韓国社会に見え隠れする「全体主義」
先日、このブログの韓国人読者さんから、以下のコメントをもらった。
「韓国社会の全体主義的傾向を再び世界に誇示した形です」
韓国は人口の約 95%を韓国人が占めていて、世界的に見ると、同質性がとても高い国だ。
そのため、何かきっかけがあると「全体主義的傾向」が表面化することがある。
それが今回のテーマだ。
ちなみに、「国内の約 95%が同じ民族で占められている」という特徴は日本も変わらない。
だから、日本についても「全体主義的傾向」が指摘されることがある。
韓国スタバの不買運動と過剰反応
最近、スターバックス・コリアが「タンク・デー」キャンペーンをはじめたところ、1980年に起きた「民主化運動(光州事件)をバカにしている!」といった批判があがり、近年マレに見るほど大炎上した。

韓国スタバは公式に謝罪し、CEOは辞任に追い込まれ、大株主で新世界グループの会長も「心から頭を下げておわびし、皆さまの許しを請う」と国民に謝罪した。
しかし、政府がスタバの不買を“あおった”せいもあり、ボイコット運動は止まらない。
それが「韓国社会の全体主義的傾向を再び世界に誇示した」という冒頭の嘆きにつながった。
世論の過剰な反応に対し、自制を求める動きも出てきた。
朝鮮日報は社説でこう訴える。(2026/05/27)
今回の件は企業の過失はあるものの、店舗のスターバックス従業員までが罵倒されるほどの問題ではなかった。
韓国スタバをデマ同然の言い掛かりで大統領・閣僚・与党が一斉攻撃、度を越してはならない
中央日報も「政府の過剰対応と政界の政争化も自制しなければいけない」と呼びかけた。
2019年の「ノージャパン運動」
今回の出来事は、日本にとっても他人事ではない。
2019年に、日本政府が対韓輸出の管理厳格化を発表すると、当時の韓国政府は激怒した。
文在寅(ムン・ジェイン)大統領は「(日本には)二度と負けない!」と国民の反日感情を刺激し、「日本製品を買わない、売らない、日本には行かない」の「ノージャパン運動」が急速に盛り上がる。
(SNSには、いまのスタバ不買を「ノージャパンの第2弾」と呼ぶ韓国人がいた。)
当時、知人の韓国人は日本を旅行する予定だったが、そんなことをしたら「親日(売国奴)」扱いされかねない空気だったため、それをあきらめた。

「親日派狩り」の実態
このときに起きた日本製品の不買運動は、日本の感覚からすると、明らかに異常だった。
ただ自分が買わないだけでなく、「他人の消費の自由」まで監視・制限するような動きが起きたのだ。
ユニクロなどの店舗の前に「見張り役」が立ち、入店しようとする客の写真を撮ってインターネット上にさらし者にする。
そんな「親日派狩り」が横行したため、知人の韓国人は日本の服やビールの購入を「自粛」した。
貿易摩擦は政府が相手国と交渉して解決するべきもので、「店舗の客までが罵倒されるほどの問題ではない」というのが、当時の日本人の一般的な反応だった。
だから、日本メディアの報道で韓国の激しい抗議活動を知り、多くの人が驚いた。
「正義」という名のもとの不買強要
韓国では社会的に一つの「正義」が定義されると、それに反する行為は徹底的に批判される。
「ノージャパン」の全盛期には日本の料理を食べたり、日本車に乗ったりすると「正義」の名のもとに糾弾され、「親日(売国奴)」のレッテルを貼られることもあった。
実質的な「不買の強要」がおこなわれ、「選択の自由」という個人的な権利も侵害されていた。
当時、知人のアメリカ人がソウルに住んでいて、そんな「異常性」を肌で感じた。
アメリカ人の目に映った「ノージャパン」
ある朝、そのアメリカ人が勤務先へ向かう途中、ソウル市内で「日本不買」を呼びかけるのぼりを見かけた。

「NO 安倍」と書かれているが、「日本の経済報復を糾弾!」や「戦犯企業の謝罪と賠償を要求!」というアピールしていて、中身はノージャパン運動と変わらない。
国家間の貿易問題がこんな身近な生活にまで影響を与える。
日本や韓国とは中立的な立場の彼女からしたら、公共の場で「反日」ののぼりを立て、市民に訴える活動は理解を超えていて、共感することもできなかった。

公的機関も参加|日本との決定的な違い
当時、ソウル交通公社によって地下鉄の車両には、日本製品のボイコットを呼びかけるステッカーが貼られていた。
画像はAIが作成したものだが、デザインやメッセージは実際のポスターと変わらない。
もし、東京メトロが「ノーコリア」キャンペーンをしたら、「公的機関がヘイトや差別を助長している!」と大問題に発展し、何人かのクビが飛ぶかもしれない。
しかし、韓国では国民感情が「王様」のように絶対視されているから、公共空間でこんなことをしても見逃される。
むしろ、ボイコットに参加していることを明らかにしたほうがいい。
沈黙(中立)していると、売国行為とみなされて非難の対象にされる可能性がある。
日本と韓国には似ている部分も多いが、決定的な違いがある。
近年の日本で、ここまで「全体主義」的傾向があらわれたのは記憶にない。
今回の「スタバ不買」運動を見ても、韓国社会の傾向は変わっていないことがわかる。
だから、「韓国社会の全体主義的傾向を再び世界に誇示した形です」と嘆く人はきっとこれからも現れる。
やり過ぎからの「ブーメラン」
しかし、こうした「抗日運動」の激しさによってブーメラン現象も起きた。
韓国にあった日本企業が撤退したり閉鎖したりして、そこで働いていた韓国人の生活が苦しくなった(日本製品不買運動)。
友人の韓国人はアサヒビールを愛飲していたが、2019年には、周囲の目もあって国産ビールをよく飲むようになった。
その結果、日本製品の質の高さを実感し、2026年の今ではアサヒ以外のビールを飲む気になれないという。
いまのスタバ大炎上も、何らかの副作用が出る予感しかない。
だから、韓国メディアが「火消し」をしているのだろう。

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