日本と韓国社会の違い:幼虫水道水恐怖、”見かけ倒し”の先進国

 

韓国の全国紙・朝鮮日報が日本の「後進性」を記事(2020/07/20)で報じてますよ。

東京はまだFAX 2台で感染者情報収集…「統計反映に3日かかる」

イギリスでは博物館に展示されているファックスが日本では大活躍していて、東京都庁の新型コロナウイルス対策本部はファクス2台を中心に動いているらしい。

新規感染者の情報を医師がファックスで送信するのだけど、感染者1人につきA4用紙1枚が使われることから、毎日報告書が山積みになっているという状態だとか。

しかもミスが発生していて感染者111人が抜け落ちたとか、35人を重複して集計したことが分かって日本でも問題になった。
でもこんな理由から、日本はこのアナログ文化から抜け出せないようだ。

「すべての業務をデジタル化して中央集約して処理すれば、ファクス担当職員はどうするのか」という反論もあるという。

いやいや。
別の部署へ異動して、新しい仕事を覚えろよ。

 

こんな日本にあきれるIT先進国の韓国ではいま、水道水から「幼虫」が出てきて国民がパニック状態におちいっている。

中央日報の記事(2020.07.21)

キムさん(29)は「19日、浴室の水が溜まりやすいところに乾いた幼虫がくっついていた」とし「汚く、とても驚いた」と話した。キムさんが撮影した写真には幼虫3匹が乾いて死んでいた。

韓国全国を襲った「幼虫水道水恐怖」…シャワーフィルターの注文「爆発」

家庭の蛇口をひねると、こんなユスリカの幼虫アカムシが出てきたという。
これはちょっと、言葉にならない衝撃。

 

この「幼虫水道水恐怖」は仁川市からはじまり、首都ソウルではこんな報告があった。

中央日報の記事(2020.07.20)

キムさんは発見した幼虫が「1センチ程度の長さに髪の毛の太さの赤い虫だ」とし「水の中でイトミミズのようにうごめいていた」と話した。

ソウルの家庭からも「水道水幼虫」通報…「1センチの赤い虫」

 

ホラー映画の始まりのようなシーンが韓国では現実に起きていた。
それが全国各地へ広がっていき、水道水から幼虫が発見されたという通報は全国で734件あったと朝鮮日報の記事(飲み水も心配)にある。(2020/07/21)
当然、水道水への不安も全国的に広がっているという。
水道水が危険なため、緊急に飲み水を各家庭に配った地域もある。

この事態に韓国当局は「ケンチャナヨ(大丈夫だ)」精神で対応したらしい。
中央日報の記事(2020.07.21)

正確な原因把握は遅れている。特に水道水から出るユスリカの幼虫をめぐっても、当局は無害だというコメントを出して、市民の不満が高まっている。

仁川で10日間「ユスリカ水道水」166件、韓国当局は「無害」のコメントだけ

 

そうか、じゃあ安心だな。ってなるかー!

水道から1センチの赤い虫が出てきて洗面台でうごめいているのを見て、「無害だ」と言われて納得する人間がどこにいるのか。

専門家のアドバイスとしては、ユスリカの幼虫が水道水にいると思った場合は、口の中に直接入れることは控えたほうがいいということだ。
いやいや、そんなこと言われなくても誰だってやりますよ。
専門家はほかにも、水道水を沸騰させて使うこともすすめている。

くわしいことは中央日報の記事(2020.07.21)をどうぞ。

「体内で繁殖する危険ない」と言うが…ユスリカ水道水の恐怖高まる=韓国

そんなホラーなことを言われて安心できるか。
そりゃ、フィルターがバカ売れするわけだ。

 

ファックス中心なんてあり得ない!
というIT大国の韓国さんだけど、その社会基盤は意外とぜい弱。
2年前にはソウルにある通信ケーブル用のトンネルで火災が発生し、電話線や光ケーブルが燃えたことで、かなりの範囲で電話やインターネットが使えなくなった。

公衆電話に行列ができるし、カード決済もできなくなったため、店では現金を出さないといけない。
急に車のナビが使えなくなったドライバーも出てきて、このときはネットで「石器時代に戻った」と言われるようなパニック状態となった。
「急にインターネットが使えなくなったら?」と韓国人に聞いたら、「軽く死ねますね」と答えると思う。
日常生活ではITに頼りっきりの韓国人にとって、これは本当に致命的。

こういうことがあると韓国では、朝鮮日報の記事(2018/11/26)のように日本を引き合いに出して自らを振り返る。

見掛け倒しの通信大国…日本に比べ甘すぎる災害対策=KT火災

韓国は世界的な通信大国と言われるが、安全性で日本と比べると「見かけ倒し」だったと韓国メディアが指摘。
日本の管理体制なら、こんな事故は起こりえないという。

日本人と韓国人、考え方の違い。見た目か中身か?利益か基礎か?

