特権階級と不正への韓国人の怒り。名門大学を取り消され中卒に。

 

いま韓国が爆発している。

朴槿恵(パククネ)大統領とその周辺に対する国民の怒りが収まらない。

100万人が参加したという「ろうそくデモ」が、毎週のようにおこなわれている。
そんなことを聞いたと思ったら、いまでは「革命」になっていた。

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国民はその背後に大統領がいると疑っている。それでも支持率4%の大統領は退陣を拒否しており、大統領を庇護する政界の護衛武士は厚顔な詭弁で国民をさらに憤怒させている。

 

この社説は朴政権を「組織暴力集団」と呼んでいる。

日本の新聞ならこの表現はない。
言葉の選び方でも、日本人と韓国人の感覚の違いが分かる。

 

 

韓国で起きている史上最大規模のデモでは、一人の女子大生も集中攻撃を受けている。

それが、朴大統領の友人の娘のユラ氏(20歳)。
このユラ氏が高校時代に受けていた特別待遇が明らかになって、韓国の若者が激怒した。
ユラ氏は高校生のころ、授業をほとんど欠席しても、成績は満点がつけられていた。
その陰で、親が教師に金を贈っていたという。

ユラ氏というより、この母親がすごい。
日本でも聞いたことがないようなスケールの「モンスターペアレント」だ。

産経ニュースの記事(11月27日)に、そのモンスターぶりが書いてある。
ある日、母は娘のことで「おい!おまえ出てこいよ!黙っちゃいないよ!」と学校に怒鳴りこむ。

標的にされた教師は、同僚教員らの前で、30分以上にわたり、「おまえなんてクビにするのは簡単だ! 今すぐ教育相の所に行って聞いてみる。おまえなんかが学生にとやかく言えるのか!」などと罵(ののし)った。

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韓国の若者の怒りに火をつけたのは、こうしたことよりも韓国で名門といわれる梨花女子大学に不正に入学したこと。
さらに、入学した後の単位も不正に所得していた。

 

 

特権階級の人間で、親の金と権力を使って不正に名門大学に入学する。

こんなことを知ったら、若い韓国人が黙っていられるわけがない。
これだけもじゅうぶんなのに、ユラ氏はさらに韓国の若者を「挑発」していた。

大学合格後、ユラ氏は自身のフェイスブックにこう書き込んだという。次の言葉だ。

「能力がないならお前の両親を恨め。金も実力だよ」

「『親を恨め。金も実力だよ』 若者を反朴槿恵に駆り立てた崔順実容疑者の娘の“特殊な”高校生活」

デモに参加した韓国の高校生は「腹が立つ。同じ条件で大学入試という正当な過程を経なければならないのに、金と権力を利用したというのはとんでもない」と話す。

「金と権力をもつ特権階級に生まれた人間」に「名門大学への不正入学」、さらにこの発言。

マンガに出てくる悪役のようだ。
でも、韓国にいる実際の女子大生。

 

 

でも、悪事はいつかバレる。

今のユラ氏とその親の「落ちぶれぶり」がすごい。
親は容疑者となって、娘は「若者の敵」となった。

11月16日の朝鮮日報に、こんな記事がある。

崔順実(チェ・スンシル)容疑者(60)の娘、チョン・ユラ氏について、高校在学時に出欠の面で特別な計らいを受けていたとの結論を下し、チョン氏の高校卒業資格を取り消す方針を明らかにした。

「国政介入:崔容疑者の娘、高3の出席17日=高卒取り消しへ」

 

高校卒業の資格が取り消されるということは、ユラ氏の大学入学も取り消されることになる。
つまりは彼女の学歴は、誰もがうらやむような一流大学から「中卒」になるということ。

高校卒業が取り消されれば、大学入学も自動的に取り消され、梨花女子大生のチョン氏の最終学歴は「中卒」となる。

「国政介入:崔容疑者の娘、高3の出席17日=高卒取り消しへ」

 

今まで不正を重ねてきた結果だから、自業自得でと言えばそれまで。

 

でも、日本の新聞だったらどうだろう?

犯罪をしたわけでもないのに実名を書いて、さらに「梨花女子大生のチョン氏の最終学歴は『中卒』となる」なんてことまで書くだろうか?

 

韓国のことだから、日本人のボクが何を言っても何の意味もないことは分かっている。

けど、この女子大生はまだ20歳だ。
あまりに恵まれすぎていて、感覚が狂ってしまったのだろう。

でもこの先、まだまだ時間が残っている。

 

ユラ氏の顔と名前は、もうすべての韓国国民が知っている。
そう言っても過言ではない。

この人がこれから先、韓国で生きていくのはかなり辛いはず。

そう考えると、ちょっとせつなくなる。
そして、「韓国人の怒りはすさまじいな」と改めて思う。

 

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。