにいるロヒンギャと呼ばれるイスラーム教徒のこと。
この写真の人たちは、「ミャンマー政府はイスラーム教徒(ロヒンギャ)を殺すのをやめて」と訴えている。
ロヒンギャとはどんな人たちなのか?
ロヒンギャ問題に対して、ミャンマーの最高実力者であるアウンサン・スー・チー氏はどう考えて行動しているのか?
そのことは前回の記事をご覧ください。
*下にリンクがあります。
今、ロヒンギャ問題が世界の注目を集めている。
9月9日の1日だけでも、ヤフーニュースにはこの問題を報じる記事がこんなにある。
・バングラにロヒンギャ難民29万人流入
・日本で暮らすロヒンギャの人たちらが抗議デモ
・ロヒンギャ難民の母子
・バングラデシュにロヒンギャ難民29万人流入=飢える子、泣き崩れる母
・ロヒンギャ難民27万人に、アジア各地で抗議デモ
・ミャンマー、ロヒンギャ問題のラカイン州を公開
・涙を流すロヒンギャ難民
国連はロヒンギャ問題について「民族浄化のおそれがある」と強い表現で世界に伝えていた。
それに対してミャンマーのスー・チー氏は「それは事実ではない。ロヒンギャ問題に関してはフェイクニュース(ニセ記事)が出回っている」と言う。
毎日新聞の記事(
ミャンマーのアウンサンスーチー国家顧問兼外相は5日、トルコのエルドアン大統領と電話協議し、イスラム教徒少数民族ロヒンギャ問題に関し、政府は全ての人々を保護していると訴えると同時に「フェイクニュース(偽記事)が多くの問題を引き起こしている」と主張した。
「ロヒンギャで「偽記事」 スーチー氏が正当化」
BBCとのインタビューでもスー・チー氏は「民族浄化」を否定し、「ミャンマーの行動は間違っていない」と正当化している。
では、ミャンマーの人たちはこのロヒンギャ問題についてどう思っているのか?
どんな反応や考えを見せているのか?
それを紹介します。
「ミャンマーはロヒンギャを殺すのをやめて」という訴えに対して、ミャンマーの人たちは以下のようなコメントを書きこんでいる。
*この中には、8月25日にミャンマー軍とロヒンギャの武装勢力との間でおこなわれた戦闘について書いている人が多い。この衝突では、500人近くが死亡している。
NHKニュース(2017/09/01) から。
仏教徒が多数派を占めるミャンマーでは、イスラム教徒のロヒンギャの人たちが差別的な扱いを受け、一部が武装勢力となって警察や軍の施設を襲撃するなどしてきましたが、今回の襲撃と掃討作戦で双方の死者の数はこれまでで最も多くなりました。
【ロヒンギャ】ミャンマー軍と武装勢力ロヒンギャとの戦闘で500人近く死亡
下のMuslimはイスラーム教徒(ロヒンギャ)のこと。
Bengaliはバングラデシュ人のこと。
Rakhaineはミャンマーのラカイン州のこと。
Muslim are killing Burma.
If u don’t know anything,don’t say anything.Stop killing Rakhine in our country Myanmar!If u wanna stop killing ur people Bengali,Plz go back ur counrty!bcz Myanmar isn’t ur country.Do go back ur hometown!
Wtf!!! If we killed all Muslim in Myanmar , there will be no Muslim in Myanmar right now.
This case is nothing concern with religions.Just protect the terrorists from our country .
haha fake . Rohingya kill myanmar people in Rakhaine . We have more duty to product our people.
Please see the real situation in Burma.
Rakhine villegers were killed by extremist Bengali Territorist
But you all still think it’s a fight between Buddhist & Muslim.It’s not between us.
Not killing Muslin , killing terrorists. Don’t trust fake news.
We don’t kill Muslim. We protect our country from terrorists. Do your own business if you don’t know the real situation in Myanmar.
You don’t know everything.The real attackers are Muslim not Burmese.They want our land.We can’t give them.They are pretending as refugees.
ここで見られるミャンマー人の考えはだいたいこんな感じ。
・ミャンマー人がロヒンギャを殺しているのはなくて、ロヒンギャがラカイン州のミャンマー人を殺している。
・ロヒンギャはバングラデシュ人のテロリストや過激派で、ミャンマーはそのテロリストから国を守っているだけ。
・ミャンマーの本当の状態を知ってほしい。
・ミャンマーはロヒンギャを殺しているのではなくて、テロリストを殺害している。
・フェイクニュースを信じるな。
・ロヒンギャたちはミャンマーの土地を欲しがっている。難民のフリをしているだけ。
中には日本語のコメントもあった。
その文をそのまま載せる。
現実をわからないのに、こんなことをして自分が正しいと思っていますか?昔からミャンマーでたくさんのイスラムの人たちがいますが、ミャンマー国籍を持ってミャンマー人たちと親しく暮らして来たこと、それをわかっていますか?イスラムだから殺しているわけではない。自分の国を守るためだ。現在起きていることは宗教問題ではなく、テロの問題だよ。目を開いて、耳を向けて、頭を使ってください。現状をわかってからしてください。
「イスラーム教徒(ロヒンギャ)はミャンマー人を殺しておきながら、国際社会には被害を訴え救済を求めている」
これがミャンマー人の代表的な声だろう。
前回は「ロヒンギャが被害者」という視点で記事を書いてみた。
今回は逆に、ミャンマー人からの見方を紹介した。
どちらが正しいかは自分の頭で考えよう。
ミャンマー人はとても深く仏教を信仰していて、おだやかな性格の人が多い。
親日的で日本を好きな人もけっこういる。
ボクがミャンマー旅行で出会った人は、ほとんどが良い人。
でも、それと政治的な主張とは別。
政治問題や愛国心にかかわることになると、ミャンマー人は激しいし厳しくなる。
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