ACLの浦和VS済州ユナイテッド戦で、前代未聞の乱闘騒ぎがおきた。
このことは、たくさんの人が知っていると思う。
試合中には、済州の控え選手が浦和の阿部選手に飛びかかってひじ打ちをする。
試合後は、済州の韓国人選手が槙野選手を追いかけ回す。
済州のスタッフまでも暴力行為をおこなって、スタジアムは大混乱。
この乱闘騒ぎを海外はどう見たか?
ボクが見た限りでは、イギリス・イタリア・フランス・中国のすべてのメディアが、済州ユナイテッドを強く非難している。
「浦和に責任がある」と書いているメディアはひとつもない。
イギリスのメディアは、済州が「正気を失った」という。
フランスのメディアは、「言い訳の余地もない」「無様」と済州を厳しく批判する。
イタリアのメディアは、「ひどい狩り」「あまりにもアンチ・スポーツ的な韓国チームの振る舞い」と書いている。
中国のメディアは、「済州は試合に負け、人としても負けた」と報じた。
各国のくわしい反応はこの記事を↓
ACL浦和VS済州。海外(ヨーロッパ・中国・韓国)の反応は?
この乱闘騒ぎについては、浦和に責任はない。
「韓国の済州ユナイテッドが悪い」と世界は見ている。
中国では、殴られても殴り返さなかった浦和へに対して、「よく我慢した」と称賛の声が上がっているらしい。
でも驚いたことに、日本のなかで「両方に責任がある」「両チーム反省する必要がある」といった意見がある。
浦和は殴られても殴り返さなかった。
それなのに、「両方悪い」とするのはあまりに不公平だ。
この一件に関しては、済州ユナイテッドが悪いし全面的に責任がある。
でもこんなことも思う。
でも、「もし去年のあのときに、日本がもっと強く抗議していたら、今回の事件は起きなかったかもしれない。起きたとしても、もっと小さいものですんだのかもしれない」と思うことはある。
浦和レッズの西川選手は、とても温厚な選手でめったに怒らないらしい。
それが韓国の浦項スティーラーズとの試合で激怒した。
西川選手は「人として許せない」とまで言っている。
「人としてやってはいけないことをやっていたし、ホームスタジアムを汚されたくなかった。
この事件は一年前の2016年の5月3日、浦和レッズのホームである埼玉スタジアムで起きている。
試合は1対1の引き分け。
試合が終了したとき、浦項のキム・グアンミン選手が埼玉スタジアムのピッチにテーピングを投げ捨てる。
そしてそのまま両チームの整列に向かってしまう。
この非紳士的な行動を見た埼玉スタジアムの観客は、大ブーイング。
ピッチにゴミを捨てるというのは、あまりに失礼だ。
スタジアムの気配を察して、浦項の選手たちがピッチに落ちているテーピングを拾う。
でもキム選手は、自分が投げ捨てたテーピングを韓国の選手が拾っているが気に入らなかったらしい。
自分が捨てたテーピングを仲間から受け取ると、またそのテーピングをピッチに投げ捨ててしまう。
これを見た西川選手が激怒して両チームが乱闘寸前、という状況になった。
でもこのとき、乱闘にはならなかった。
試合後、西川選手はこう話している。
「主将はチームをまとめるべき選手。そういう選手が、ああいうことをしてしまえば、チームはうまくいかないと思う。それは基本的なところ。あんな行為は、日本ではまずないし、海外の試合でも見たことがない。フェアプレー精神がない選手は、絶対に上にはいけない」。
この事件についても、浦和にはまったく責任はない。
試合をおこなったピッチに、ゴミを投げ捨てるなんて考えられない。
しかもキム選手は、仲間の選手が拾い集めテーピングをまた投げ捨てている。
これは浦項というチームではなくて、主将のキム選手個人の責任にするべきだろう。
ところで、この「テーピング投げ捨事件」を知っている人は、どれぐらいいのるだろうか?
今回の浦和VS済州ユナイテッドの乱闘騒ぎは、日本の全国紙にも取り上げられたから多くの人が知っているはず。
今回の乱闘騒ぎとは、できごとの大きさが違うから報道も違って当然だけど、この「テーピング投げ捨て事件」は一般の人にはほとんど知られていないと思う。
知っているのは、一部のサッカーファンだけだったのではないか?
今回の乱闘騒ぎについて、済州が処分されることは間違いない。
でもこんな騒ぎは、日本にとっても良いことではない。
そこで、去年のできごとが頭に浮かんだ。
テーピング投げ捨て事件が起きたときに、日本側がもっと抗議して問題を大きくしていたら、今回の騒ぎはどうなっていたのだろう?
サッカーを離れて日韓関係という大きな枠組みから見てみる。
スポーツでも政治問題でも、日本は抗議をあまりしない。
日本人は反論をしたり抗議をしたりすることが苦手、ということは外国人からよく指摘されている。
これはもう日本人の国民性。
でも、韓国に対して配慮したり遠慮したりしてきたことが、結果として日本と韓国のためになっただろうか?
民主党政権時代には、こんなことがあった。
当時の日本の首相は韓国に配慮して、靖国神社には参拝しなかった。
でも李明博大統領は、竹島に上陸してしまう。
そして日韓関係は、「戦後最悪」と言われるまでに悪化した。
そのとき李明博大統領は、自分が竹島に上陸したのを日本の責任にしている。
これに対して今の安倍首相はどうか?
安倍首相は韓国に強い態度で出る。
そのため韓国からは、「右翼」と言われて嫌われている。
けれど、慰安婦問題で韓国と最終的な解決で合意したのは安倍政権のときだ。
慰安婦問題は日韓の最大の外交問題だった。
だから、日韓が解決に合意したという成果は、日本の野党も朝日新聞も認めていた。
過去の結果を見てみると、日本は韓国に対して配慮するよりも、強く出て意思をハッキリ示したほうがうまくいっているように思う。
もちろんこれも、0か100ではない。
その時々で、配慮したり強く出たりすることが大事。
でも基本的には、日本はもっと強く出たほうがいい。
何か問題が起きたら、ふつうはそれが小さいうちに片付けようとする。
問題が大きくなる前に、できるだけ早く終わらせる。
一般的にはそれでいい。
でも、今後のことを考えて、あえて問題を大きくした方がいい場合もある。
あえてこちらが怒って見せて、相手に考えたり反省したりするようにさせた方がいいこともある。
もちろん落としどころは大事。
日本が韓国に対して配慮してきたことは、本当に日本と韓国のために役立ったのだろうか?
むしろ逆で、日本が強い態度に出たり抗議したりして、韓国に考える機会をつくるほうが日韓のためになったように思う。
去年の「テーピング投げ捨て事件」の時にも、日本がもっと抗議したり問題を大きくしたりしていれば、韓国がもっとこのこと深刻に考えたと思う。
そうしていたら、今回の乱闘騒ぎも、こんなにひどくはならなったかもしれない。
日本も韓国も、こんなに後味が悪くならずにすんだのかもしれない。
スポーツでも政治でも、日本は韓国に対してもう少し強い態度で出で意思をハッキリ示したほうがいい。
そのほうが結果的にお互いのためになる。
こちらの記事もいかがですか?
コメントを残す