今日6月9日は「ロックの日」。
ここでのロックはrockじゃなくて、 lock(カギ)のこと。
「我が家のカギを見直そう」ということで、6月9日が‘ロックの日’になったらしい。カギを通して国民の防犯意識を高める目的もあるとか。
ということで、今回はカギについて書いていきたい。
これまでの人生で、もっともお買い得だった中国製品はカギ(南京錠)だったという話。
20年以上前、ボクが初めての海外旅行に選らんだのが中国。
その時は、イギリス領だった香港から入国している。
数年前、「え?香港ってイギリスの領土だったんですか?」と驚く日本人旅行者に驚いたことがある。
今からふり返ると、中国はたしかに考えられないぐらい変わっている。
むかしむかし、中国を旅行する外国人は人民元ではなくて「兌換元」と呼ばれるお金を使っていた。
兌換元(だかんげん)は中華人民共和国政府が外貨を管理するために1979年に導入され、1980年4月1日から流通し、1995年1月1日に廃止された紙幣(外貨兌換券)。外国為替専門銀行であった中国銀行が発行し、外国人が観光や商用で外貨を両替すると渡された。
(ウィキペディア)
料金もちがう。
人民用と外国人用の二重の料金体系があった。
列車のチケットにも人民用と外国人用がある。
当然、外国人料金の方が高い。
その制度を悪用されて、旅行中にだまされた。
外国人用の料金を払ったら、人民用のチケットを渡されたことがある。
中国人はこういうトリックをしていた。
というか、今でもしている。
外国人の旅行者をだましてぼったくるところは今も同じ。
一番変わってほしいところがまったく変わらない。
それが中国という国。
初めての海外旅行だ!
ということで、当時のボクの胸中には不安しかなかった。
なかでも一番注意していたのが盗難。
中国を旅行したらトラブルにあうかもしれないけど、「殺されることなんて、めったにないだろう」と思っていた。
でも盗難はちがう。
中国で物を盗まれることは日常的。
少しも珍しくない。
そんな中国で、ある日本人の旅行者と出会う。
そしてその日本人からこんな話を聞いた。
「たしかに中国って盗難がよく起こるから、気をつけないとダメだね。でもその分、中国の南京錠はしっかりしているんだよ」
誰だって物を盗まれたくない。
でも中国では、365日年中無休で盗難が多発している。
そんな需要と必要性から生まれた中国の南京錠は、とても質が良いらしい。
しかも安い。
当時の日本では、まだ100円ショップなんてものはなかった。
その時の日本の南京錠と比べたら、中国の南京錠はとんでもなく安かったと思う。
しかもその品質は日本製と変わらないという。
他の旅行者も似たようなことを言っていた。
「中国製品は信用できないけど、南京錠だけは別。あれはたしかに良い。日本でも使えるからお土産に買ってもいい」
海外旅行の土産で、南京錠をすすめられたのはこの時だけ。
でもせっかくなんて、中国で南京錠を買ってみた。
たしかにその南京錠は良い。
その後7、8年はこの南京錠を使っていたと思う。
ボクが今まで買った中国製品の中で、この南京錠ほどお買い得だったものはない。
でも考えてみたら、高品質の南京錠が必要な社会というのはあまり幸せではない。
安くて質の高い南京錠がある国より、南京錠をあまり必要としない国の方がいいに決まっている。
では、今の中国はどうか?
今の中国社会も変わっていない。
あいわらず盗難多発社会で、質の高い南京錠はまだまだ必要。
でもひょっとしたら、前より悪くなっているかもしれない。
中国を旅行中、宿の中国人スタッフからこんな話を聞いた。
最近の中国では、南京錠がついたまま物を盗まれることがあるらしい。
盗んだ後で南京錠を壊して、中の物を盗る。
そんな乱暴な盗難がよく起きているという。
さすが中国。
南京錠の必要性がなくなるどころか、南京錠をしていても意味がない社会になるとは。
中国での日本製品のイメージは「高品質」。
だからこうやって日本語を書いて、中国製品を日本製品に見せかけることが多い。
ちなみに南京錠の「南京」は、「外国の」という意味。
中国の南京市のことではない。
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