オリンピックを象徴するものに「オリンピック聖火」がある。
去年10月、オリンピックが生まれたギリシャのオリンピアで聖火の採火式がおこなわれた。
もちろん韓国・平昌オリンピックのために。
でもその日は残念ながら雨。
オリンピアでおこなわれる採火式では、巫女(みこ)に扮した女性たちが鏡に太陽光を集めて火をおこすことになっていた。
でも、この日の雨がそれを許さない。
読売新聞の記事(2017年10月24日)にそのことが書いてある。
しかし24日は雨が降り太陽光で火をおこすことができなかったため、式典は23日のリハーサルでおこした火を使って行われた。
太陽光で火をおこせず…平昌五輪・聖火の採火式
これを知ったアテネ市民は「韓国はゼウスに何をしたんだ?」とつぶやいたという。
それは知らないけど、式典に参加していた李首相の目からも雨が流れ出したという。
それも知らないけど、とにかくオリンピアで聖火をいただくことはできた。
あとはこれを平昌に運ぶだけ。
でも、韓国はエンターテインメントの達人。
”韓国劇場”はまだ終わらない。
ゼウス
ゼウスはギリシャ神話に出てくる最高神。
全宇宙や天候を支配し、人類と神々双方の秩序を守護する天空神であり、オリュンポス十二神をはじめとする神々の王でもある。全宇宙を破壊できるほど強力な雷を武器とし、多神教の中にあっても唯一神的な性格を帯びるほどに絶対的で強大な力を持つ。
「ウィキペディア」
2004年アテネ大会の聖火
平昌オリンピック開幕の100日前に、聖火が韓国に到着した。
ここから聖火リレーがおこなわれる。
国民的英雄のキム・ヨナさんやIOC(国際オリンピック委員会)の関係者が集まり、全国の視聴者がテレビで見ている中、いきなり聖火が消えてしまった。
レコードチャイナの記事(2017年11月2日)から。
行事では国際オリンピック委員会(IOC)選手委員を務める卓球の五輪金メダリスト柳承敏(ユ・スンミン)氏が臨時聖火台に聖火を点火したが、その火がなぜか消えてしまったという。
「なぜか」って、やっぱりゼウスのしわざじゃないの?
この後すぐに火は再び点火されて、聖火リレーは始まった。
聖火リレーがスタートした日に火が消えてしまったことに、韓国国民は不安を隠せない。
記事ではこんなコメントを紹介している。
「なんだか不安」
「五輪が台無しに…」
「早くも何か兆候が?」
「平昌で開催するなという暗示かも?」
「五輪は駄目になるということを表す象徴的なシーンだなあ」
でも、一番多くの共感票を集めたのが「こんなことで騒ぐなよ。またつければいいだけの話」というコメントだったのだから、さすがはケンチャナヨ(大丈夫)精神の韓国人。
ベルリンオリンピックの聖火リレー。
現在の聖火リレーは1936年のベルリンオリンピックから始まった。
そして今日、イギリスのロイター通信社が「平昌五輪の開幕式で出禁をくらった」というニュースがあった。
ロイターの記者が聖火点火のリハーサルを無断で報道したことから、開幕式の取材が不許可にされてしまった。
半魚、ではなくて、ハンギョレ新聞の記事(2018-01-29)から。
国際オリンピック委は、ロイターの開幕式取材および写真撮影パスの発行を許さず、点火写真を撮影した記者の五輪取材登録カード(ADカード)も剥奪した。
ロイター側の主張が載ってないから事情はよく分からないけど、せっかくの開会式にケチがついてしまったことはたしか。
2002年ソルトレイクシティオリンピックの聖火
1998年のソウルオリンピック開会式で「平和の鳩を焼いてしまった」ことは、韓国のオリンピック関係者にとって今も消えない悪夢になっている。
東亜日報の記事(2017/10/25,)の記事を見るとそう思う。
ソウル五輪では最終点火者3人がエレベーター装置に乗って聖火台に上り、火を点した。点火と同時に聖火台にいた鳩が焼かれてしまう、笑えない場面が演じられた。
この様子を世界中が見ていた。
動物愛護団体から抗議を受けたこともあって、開会式で本物の鳩を使うのはソウルオリンピックが最後になった。
これ以降のオリンピックでは、鳩の映像、風船、着ぐるみなどが使われるようになる。
ソウルオリンピックは、方向性はどうあれ、とにかくオリンピックの歴史を変えた。
ウィキペディアには「聖火鳩焼き問題」という項目もある。
平昌オリンピックの聖火では、オリンピアの時点からケチがつき始めている。
開会式でも何か起こるような予感がしてならないのだが?
オリンピックの開会式では、最終点火者がとても注目される。
個人的にはキム・ヨナ氏ではないかと思っている。
ちなみに、1964年の東京オリンピックでは坂井義則(さかい よしのり)氏だった。
坂井氏はメダリストではない。
広島に原爆が投下された1945年8月6日に生まれている。
坂井氏はオリンピックに出場したことはなかったけれど、「平和と希望の象徴」として東京オリンピックの聖火に火をともした。
開会式での坂井義則氏(ウィキペディアから)
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