バックパック(リュックサック)を背負って世界を旅するバックパッカーならいいのだけど、行く先々で迷惑をかけるベッグパッカーがいま世界的な問題になっている。
これはタイメディアが公開した動画で、首都バンコクの繁華街にいるベッグパッカーを映したもの。
ベッグパッカーというのはバックパッカーとbeggar(ベガー:物乞い)の合成語で、路上や広場とかで歌を歌ったりポストカードを売ったりしながら、現地でお金をもらって旅行する人たちのこと。
許可を得てパフォーマンス(バスキング)をして旅行費をかせぐ人たちの反対側にいるのが彼らで、無許可でバスキングを行って、あろうことかその様子をSNSにアップして「ビールうめえええ」とか言っちゃってる。
これは不法行為だから、彼らは正確には旅行者ではなくて外国人犯罪者。
現地の人にはもちろん、合法的にバスキングをする外国人にとっても迷惑でしかない。
そんなベッグパッカーに対する目はとても厳しく、例えばこの海外メディア(たぶんオーストリア)の記事のタイトルには「shameless」(恥知らず)という言葉が使われている。(April 12, 2017)
shameless Western backpackers begging for travel money in the streets of South-East Asia.
And they’re sparking outrage everywhere.shameless Western backpackers begging for travel money in the streets of South-East Asia.
彼らはどこでも激しい怒りを引き起こしている。
ベッグパッカーが売っているのはじつはコレだった。
タイだけではなくて、物価では日本とそう変わらない香港やシンガポールでもこうやって旅行費をかせぐのがベッグパッカーで、こういう人間に対する欧米社会の見方を象徴する言葉が「shameless」。
先ほどのタイメディア動画に寄せられたコメントは、「Arrest them, fine them, sent them to prison」(奴らを捕まえろ、罰金を払わせろ、刑務所へ送れ)といった非難がほとんどで、この行為を正当化しようとする人はベッグパッカーぐらいでは?
日本人にも恥の概念のない人間がいて、ボクもタイを旅行中、楽器を演奏したり外国人の名前を漢字で書いてお金をめぐんでもらう日本人ベッグパッカーを見たことがある。
10年ぐらい前は現地でもこういう行為は大目に見られていて、旅行者の間でも「カッコイイ」なんていう雰囲気があったと思うけど、不法は不法、ここ数年で見方がかなり変わってきた。
タイでは無報酬のボランティア活動をするにも労働許可証が必要で、4年前の「タイランドハイパーリンクス」の記事では意識の低い日本人にこう注意を呼びかけている。(2016年11月26日)
外国人が路上ライブでお金を稼ぐなんてもってのほか。厳密に言えば、道路の使用許可も取らなければならないと思うので、法律破りまくりなワケです。
知らない間に不法就労!?カオサン通りでのストリートライブは気をつけて!
タイだけに前世での行いがよかったら、警察にもうけを没収されるぐらいで済むけど、逮捕→日本へ強制送還→数年間はタイへの入国禁止というパターンもあり得る。
タイでは一時期、西洋人ベッグパッカーが大量発生して問題になり、関係ない西洋人旅行者が入国時に所持金の提示を求められるようになって、基準に満たない人は入国を認められずに追い返されることもあった。
当の本人はそのころには別の国に移動して、また“物乞い活動”に励んでいるのだろうけど。
自国の名誉と現地の評判を落とす日本人がいれば、回りまわって他の日本人が迷惑をうける。
ベッグパッカーが「sparking outrage everywhere」と言われる理由だ。
ついこのまえも台湾で、力士のような恰好をした日本人の「物乞い旅行者」が捕まった。
三立新聞網の記事(2020/04/18)
街頭熱唱!日男不聽勸飆髒話 相撲推警反遭辣椒水顏射
警察の説得に応じず暴れだしたこの日男は、警官から唐辛子スプレーを顔に噴射されたらしい。
恥知らずにもほどがある。
おまけ
むかしタイ旅行で泊まったゲストハウス
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