 

韓国社会は日本より先進的な部分もあるけど、全体的に見ると、やっぱりどこかユルイし危ない。
韓国旅行でオシャレなカフェを見たり地下鉄や電車で移動すると、日本社会と同じように見えるけど、「幼虫水道水恐怖」がおきたり「石器時代」に戻ったりするのを知ると、やっぱり日本とは社会基盤が違うのだと思い知らされる。
失礼ながら朝鮮日報の表現を借りれば、日本に比べれば細部が甘いし「見掛け倒し」の先進国だ。

まーそれでも日本もいい加減、新型コロナの集計で手作業のファックス送信は卒業したほうがいい。

 

 

こちらの記事もどうぞ。

近くて遠い日本と韓国 「目次」 ①

近くて遠い日本と韓国 「目次」 ②

近くて遠い日本と韓国 「目次」 ③

 

6 件のコメント

  • FAX今も使ってます。 通販会社はFAX注文まだまだ残ってますよね(*^^*)b
    会社にとある通販サイトから商品10%offのお知らせがFAXで来ます。 
    ついでに注文書にしておいてくれればいいのに注文はネットなんですよね~。 で、お知らせには10%OFFのクーポンコードがありまして~ネット注文するときにコード入力するんですが~うっかりコード入力しないでいつもの感覚で購入ボタン押しちゃうんですよね(>_<) 
    省庁関係のFAX担当の人が定年になったらなくなるんだと思います。 FAXも消えちゃうのか。 寂しいなぁ。

  • >「すべての業務をデジタル化して中央集約して処理すれば、ファクス担当職員はどうするのか」という反論もあるという。
    >いやいや。
    >別の部署へ異動して、新しい仕事を覚えろよ。
     ↑
    いきなり異動にせずとも、企業だったら、まず別のもっと効率的な処理方法を自分で考えますけどね。

    >こんな日本にあきれるIT先進国の韓国

    そりゃ別に韓国でなくたって、日本人だって上記の弁解(?)にはあきれますよ。
    ファクスの書類が積みあがっているとして、その受け取ったファクスの処理は、数値データとか抽出して、最終的にはどうしているんですかね?バインダーに綴じているのか?
    自分だったらスキャナで電子データ化して紙は捨てるけどなぁ。そもそもファクスって、画像電子データのまま受け取って、画面に表示して、神には印刷しない扱いもできるのですが。

    つまり、非難されるべきは「ファクスという後進的手段を利用している」ことではなく、役所の仕事の進め方と割り当て方、プロジェクト全体に対する管理目的のイメージ付け、といった「本来、有能な官僚であればできて当然の仕事」ができない、ということでしょう。

  • 赤虫(ユスリカの幼虫)って、ドブ川とか排水溝とか溜池とかによく見られるやつですよね。
    そんなもの、どうして上水道に混じるんですか? しかも多くの都市で多くの住民に目撃されるということは、かなり大量に水道管内へ供給されているのでしょう。いったい、どうやって?
    水道管が老朽化した程度のことで、そんな現象を起こす原因になりますかね?
    もしかすると、根本的に間違っていて、どこかで排水管を水道管へ繋ぐとかしているんじゃないですか。

  • 日本全体でみれば、ファックスはまだまだ現役ですね。
    でも、新型コロナの対応で手作業だと効率が悪すぎます。新型コロナについては新しいシステムを導入しているのですが、東京はまだのようです。
    巨大すぎて変えるのに時間がかかっているのかもしれません。

  • 韓国水道赤虫の件、その後続報で調査結果が出たみたいです。
    なんでも、「浄水場に防虫ネットとか全然設置してなくて、虫でも何でも入り放題」の状態だとか。これじゃ浄水場と言うよりも、ちょっときれい目のため池から水道を引っ張ってるのと同じです。
    水道、ガス、電気、いずれも日本だと取り扱うのに資格が必要な専門技術であり、無資格一般人が手を出すと法違反になるのですが。韓国ではそのような扱いがなされてないのでしょうか?

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    今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。