夏休み中、スウェーデンの湖で遊んでいた小学生のサーガちゃんは、とんでもないものを見つけた。
それは約1500年前、バイキング時代の剣。
少女がそれを引き抜くと、世界的なニュースになった。
これはイギリスBBCの記事(2018年10月5日)
サーガちゃんは地元ラジオの取材に、「水の中で何かに触ったので、持ち上げました。取っ手があったから、お父さんのところに行って、剣みたいだよって言いました」と話した。
これが後のスウェーデンを救うことになる、伝説の聖剣士サーガ誕生の瞬間だった。
「8歳少女が湖から1500年前の剣を引き抜いた」
このニュースに、ネット上で中二病心が爆発する。
・やっと伝説の勇者があらわれたか
・ドラクエ次回作のオープニングに決定
・アーサー王ここに現る
・アーサー・ペンドラゴンかな
・1500年前って大化の改新より旧い時代じゃん
・ユーチューバーにピカピカに研がせろ
・これマジでやばいんじゃね?この聖剣を引き抜いたことにより封印されてたとんでもない化物が復活したんじゃねえの?
・この剣のキャラ設定、幼女を守り抜くクールサムライ系でよろしくお願いします
・「それを手にする前に、きちんと考えたほうがいい。それを手にしたが最後、君は人間ではなくなるよ」
・ロマンシング・サーガたん8歳
・きこう
あなたがわたしのマスターか
「ロマンシング・サーガたん」はどうでもいいけど、「アーサー王」は覚えておこう。
アーサー王を主人公とする「アーサー王物語」は、高校世界で習う重要なものだから。
ちなみに、中二病(ちゅうにびょう)とはこんな意味の言葉ですよ。
中学二年頃の時期特有の痛い言動を揶揄したもの。「自分は選ばれた特別な存在」という自己愛が暴走し、周囲の感覚を超越した自分になろうとする病。現実的に不可能な世界に憧れたり、逸脱的な趣味・嗜好を顕示したりする。
「アーサー王物語ってなに?」という人も多いと思う。
手元の「世界史用語集」での重要度は「7」。
これはナポレオン=ボナパルトやチンギス=ハンと同じ。
一般常識として知っておいていいレベルだ。
高校ではこう習う。
アーサー王物語
ブリトン人の英雄アーサー王を題材とした騎士道物語。12世紀に完成。ケルト神話や聖杯伝説、円卓の騎士の伝承などがもりこまれた口語文学
「世界史用語集 (山川出版)」
この物語を超大ざっぱに書くとこんな感じ。
「これを引き抜いた者は王となるだろう」という伝説の剣をアーサーが引き抜いた。
これがエクスカリバーだ。
エクスカリバー(Excalibur)
アーサー王伝説で、アーサー王が所持したといわれる魔法の剣。石に刺さっていたのを王が引き抜いた、また湖の精に与えられたなどの伝承がある。
デジタル大辞泉の解説
神に選ばれたアーサーは聖剣エクスカリバーや魔法使いマーリンの助けを借りて、すばらしい王になっていく。
大体そんな内容。
ちなみに、「7つの大罪」に出てくる魔法使いマーリンの元ネタはここから。
「アーサー王物語」は中二病心をくすぐる要素や用語が満載で、世界中のアニメやRPGで使われている。
とくに魔法の力が宿るといわれる伝説の剣エクスカリバーは、多くのRPGで最強の剣になっている。
先ほどの説明では、エクスカリバーについてこう書いてあった。
「石に刺さっていたのを王が引き抜いた、また湖の精に与えられたなどの伝承がある」
エクスカリバーの登場には、いろいろなバージョンがある。
下の絵は、湖の少女(精霊)がアーサー王にエクスカリバーをわたすところ。
これがスウェーデンのサーガちゃんに重なった。
以上、ここまでの内容をまとめると、アメリカCNNの記事(2018.10.06)になる。
スウェーデンの湖でこの夏、8歳の少女がバイキング以前の時代の古い剣を発見した。地元住民の間では、アーサー王伝説に登場する剣「エクスカリバー」の言い伝えにちなみ、少女を「スウェーデンの女王」と呼ぶ声も出ている。
今日10月8日は、三連休のど真ん中。
明日は浜名湖に行って、伝説のうなぎを見つけようと思う。
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