今回の登場人物はハンガリー人とポーランド人だ。
2人とも20代の男性で、留学生として静岡の大学で半年ほど学んだ後、今年の春に帰国した。
以前、彼らから聞いた話を記事にした。


今回は、2人と食文化について話した内容を紹介しよう。
中央ヨーロッパで「日本」と言えば?
ーー前にドイツ人に、日本についてドイツではどんなイメージが強いか聞いたら、圧倒的に「寿司」だと言われた。
中央ヨーロッパでもそうなのか?
ハンガリー&ポーランド人:そうだな。
都市部には昔から寿司店があるし、生活の中でいちばん身近に「日本」を感じるのはそこだろうから。
ポーランド人:若い世代だとアニメやマンガの印象が強いけど、全世代的には「寿司」のイメージが圧倒的だね。
ーーといっても、日本人以外のアジア人が経営している「なんちゃって日本料理店」が主流の気がするけれど。

新幹線が寿司を運ぶという演出に、知人のインド人が歓喜した。
本場の寿司を食べた感想
ーー二人はもう日本で寿司を食べてみた?
ハ:もちろん!
ポ:はま寿司、かっぱ寿司、スシローといろんな店で食べたよ。
ーーそれは全部チェーン店だから、ジャンルは同じだけどな。
で、本場の寿司を食べてどうだった?
ポ:美味しさのレベルが違ってビックリした。
ハ:同感だ。
ハンガリーで俺が食べたのは「偽物」なんだって感じたね。
ーー日本と中央ヨーロッパの寿司って、何がそんなに違うんだ?
ポ:寿司ネタがすごく新鮮なんだ。
ハ:間違いない。
ハンガリーについていえば、内陸国というのが決定的な理由だろうな。
ーー地理的に日本とハンガリーは逆だよな。
日本は360度海に囲まれているから、漁港がいくつもあって、すぐに魚を店へ運ぶことができる。
ハ:ハンガリーでは冷凍された魚が遠くから運ばれてきて、それを解凍して寿司にして客に出すのが一般的なんだ。
日本の寿司とは新鮮さが違う。
日本ではパック寿司でも美味しい
ポ:そうなんだ。スーパーのパック寿司でも美味しい。
ーー環境の違いが、そのまま味の違いに直結しているわけだ。
(岐阜県に住んでいる知人が「寿司は全体的に名古屋のほうが美味しい」と言っていた。寿司店が多くて競争が激しいという理由もあるが、ネタの鮮度の違いも大きいらしい。)
そのスーパーのパック寿司なんだけど、さらに美味しく食べられる豆知識があるんだけど、聞きたい?
ハ:拒否しにくい状況にして選択を迫る聞き方はどうかと思うけど、一応聞いておこうか。
ーーネタとシャリを分けて、ネタを冷たい水で洗って、シャリを電子レンジで500W・20秒ほど温めると美味しくなるんだってさ。
ポ:それは細かすぎる…。
ハ:いや、そこまでの情熱が寿司を美味しくさせているんだろうね。
ーーだけど、日本の冷凍されているネタを使っている寿司店は多い。
ただ、日本の急速冷凍や解凍する技術は海外よりも先進的だと思う。
※寿司の美味しさは「新鮮さ」が大きく左右する。
以前、「寿司がおいしい都道府県ランキング」で、富山県が石川県を上回って1位になった。
富山も石川も隣り合っていて、日本海に面しているのに何が違うのか?
富山の場合、富山湾で魚介類を獲ってすぐに港へ運べるから、新鮮さにおいて石川よりも有利らしい。

ポーランド・ハンガリーのラーメン事情
ーー中央ヨーロッパに寿司店は昔からあったと。
ラーメンはどうなんだ?
ポ:最近はポーランド人にも人気で、ラーメン店はどんどん増えている。
でも、日本に来て驚いたね、信じられないくらい種類が多い。
日本人の創造性には脱帽するよ。
ハ:その事情も感想もまったく同じだ。
ブダペストでラーメン店がオープンしたときには、「アニメで見て憧れたあの食べ物をついに食べられるのか!」って興奮したよ。
でも、ハンガリーで食べられるラーメンの種類はまだまだ限られている。
ーーまあ、醤油、味噌、塩、豚骨といった定番から、忍者系やトマト系みたいな変わったラーメンまであって、日本国内にあるラーメンの種類なんて日本人にもわからないからな。

コストコで売っていたピエロギ
ピエロギはスラブ諸国(ウクライナ、ロシア、ポーランド、スロバキア)、バルト諸国(ラトビア、リトアニア)で人気の食べ物。
ポーランドでは国民食とされている。
ーーポーランドやハンガリーの食文化でも麺料理はあるだろ?
ポ:「ピエロギ」を知ってるかい?
ラーメンと同じように小麦から作るもので、ポーランドでは国民的な料理になっている。
そういう食べ物ならあるけど、ラーメンみたいに細長い麺の料理は少ないな。
ハ:ハンガリーでもパスタならよくあるけど、麺料理は全体的に少ない。
それにしても日本人はラーメンが好きすぎる。
浜松だけでも、一体どれだけのラーメン屋があるのか想像できないね!
ーー競争が激しいから、どんどん新しいラーメンを開発しないといけないんだ。
ポ:俺は日本に来てから、『油そば』のファンになったんだ。
あのスタイルと味はまったく想像していなかったよ。
ハ:それと、日本には各地に『ご当地ラーメン』がある。
日本人と旅行をしたとき、彼が事前に調べてご当地ラーメンの店へ行ったんだ。
ラーメン一つにそこまで情熱を注ぐなんて、日本人はどこまでラーメンを愛しているんだろうねえ。

ジュレック(Żurek):ライ麦を使って作る、白くて酸味の効いたスープ。
日本食で例えるなら、味噌汁のような身近な飲み物らしい。
上の画像はAIによるイメージで、このようにパンを器にすることもある。
ポーランドの「ご当地ラーメン」とは?
ーー外国人の話を聞くと、日本では「ご当地グルメ」が発達しているらしいな。
江戸時代に争いがなくなって、各藩がその土地や気候に合った産物を育てたことが、今の「ご当地グルメ」の土台になっていると思う。
ポ:ポーランドにもそんな一品がある。
伝統的なスープの「ジュレック」と組み合わせたもので、「ジュラーメン(żuramen)っていうんだ。
これがポーランドの「ご当地ラーメン」だね。
ーータイにさ、世界三大スープの一つの「トムヤムクン」があって、それを使った「トムヤムラーメン」が意外と美味しかった。
※あとはブイヤベース(フランス)とフカヒレスープ(中国)。
ジュラーメンや世界のご当地ラーメンも食べてみたい。
ポ:汎用性が高いことも、ラーメンの人気の一つなんだろうな。

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