はじめの言葉
「それはいけません。あんな所へは仏様か菩薩でなければ行けやしません。あなたもそういうお方か知りません。あすこへは昔から一人か二人しか行った者がないという話です。恐ろしい所だそうですから行けば必ず死んでしまいます。そうでなくても桃源郷の外を守って居る猛獣のために喰われてしまいかすからお止しなさい
(チベット旅行記一 川口慧海)」
ボクが尊敬するバックパッカー・川口慧海(えかい)
河口慧海
1866~1945 仏教学者・探検家。
1900年、密入国して日本人として初めてチベットのラサに入る。チベット仏教紹介は世界的な業績とされる。「日本史用語集 山川出版」
数ある外国の中でも、特にインドには「行けば人生を変える特別な国というイメージがあるらしい。
例えば、「台湾に行ってきた」と言うと、「食べ物おいしいよね。いっぱい食べた?」と聞かれる。
「タイに行ってきた」と言うと、「ビーチきれいんだよね、象さん乗った?」と聞かれる。
これが、「インドに行ってきた」と言うと、「インド?何で?」と聞かれることが多い。
そしてその後に、「インドに行って何か変わった?」と聞かれたことは一度や二度ではない。
「インドは人を変える」という考えはイギリスにあるらしい。
日本でいう「自分を変える旅」や「自分探しの旅」で、スピリチュアルな雰囲気があるインドをイギリス人人もいると聞いた。
インドに大きな影響を受けたイギリスの国民的バンド「ビートルズ」の影響もあると思う。
インドで変わったのではなく、「変わってしまった」という旅行者の話は聞いたことはある。
1990年代のインドでは、大麻が安い値段で簡単に手に入っていた。
らしい。ボクは買ったことはない。
そのため、ある日本人旅行者が大麻を吸い過ぎて、お金もパスポートも判断力も失ってしまい、日本に帰れなくなってしまったという。
日本領事館か大使館の職員がその人の日本の家族に連絡すると、「その人間はもう、私たちとは関係ありません」と言われて職員が困り果てたという。
その後、その人がどうなったか知らない。
ボクは、この話をコルカタ(カルカッタ)の宿で同室の日本人旅行者から聞いたし、「大麻に手を出したら、こうなりますよ」と「情報ノート」に書いてあったのも見た。
ただ、「そんなことも起こりえる国だな」と、20年ほど前にインドを旅行していて思った。
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