「背水の陣」の覚悟
何かを得るためには、別の何かをあきらめないといけない。
古代中国の将軍・韓信は勝利をつかむために、川を背にして陣形を整えた。あえて退路を断ち、全力で戦って勝利することに賭けたのだ。
これを「背水の陣」という。
同じような覚悟を示す言葉として、西洋では「ルビコン川を渡る」がある。この川を渡れば、もう引き返すことはできない。前進あるのみだ。
いさぎよく一方を切り捨て、もう一方に「全振り」する姿勢はエンタメ的には注目を集めやすい。
日本人と韓国人が「独島は韓国の領土」と言った場合、得るものと失うものではどちらが大きいかは、立場によって異なる。
「独島は韓国の領土」と叫ぶ日本人女性
最近、ある日韓カップルがSNSに投稿した動画が、日韓で波紋を呼んだ。
韓国人の夫が日本人の妻に独島(竹島)がどこの領土か質問すると、妻は迷わず「韓国の領土!」と叫ぶ。
その動画は「“독도는 누구 땅?” 일본인 아내의 진짜 대답」で検索すれば出てくる。
これは「『独島は誰のもの?』日本人妻のリアルな回答」という意味らしい。
当然、韓国では絶賛の嵐だ。
・おめでとうございます。韓国人になりましたね。
・とてもはっきり言ってくださったのでスカッとしました。
・こういう日本人は本当に愛してます。
・心から親指を立てます。すごくいいですね、こういう人は。
・韓国の領土とおっしゃった時、とても素敵でした。フフフ
・この方はしっかりと歴史を学ばれましたね
・おめでとうございます。あなたはテストに合格しました!!!
・間違えたら奈落の底でしたね。ガクガク
・すぐにチャンネル登録しました
一方、日本からはブーイングの嵐だ。
・もう日本に戻ってこなくていいですよ。
・日本人の誇りは失いたくない
・この人の祖父母、ご先祖はあの世で泣いてるだろうな
実際には、ここには書けないようなヒドイ言葉が並んでいた。
でも、この逆パターン、日本で韓国人妻が「竹島は日本の領土!」と笑顔で言う動画を投稿したら、間違いなく韓国人の反応はこの数倍激しいものになる。
このカップルはユーチューバーらしい。
韓国で「反日コンテンツ」は支持や利益を得やすいから、これで稼ぐ人はいくらでもいる。
日韓では認識がひっくり返るから、竹島が韓国では「独島」と呼ばれているように、「反日コンテンツ」もあちらでは「愛国コンテンツ」や「真実コンテンツ」になるのだろう。
内容には1ミリも共感できないが、「二兎を追う者は一兎をも得ず」で、日本を捨てて韓国に「全振り」するのは勇気が必要だったと思うし、その覚悟は素直に称賛できる。
「カルマ」に苦しむK-POPアイドル
韓国のエンタメ業界にとって、巨大な日本市場は大きな魅力だ。
だから、多くのK-POPグループが日本デビューを目標にしている。
しかし、あるグループが過去の不用意な発言が原因で、その前途に黄色信号が点滅していると、スポーツソウルが報じた(2026年08月03日)。
「日本ファンはATMなのか」K-POPグループが日本デビューへ、しかし“独島問題”が再燃…巨大市場ニッポンの難しさ
韓国のガールズグループ『NMIXX(エンミックス)』が今年の12月に、日本でデビューアルバムをリリースすると発表し、それを前に8月には東京で単独コンサートを行うことになった。
しかしNMIXXは今、自分の行いは自分に返ってくるという「カルマの法則」に苦しんでいるらしい。
2024年に彼女たちがYouTubeのバラエティ番組に出演したとき、愛国歌である「独島はわが領土」の一部を歌った。
「誰が何と言おうとも、独島は我らのものだ」という内容のこの歌は、韓国では支持されるが日本人は冷めてしまう。
そんなことを言われたら、「日本ファンはATMなのか」という声が上がっても仕方ない。
しかしそうなると、韓国のネットユーザーが「日本の右翼勢力は黙れ」「日本人は正しい歴史教育を受けろ」と反発するから、この時はネットでバトルがぼっ発した。
有名人が日韓の「歴史戦」に巻き込まれることは本当によくある。
NMIXXにとっては、この発言がブーメランとなって日本進出が難しくなっているという。
これは韓国のエンタメ業界全体の課題だと、スポーツソウルは指摘している。
日本は巨大市場だが、そこでは音楽そのものだけでなく、過去のコンテンツがどう受け止められるかまで問われるわけだ。
このグループが日本進出を考えていなかったとしたら、未来を予測する能力に欠けていた。
もし日本でのデビューを想定していながら、「独島は韓国のもの」と言ったとしたら、「日本のファンをATMとして見ている」という非難は甘受しなければならない。
どちらにしても自己責任だ。
日本のアイドルグループが「竹島は日本の領土」と公言した場合、韓国へ進出することはもっとハードルが上がる。というか不可能になる。
YouTuberカップルの未来は?
冒頭の日韓カップルは、「つかみ」には成功したから、あとは韓国の視聴者を満足させるコンテンツを量産できるかがカギになる。
2人は「ルビコン川」を渡って退路を断ってしまったから、もう前進するしかない。
…とエールを送りたいところなんだが、想像以上の騒ぎになって、今ごろ震えているかもしれない。
でも、もうルビコン川を渡って「背水の陣」を敷いてしまったのだから、覚悟を決めて韓国に「全振り」して頑張ってほしい。

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