アフリカでは呪術師の影響力が強い。
1905年のマジマジ反乱では、「この薬用の水(マジ)を飲めば銃弾にあたっても死ぬことはない」という呪術師の言葉を信じてアフリカ人がドイツに反乱を起こした。
現代のアフリカでも、「魔法の薬で傷口をこすれば無敵になる」と本気で信じる人がいる。
前回、そんなことを書いた。
今回も「アフリカ人と黒魔術(呪術)」というテーマで書いていこうと思う。
でもその前に、後で出てくるから、タンザニアとモザンビークの位置を確認してほしい。
日本の左側にある。


ネットで「アフリカ 呪術」と検索すると、「アルビノ」という言葉が出てくる。
この「アルビノ」という言葉をどこかで聞いたことがあるだろうか。
アルビノ(albino)
先天的にメラニン色素が欠乏した人。白化(はっか)した動物。白子(しらこ)。白化個体。
「デジタル大辞泉の解説」
小学生のころ、白人のように肌の白いクラスメートがいた。
今から考えたら、彼はアルビノだったと思う。
モデルとして活躍する人もいる。
ロシア人の「アルビノ モデル ナスチャ」のツイッターから。
— アルビノ モデル ナスチャ (@albinonastya) 2018年3月29日
アルビノの人たちの画像は「Tanzania’s albinos」にもある。
アルビノ患者は、世界的には約2万人に1人の割合でいる。
でもどういうわけなのか、アフリカ東部ではその数が多く、約3000人に1人いるといわれる。
アルビノの肌の白さはメラミン色素の欠乏によるものなのだけど、アフリカには、こんなとんでもないことを言う呪術師がいる。
ニューズウィーク誌の記事(2010年11月11日)から。
タンザニアの呪術医たちがアルビノの人肉は「権力や幸福、健康をもたらす」と主張しているため、「薬」の材料として高値で取引されているからだ。
この記事によれば、1人のアルビノの「両手足、性器、鼻、舌、耳がそろっていれば8万ドルという高値が付く」という。
8万ドルというと、約850万円(2018年3月)になる。
アフリカでは、とほうもない金額だ。
こんなバカげた主張を信じる人がいるため、アフリカでは、アルビノの人を殺害したり誘拐したりする「アルビノ狩り」がおこなわれている。
「アルビノ狩り」だけはなく、親がアルビノの子を売り渡すこともあった。
アルビノが女性である場合、性的暴行の恐怖とも向かい合わないといけない。
タンザニアでは、アルビノの女性が男に襲われることがよく起きているから。
ナショナルジオグラフィック日本語版(2013.01.25)の記事によると、こんな迷信を本気で信じている人がいる。
アルビノとの性交渉で、エイズ(後天性免疫不全症候群)が治るというデマが信じられているのだ。
もちろんこれは一部のアフリカ人で、これが一般的なアフリカ人ではない。
先ほどのニューズウィーク誌の記事は、2010年のタンザニアでのことだった。
でも、アルビノ狩りは今でもアフリカでおこなわれている。
去年、モザンビークでもおきた。
AFPの記事(2017年9月17日)を読むと、現実の出来事とは信じられない。
地元当局者の話では、「犯人らは被害者の腕や脚から抜き取った骨や、髪の毛を奪った上、頭を割って脳を取り出していた」という。
タンザニアの呪術医と同じで、「アルビノの体の部位は富と幸運をもたらすと信じられており、お守りや呪術用の薬として用いられる」という。

前回と今回の記事を書いていて、つくづく思う。
やっぱりどこからどう考えても、アフリカ人は国を独立させる前に、呪術師から自立したほうがいい。
中央政府から分離独立することより、黒魔術から離れることを真剣に考えるべきだ。
まあ、日本でこんなことを言っても何も変わらないけれど。
ちなみにエチオピアでは、「窓から悪霊が入ってくる」という迷信がある。
それを知らなかった日本人旅行者がバスの窓を開けたら、現地のエチオピア人にブチ怒られたという。
くわしいことはこの記事をどうぞ。
呪術信仰もこれぐらいにしておいてほしい。
おまけ
意外なところで、アルビノは日本の元号とも関係がある。
奈良時代の770年~781年までの元号は「宝亀(ほうき)」で、これは白い亀(アルビノの亀)が献上されたことに由来する。
724年~729年までの「神亀」も同じ理由だ。
「アルビノ狩り」の被害者の映像。
再生するかどうかは自己責任でお願いします。
アフリカの旅(国)が、こんなにひどいなんて聞いてなかったから。
アフリカ人と黒魔術(呪術)①魔法の薬や水で”無敵”になれる!ってねーよ。
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