中国人のアメリカ体験|食とエンタメで感じた文化の違い

静岡に住んでいる中国人(20代・男性)が出張でアメリカへ行って、ロサンゼルスなどに滞在していた。

ここでは彼の名前を、「王大人(ワンターレン)」にちなんで「ワン」にする。

帰国後、ワンと会って中国とアメリカの社会の違いを聞いたので、前回の記事でそれについて書いた。

在日中国人がアメリカ社会で感じたこと 入国の厳しさ・貧困・情報公開

今回は「中国人のアメリカ体験」の第二弾として、ワンが感じた文化の違いについて書いていこう。

目次

多民族の中国/多国籍のアメリカ

ーーワンが10日ほどアメリカにいて、「ムム、これは中国と違うぞ」って感じたことはある?

王:「アメリカには色々な人がいるんだな」ってことを実感しましたね。

ーーそれは中国も同じでは?
中国内にはチワン族や満州族、ウイグル族など、56の民族がいるじゃん。

王:そうなんですけど、「内訳」が違います。
56の民族はすべてアジア人で、数百年、千年以上前から中国にいて文化を共有しています。

ーーなるほど納得。
アメリカ合衆国は18世紀に誕生した後、世界中の人がやってきて成立した国だから、世界四大文明の一国とは背景が違う。

王:アメリカは「世界の縮図」ですね。
街中には白人やアジア系、黒人、ヒスパニック系の人たちが行き交っていて、企業ではそうした人たちと英語で話をしました。
中国や日本では、あんな「無国籍感」を感じたことがなかったので新鮮でした。

ーー中国が多民族なら、アメリカは多国籍か。
ジョージア州の郊外に住んでいるアメリカ人は「ご近所はほぼ白人社会」と言っていたけど、ロサンゼルスはとくに人種の「ごちゃ混ぜ感」が強そうだ。

王:そうですね。
多民族国家といっても、中国では人口の90%以上を漢族が占めていて、55の民族を合わせても10%未満しかいません。
アメリカみたいに、肌、目、髪の色が違う人たちが集まっている国とは根本的に違います。

ーーたしかに。
中国を旅行していたとき、都市部で見た人のほぼ100%が漢族だった。

 

メキシコを代表する食べ物のタコス
アメリカでは国民的なファストフードになっている。

中国とアメリカの食文化の違い

ーーで、ワンはアメリカでは何を食べたの?

王:いろいろ食べました。

ーー雑な答えだな。

王:本当にそうなんです。
アメリカに行く前は、本場のフライドチキンやハンバーガーなんかを味わいたいと思っていました。でも、東アジアや西アジア、中南米、ヨーロッパなどからやってきた人たちが母国の料理を提供しているので、いろんな国の食べ物を楽しむことができたんです。

ーー「世界の縮図」だからね。
寿司屋のオーナーが白人で、ベトナム系や韓国系の人が寿司を握っている光景は、日本や中国では見ることができない。

王:中国は経済的には発展しましたけど、国際化はまだまだです。
本格的な外国料理を味わえるのは都市部の一部だけで、まったく一般的ではありません。

ーー中国って歴史や伝統が長いから、食文化はめちゃくちゃ発達しているよね。
日本では四川料理、広東料理、上海料理、北京料理の4つが有名だけど、中国ではさらに細かく8つに分類される(中華料理)。

王:その点がアメリカとは対照的です。
アメリカには世界中の料理があるのに、「アメリカ料理」は意外と少ない。

ーー「移民大国あるある」だよ。
日本に住んでいたオーストラリア人が日本人に「オーストラリア料理って何があるの?」と聞かれると困ると言ってた。
アメリカ料理の「2大発明」がビッグマックと食パンだったというのは、日本や中国の食文化ではありえない。

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王:アメリカの社会を見て、「国は世界でもっとも豊かだけど、国民は意外と貧しい」と感じました。
文化もそんな感じです。
アメリカには世界中の文化が集まっているけれど、「アメリカの文化」は少ないのかなと思いました。

 

アメリカにある某有名焼肉チェーン店

世界最高の「エンタメ力」を持つアメリカと、中国のリアルな現状

ーーここまでのワンの話をまとめると、だいたいこんな感じか。
アメリカには世界中の人が集まっているから、各国の本格的な料理を楽しめる。それがアメリカ文化の大きな特徴だけど、独自性に欠ける。

王:10日間の短い体験ではそう感じました。
でも、「エンタメ力」はすごかったです!
私はバスケットボール観戦が好きで、中国でもよく観戦に行っていました。
アメリカではバスケットボール発祥の地なので、NBAの試合を絶対に見たいと思っていたんです。

ーーそしたら、選手のプレーが異次元だった?

王:試合だけではなくて、会場の雰囲気やハーフタイムショーもすっごく楽しかったです!
さまざまな人が色んなアイデアを出し合うから、外国人でも最高に楽しめるエンタメをつくる能力が高いんでしょうね。

ーーいろんな価値観や才能が集まって面白いエンタメができる → それによってたくさんの客(金)が集まる → それを土台にさらに面白い作品をつくる。
そんな無限ループでアメリカのエンタメ業界は異常に発達したと思う。
ウォルト・ディズニーに匹敵する企業は世界にないんじゃないかな。

王:私にとって、アメリカのいちばんの魅力はそこでした。
「人を楽しませる力」は世界最高ですよ!

ーー上海と香港にディズニーランドがあるけど、中国のテーマパークがアメリカに進出する未来は見えない。

王:中国は規制が多いので、エンタメはあんまり発達しないかもしれませんね。
でも、ほかでは真似できないものもあります。

ーーたとえば?

王:上海ディズニーランドに行った外国人のレビューで、「割り込みをめぐって、中国人どうしが大声を出してケンカをはじめた。あれは楽しいショーだった」というものがあったんです。
「中国式エンタメ」ですね、悲しいことですが。

ーーそういう「負の文化」が早くなくなることを願ってる。

王:ええ、まったくです。

 

列に並ぶこと(文明化)を呼びかける中国地下鉄のポスター

 

 

中国 「目次」 ①

外国人から見た不思議の国・日本 「目次」

【文化盗用】正月をめぐる中国人と韓国人の言い争い

【ルール厳守&正直さ】中国人が日本人を信頼する2つのポイント

日本語を学ぶ外国人が考える、漢字の4つのメリット

日本と韓国の違いは”脱・中国” かなと和歌で日本文化が始まる

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この記事を書いた人

今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。
また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。

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