パラオに残る日本語の面影
日本から南へ3,000キロメートルほど進んだところに、「パラオ」という島国がある。
パラオはかつて日本が国際連盟から委任統治をまかされたところで、今でも「ダイジョーブ」や「センキョ」といった日本語が使われているのだ。
ほかにも日本語が現地化して、「アジダイジョーブ(おいしい)」や「ツカレナオース(ビールを飲む)」といった新しい言葉も生まれた。
昔、現地で日本人が仕事が終わった後、「お疲れさまー!」と言ってビールを飲んでいたのだろう。

カボベルデで「サイコーダヨ」が有名な理由
アフリカ大陸の西、セネガル沖に浮かぶカボベルデでは「サイコーダヨ」という日本語が有名だ。
1975年にポルトガルから独立したカボベルデは、人口約53万人で面積は滋賀県ほどの小さな島国だ。
いま北米でおこなわれているサッカーW杯で、カボベルデはスペインと引き分け、世界ランキング1位のアルゼンチンに「2−3」で敗れはしたものの、白熱した試合をして世界中を驚かせた。
遠く離れたこの島国と日本には、意外なつながりがあるのだ
カボベルデには首都プライアに次いで、第2位の人口をもつミンデロという都市がある。
1960年代、日本のマグロ漁船がミンデロの港に立ち寄っていた。
ミンデロの人たちは日本の漁師を歓迎してくれて、ほとんどの日本人が知らない間に、日本とカボベルデの交流が進んでいたのだ。
その中で「最高」という言葉が現地で広まり、ミンデロの人たちは日本の漁師を「サイコー」と呼ぶようになった。
カボベルデ人にとって、この日本語は響きや意味が良かったためキャッチーな言葉になったらしい。
やがて、『Saiko Dayo』という現地のクレオール語の曲が作られ、カボベルデで最も有名な歌手であるセザリア・エヴォラもそれを歌って、国民の間でとても有名になった。
また、日本の漁師たちは空手を教え、ミンデロを中心に日本の武術もカボベルデに広まった。
下をクリックすると『Saiko Dayo』を聴くことができる。
モラベーザ|カボベルデのおもてなしの心
カボベルデには「モラベーザ(morabeza)」という独特のホスピタリティの精神がある。
初めてやってきた人でも笑顔で温かく迎えるから、訪問者はまるで自分の家にいるようなリラックスした気分になる。
「幸せ」という意味を含むモラベーザは英語にできないから、海外でもクレオール語の「morabeza」を使ってその精神を表している。
モラベーザの文化にはカボベルデ人の親しみやすさや、気取らずリラックスした態度が凝縮されている(Morabeza)。
モラベーザの根幹は、互いに助け合って生きるという考え方にある。
サッカーカボベルデ代表の監督はチームの強さについて、相手を思いやる「モラベーザ」の精神を中心にして、選手同士のつながりを強めたことが要因だと語った。
この島を訪れた日本人も、モラベーザのおもてなしや助け合いの精神に触れて、何度も「最高!」と言ったのだろう。
パラオの「ダイジョーブ」とカボベルデの「サイコーダヨ」は、日本人として覚えておく価値がある。
おまけ:カボベルデで人生が変わった日本人
カボベルデを旅行したら、人生が劇的に変わった日本人がいる。
映像クリエイターのカップルが新婚旅行中にカボベルデを訪れた際、コロナ禍のために空港が閉鎖され、出国できなくなってしまった。
結果、2週間の滞在予定が1年以上に延び、その間、ホテルやレストランのプロモーション動画を制作して過ごしていた。
これが話題を集め、最終的にはカボベルデ政府から観光PR動画の制作を依頼され、さらに親善大使にも就任した。
この2人も「モラベーザ」を味わったに違いない。
参照:外務省HP「カーボベルデ第二の市サンヴィンセント島ミンデロ(漁業と文化の街)」
初代大統領は「ナカヤマさん」 かつて日本領だったミクロネシア

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