でも、タイと韓国の共通点はよく分からない。
あえて言えば、軍の関係で同じところはある。
タイも韓国もベトナム戦争でアメリカについて参戦して、ベトナム軍と戦っていた。
それと現在でいえば、どちらの国にも徴兵制度がある。
徴兵とは「国家が国民を強制的に兵役につかせること(大辞林 第三版の解説)」で、タイでも韓国でも青年男性は強制的に軍隊に行かないといけない。
でも、韓国では兵役が国民の義務になっていて、すべての成人男性は軍隊に行かないといけない。
もちろん、病気や障害などがある場合は兵役の義務は免除される。
タイの徴兵制度は韓国とは全然ちがう。
ヤフーで「タイ 徴兵」と入力して検索するとこんな画面が出てくる。
そう、タイの徴兵にはなんと、「くじ引き」がある。
「これだけは、韓国ではなくて日本に生まれてよかった」と思うことがある。
それは、日本には徴兵がないこと。
へい‐えき【兵役】
軍籍に編入されて、一定期間軍務に服すること。
デジタル大辞泉の解説
韓国で男として生まれた以上、約2年間、軍人として軍隊で集団生活をしないといけない。
韓国人から話を聞くと、みんな本当に、心の底から軍隊には行きたくないと思っているらしい。
まー、その気持ちは分かる。
でも、韓国の憲法にこう書いてあるから仕方ない。
国軍は、国家の安全保障と国土防衛の神聖な義務を遂行することを使命とし、その政治的中立性は遵守される」とされ(第五条)、さらに「すべての国民は、法律の定めるところにより、国防の義務を負う」という条項(第三九条一項)をもっている
「「市民」とは誰か (佐伯啓思)」
「戦争放棄」・「戦力の不保持」・「交戦権の否認」の平和3原則がある日本国憲法とは大違い。
韓国に「ソン・フンミン」というサッカー選手がいる。
今はイギリスのプレミアリーグで活躍していて、韓国紙が言うには「アジア最高の選手」。
たしかに、そう評価されてもおかしくないほどの結果を残している。
そんな韓国の英雄が、2016年のリオデジャネイロ五輪で大号泣した。
このとき韓国は、準々決勝でホンジュラスに0-1で敗れて決勝に進むことができなかった。
当然、メダル獲得ならず。
試合終了の笛と同時に、ソン選手はピッチに崩れ落ちる。
その後、彼は10分以上も号泣していた。
彼がここまで泣いたのは、メダルを取れなかったから、だけではない。
この敗戦でソン選手は、軍隊へ行くかなくてすむ「兵役免除」の資格を得ることができなかった。
10分のうち8分は、きっとこっちの涙だ。
韓国では、国際大会ですばらしい活躍をした選手は、軍隊に入らなくてすむ特権があたえられている。
中央日報の記事(2013年04月09日)
現行兵役法上ではオリンピック3位(銅メダル)以上、アジア競技大会1位(金メダル)をとったスポーツ競技者や、国内大会1位、国際大会2位以上に入賞した芸術家はそれぞれ体育要員と芸術要員に分類して5週間の基礎軍事訓練だけを受ける。
これは2103年のことだけど、今でもそんなに変わってないと思う。
ぶっちゃけ、軍隊にはだれも行きたくない。
でも、オリンピックでメダルと取るとか、病気や障害といった特別な事情でもない限り、ふつうの人間が兵役から逃れることはできない。
でも何とかして、その運命から逃げようとする人がいる。
最近の”トレンド”は、精神疾患のフリをしたり入れ墨を入れたりすることだ。
レコードチャイナの記事(2016年7月8日)から。
兵務庁によると、2012年4月から今年5月末までの兵役逃れの類型を集計した結果、「故意の入れ墨」で検察に送致された件数が全体(165件)の23.0%(38件)を占め、1位の「精神疾患の偽装」の26.7%(44件)に続いて2位となった。
韓国では、「入れ墨=やくざ・犯罪者」というイメージがあるから、入れ墨のある人間は軍隊での生活にふさわしくないと思われて、兵役を免除されるらしい。
ちなみに、「冬のソナタ」で有名な俳優のペ・ヨンジュンさんは、「視力低下」を理由に兵役を免除されている。
板門店で北朝鮮軍と向き合っている韓国軍兵士
彼らは汗を拭くことも禁止されているという。
すべての注意力を前方に向けていないといけない。
「アジア最高の選手」ソン・フンミン選手の兵役について、中央日報に記事(2018年03月21日)がのっていた。
いまソン選手は26歳。
韓国では、28歳までに兵役を終えないといけないことになっている。
だからソン選手にはもう時間がない。
でも、軍隊での生活を2年間続けていたら、サッカー選手としては致命的だ。
当然その間、韓国代表に彼の姿はない。
韓国の国民も「ソンフンミン・ロス」には耐えられそうにない。
そういうわけでいま韓国では、「ソン・フンミンだけは特例にしよう」という運動が盛り上がっている。
国内の世論は孫興民にやや有利だ。「プレミアリーグで大活躍して国威宣揚に寄与している孫興民を兵役特例にしよう」という意見が多い。青瓦台(チョンワデ、大統領府)ホームページの「国民請願」掲示板にも孫興民に好意的な掲示物が多い
ソン選手が軍隊に行かなくてすむかどうかはまだ分からないけど、「民意で兵役を免除される」となったら、たぶんこれは韓国で初めてのことだろう。
ソン選手が「アジア最高の選手」というのなら、ここに「韓国最低の男」がいる。
「どうしても軍隊には入りたくない!」と思った20代の男性が、わざと太って兵役免除をねらった。
彼は約6カ月で30㎏の増量に成功。
でもバレた。
中央日報の記事(2018年03月25日)から。
抜き打ち測定でわざと体重を増やした事実が摘発され、兵役法違反容疑で起訴され裁判まで受けることになった。
これでこの男性は前科者となり、さらに現役入隊しなければならなくなったという。
このニュースに、ネットではこんな反応があった。
・ワザと太ったってよく証明できたな
・韓国ってほんと変な国
・あれ?これ実行する奴本当にいたんだw
・そこまでしていきたくないのかよ
・若い頃のニ年間を徴兵に取られると、数学とか理系の優秀な人材の能力を潰してしまわないのか?
・兵役いったらいじめられそう
・間違いなく胸を揉まれるw
・アイドルやっていて、兵役終わったら誰も自分の事知らなくて無職になったってやついたな
・116キロぐらいで許すなよ。米兵だったら大半が居なくなっちまうぞ
みんな本当に他人事。
でも、こういう記事を読むと、韓国で男として生まれなくて本当によかったと思う。
「逆ライザップ」のこの男性は、軍隊で真の男に生まれ変ってほしい。
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