「ポーランドは東ヨーロッパの国」なんて言うと、ポーランドの人たちはきっとムカっとするから、「中央ヨーロッパの国」と言ったほうがいい。
ポーランドは親日的な国で、首都ワルシャワではことし4月、国内最大規模のポップカルチャーイベントが開催され、日本のアニメキャラクターグッズや和食器、着物などが販売された。アニメ関連の商品はは6000円から1万円程度とわりと強気の値段設定だったが、出展者は大忙しだったらしい。
詳細は、ジェトロ(日本貿易振興機構)のHPに載っている「ポーランド最大規模のポップカルチャーイベント、ワルシャワで開催」を見てほしい。
先ほどポーランドを「親日的な国」と書いた理由は、日本のメディアが何度もこんな報じているからだ。
毎日新聞のコラム(2017/4/14)
日本人といえばショパン好き? 親日国家ポーランドの人から見た「意外な日本のイメージ」
FNNプライムオンライン(2023年11月14日)
なぜポーランドは親日国? 100年前の“埋もれた歴史”を継承へ 安倍昭恵夫人「主人の代わりに友好に尽力」
でも、日本で知り合ったポーランド人2人に聞いてみたところ、1人は確かに「そうです。ポーランド人は日本が好きですね」と言っていたけれど、もう1人は「そうなんですか? 私は個人的に好きでしたけど、一般的にはあまり関心がないと思いますよ」とそっけないコトを言った。だから、期待値はあまり高く設定しないほうがいい。
「ポーランド人は日本が好きです」と言った人の話によると、彼がワルシャワの大学に通っていた間に、近くにラーメンやおにぎりなどの店ができた。寿司屋は以前からあったが、最近では「B級グルメ」の店が増えて、日本文化への関心が高まっていると感じるという。

「奇跡」という名前の寿司・和食レストラン
ポーランドが親日的な国になった背景には、1926年の五月革命で政権を握ったユゼフ・ピウスツキがいる。彼は「建国の父」と呼ばれ、ポーランド共和国の初代国家元首となった英雄だ。
ポーランドは当時、ロシアの支配下にあり、ピウスツキは独立を求めて活動していた。そんな中、1904年に日露戦争が始まったことを知ったピウスツキは、東京に飛び、山縣有朋などと会い、日本政府にポーランド蜂起への支援を求めた。しかし、彼が期待したほどの支援は得られなかったものの、日本の支援でロシアと戦うための武器や弾薬を手に入れることができた。
he received Japan’s help in purchasing weapons and ammunition for the PPS and their combat organisation
日本はピウスツキらに資金援助を行い、ポーランド側はその代わりにロシアの軍事情報を提供して、日露戦争で日本を支援した。このように日本とポーランドの独立運動家は協力関係を築いていたのだ。
ピウスツキは日本に対して良い印象を持ち続け、ポーランド独立後の1928年には、日露戦争で活躍した日本軍の将校51名に勲章を授与した。
ポーランドの英雄が日本に好印象を持ったことや、日本がポーランドの長年の敵であるロシアを撃破したことが、現在のポーランドの親日的な姿勢につながっている。
参考:外務省HP「日本とポーランド―国交樹立一〇〇周年」

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