和食店で外国人が日本語の説明にア然 海外から擁護の声が殺到した理由とは?

日本人の「おもてなし」は世界的に高い評判を受けている。
しかし、それには限界があって、すべての外国人客を満足させることは不可能だ。最近、日本の内外で話題になった動画から、外国人のホンネを探っていこう。

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「事件」は和食店で起きた

その「事件」は京都の和食店で発生した。

畳敷きで障子のあるいかにも高級そうな店で、日本人の女性店員が白人の観光客に日本語で料理の説明をした。
はっきり聞き取れなかったが、店員はだいたい次のようなことを言っている。

「ちょっと内容が変わりまして」
「季節の天ぷら盛りが〜」
「大きな違いとしましては〜」
「こちらは湯葉あんかけのみとなっております」

店員は丁寧に料理の説明をしているが、白人の女性観光客には1ミリも通じていない。
彼女は驚いて目を大きく開け、「このウェイトレスは何を言っているの?」とただ困惑した表情を浮かべている。

その様子を映した短い動画がSNSで拡散されると、論争が勃発し、日本人の中でも賛否に分かれた。

「自分が海外に行って、こんな早く外国語を話されたら正直ツライ」
「日本だから日本語の説明でいい。むしろ、店員はしっかり仕事をしている」

一方で、外国人の反応を見ると、店員を擁護し、白人の客を非難する声が予想以上に多くて驚いた。
なぜ、当の外国人たちが「日本で日本語を話すこと」をこれほどまでに強く支持しているのか?

日本だけじゃない、現地語の「ブーメラン現象」

外国人の理解を無視して、現地の言葉で説明するーー。

これは日本だけの現象ではなく、世界中で起きることであり、珍しいものではない。

知人がイタリアの観光地へ行ったとき、そんな「地元の洗礼」を受けた。
良い雰囲気のレストランに入って、店員に料理について英語で質問したら、その店員は身振り手振りを使い、熱く情熱的にイタリア語で説明を始めた。

彼は食材の新鮮さなどを訴えているようだけど、日本人にはそのマシンガントークが理解できない。何度か「Sì(はい)」と言っていると、何となくオーダーするメニューが決まって、店員はテーブルを離れた。

また、あるイギリス人はパリのレストランで、店員に英語でオーダーしたら、フランス語で返事をされた。
これは「都市伝説」かもしれないけれど、フランス人はフランス語に誇りを感じているから、英語が理解できてもフランス語を使うという噂がある。

「海外へ行ったら、現地の言葉で対応された」というのは今でも「海外旅行あるある」だろう。

「郷に入っては郷に従え」は世界共通のルール

外国人のコメントで圧倒的に多かったのは、「その国の言葉を学ぶのは、訪れる側の義務である」といった厳しめの意見だ。

動画を見ると、メニュー表に料理が写真付きで紹介されているから、おおよそのイメージを持つことができる。それを前提に、外国人はこんな意見を述べた。

「観光客として行くなら、最低限の必須フレーズは学ぶべき。そうしないのは無礼だ」

「彼らは両手を広げて歓迎してくれます。しかし、観光客は最低限の努力をして、基本的なレベルでコミュニケーションをとる方法を知っておくべきでしょう」

「もし日本人がアメリカを訪れたら、レストランのウェイトレスは日本語で話すべきでしょうか?」

ただ、動画を見るかぎり、この店員の説明を理解するには「最低限のフレーズ」以上の日本語能力が求められそうだ。

全体的に、「英語が公用語ではない場所で英語を期待すること」を、一種の「特権意識」や「植民地主義的」な態度であると批判している外国人が多いことが興味深い。
日本人には、こうした「かつての帝国主義の名残り」という発想が出てこないと思う。

「相手の言語に合わせること」もおもてなしの一つだが、「訪れた先の言語と文化に敬意を払うこと」を旅行者のマナーとして求める声も多い。

「なぜテクノロジーを使わない?」という冷ややかな視点

動画の中で途方に暮れる白人女性に対して、「おまえたちも努力しろよ!」とツッコむ人も一定数いた。

「現代にはリアルタイムの翻訳アプリがある。観光客はそれを利用して、自分自身を楽にするべきだ。これぐらいのことなら、指先一つで解決できるだろう」

「彼らは驚いているだけで、自分たちの問題を解決しようとする姿勢が見られない」

「店員を撮影するヒマがあるなら、店員の言葉をGoogleに聞かせて翻訳させろ」

以前は「言葉が通じない」ことは不可抗力だったが、時代は変わった。
翻訳AIが劇的に進化した今、コミュニケーションの断絶に困惑する顔を公開することは、もう「悲劇」ではなく、「努力不足」とみなされつつある。
だから、この観光客に同情する外国人は意外と少なかった。

動画の裏側にある「真実」

ネットにあげられる動画は「意図的に切り取られたもの」で全体像は分からない。
それは世界の常識だから、以下のようなコメントをする人もいた。

「店員は画面の外にいる男性に話しかけている。彼は日本語が分かっているようだ。白人女性はわざと困惑した顔を作っていると思う。」

「SNSにはアクセス稼ぎのために、前後の文脈を無視した“ゴミ投稿”が大量にある。これもその一つじゃないか?」

「当ててみようか。この観光客はウェイトレスに『自分たちは日本語を話せる』って言ったんだよ。」

この30秒ほどの動画には、「見えない者の意図」が含まれている。
自分たちを「被害者」という立場にして、視聴者に「日本の接客は不親切だ!」と思わせ、怒りや同情を誘ってシェアの拡大を狙っている可能性はある。

そもそも一生懸命に仕事をしている人を無断で撮影し、全世界に公開するやり方には「マナー違反だ」と不快に感じる外国人は多い。
SNSを見るときには、「投稿した人はどんな反応を期待しているのか?」という視点が欠かせない。

本日のまとめ

日本を旅行した外国人の反応を聞くと、行き届いた配慮に感動する人が多い。
店の外にメニューのサンプルがあり、店内に入ると写真付きのメニュー表を出され、食べたいものを指差せばいいだけになっていると、「日本人は親切だ」と感じる。

外国人観光客をメインターゲットにしていない店なら、現状では、メニュー表に英語の説明があれば十分だ。

しかし、こうした「言葉の壁」はどんどん消滅している。
その場で相手の声を翻訳してくれるアプリが登場し、しかもその性能はどんどん上がっている。観光客が外国語で感じるストレスは、そのうちかなり軽減されるか、なくなるかもしれない。

ただ、フランス人が英語に対し、フランス語で対応するのは別の原因だから、これはテクノロジーの進歩で解決する問題ではない。
しかし、これはこれで母語の大切さを表しているから、フランス人はそのままでいてほしい。

 

 

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この記事を書いた人

今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。
また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。

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