きれいな日本サッカーには、マリーシア(ずる賢さ)が必要では!

 

きのう(今朝?)、ワールドカップ・ロシア大会の準々決勝で「ブラジル vs ベルギー」の試合がおこなわれた。

浜松市には、たくさんの日系ブラジル人が住んでいる。
知り合いの1人は試合の直前、興奮のピークに達したらしい。
Facebookにこんな投稿をしていた。

この試合が金曜の深夜でよかった。
平日だと、次の日の仕事を休むブラジル人が出てきそうだ。
出勤しても、寝不足で仕事の効率はたぶんガタ落ち。

 

試合は2-0で、ベルギー有利のまま前半終了。
でも、このまま終わるブラジルではない。
このままで許すブラジル国民でもない。

後半、ブラジルが怒とうの攻撃を仕かける。
でも、ブラジルは1点返したものの、2-1のまま試合は終了。
ベルギーは準決勝に進んで、ブラジルは姿を消した。
6度目となる最多優勝も夢に終わる。

ゲキサカの記事(18/7/7)はこの試合で、ブラジルのスター選手ネイマールに注目していた。
試合終了の笛が鳴った瞬間、ネイマール選手は放心状態だったらしい。

1-2で試合終了のホイッスルが吹かれると、しばらくの間立ち上がれず。立ち上がっても腰に手を当てて、なかなか動くことができなかった。

ネイマールの夏が終わる…ブラジルが姿が消して南米勢全滅

 

日本のネットでも、ネイマール選手が話題を集める。

・ネイマールやっぱり上手かったなあ
かわし方うまいし、パスもうまい。
・もっとネイマールみたかった。優勝して喜ぶとこも見たかった。すごい残念
・ドフリーを外したのがなぁ・・・本当、あれがはいっていれば。

とネイマール選手のプレーに注目する人がいれば、ネイマール選手の”演技”に目がいく人もいる。
ネイマール選手はFKやPKをもらうために、大げさに痛がったりダイブをしたりする。
これは世界的に有名で、このベルギー戦でもイギリス紙に「ネイマールは恥だ」と書かれていた。

日本のネットでも、ネイマール選手を「ダイバー」とヤユする声が多い。

・コロガール
・海だ!ダイブだ!ネイマールの夏
・ネイマールの評価もだだ下がりしそう
ネタキャラとしては好きだけど
・ダイバーは
これからタイの洞窟に急行
・帰ったらアマゾン川にダイブしようぜ
六甲おろし歌いながら
・VARの偉大さよ
・次回からはVARすら欺く演技力を身に付けて欲しい

 

じつはブラジル人からも、「ネイマールはやりすぎだ」という批判がかなりあるらしい。
先ほど「ブラジル頑張れ!」と応援していた日系ブラジル人が、少し前にこんな動画をシェアして笑っていた。

ブラジルでもネタにされていた。

 

前々から、ネイマール選手の”演技”には、多くの人が「非常に悪い例」「恥ずかしい時間稼ぎ」と批判していた。

でも、ネイマール選手の心臓は鋼でできている。
そんな世界の声を気にしていない。

メキシコ戦でも相手監督から、試合後、「あれはサッカー界の恥だ」と非難されたけれど、ネイマール選手は意に介さない。

AFPの記事(2018年7月3日)でこう言っている。

「批判されようが称賛されようが、ほとんど気にしない。(中略)自分に課せられた仕事は、ただプレーしてチームメートとチームを助けることだ」

ネイマール、大げさ演技への批判にも平然「ほとんど気にしない」

 

日本は今回のW杯で、ベスト16に終わった。
でも、犯した反則の数は参加国で最小。
もっとも”クリーン”な戦いをしている。

でも、だからこそ、ネイマール選手のような図太いところが必要だと思う。

日本代表の監督をしていたザッケローニ氏は、ベルギー戦で日本が破れた原因を「マリーシアがなかったため」と分析している。

日刊スポーツの記事(2018年7月4日)

「残念だ。最後に日本は無邪気なところを見せてしまった。彼らの文化やDNAにはマリーシア(ずるがしこさ)は存在しないからだ。(カウンターを仕掛けられた時に)戦術的なファウルで(失点を)防げたが、彼らには(ファウルで止めることは)理解できないことだ」

ザッケローニ氏、V弾許したのは日本人の性格も影響

 

日本はポーランド戦でラスト10分間、ボールを回すだけで攻めこまず、露骨な時間稼ぎをして世界から批判をあびた。

あれを見た知り合いの日系ブラジル人は、こんなことを言っていた。

「日本はやり方がヘタ。いつもきれいな試合をするから、ズルいことを上手にできない。あの場面なら、ブラジルもきっと時間稼ぎをする。でも、もっとうまくできる」

日本代表がしたことには「かしこさ」がなかった。
マリーシア(ずるがしこさ)ではなくて、ただずるいだけ。
優等生には悪さのやり方が分からない。
だから、露骨になってしまう。
たしかにブラジルなら、日本ほどの批判が出ないように、上手に時間稼ぎをしていたと思う。

ネイマール選手を「コロガール」と言うだけではなくて、ブラジルのマリーシアを見習ってもいいと思う。

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。