ドイツと韓国のオリンピックで起きた最悪と最低の事件とは?

 

2018年の2月に韓国で平昌オリンピックが開かれる。

ホントもうすぐですね。

オリンピック開催を半年後にひかえて、韓国はあせっている。
韓国が「マジかよっ!」と不安になってしまうことがあいついで起きているから。

最大の不安要素は、「ヨーロッパの国々がこのオリンピックに参加しないかも?」ということだろう。

日本もそうだけど、今の韓国は北朝鮮からミサイル攻撃を受ける可能性が高まっている。

「そんな国に選手団を派遣して、万が一、北朝鮮から攻撃を受けて選手たちに死傷者が出てしまったら?」

だれもその責任をとることができない。

ということでここ最近、ヨーロッパで「選手の安全が保障されないなら、韓国に行くのはムリ」と言い出した国がある。
フランス・オーストリア・ドイツがそんなことを言っている。

ヨーロッパのこんな動きに韓国は冷や汗をかいている。
朝鮮日報は社説(2017/09/26)でこう訴えた。

北朝鮮の核・ミサイル問題は世界の平和と国際社会全体にとって大きな脅威だ。もし安全上の懸念を理由に各国が平昌オリンピックに参加しないとなれば、これは北朝鮮の脅迫に屈することになり、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長が最も望む結果となる。現在、北朝鮮の核問題が最悪の状況に向かっているのは事実だが、そのような時ほど国際社会は結束して北朝鮮に断固たる態度を示してほしい。

【社説】北の脅しに屈し平昌五輪不参加、金正恩の思うつぼ

簡単に言えば、「みんな絶対、平昌オリンピックに来てねっ!」ということ。

 

ヨーロッパの各国が韓国へ行くのをためらっている原因には、「ミュンヘンオリンピック事件」があるのかもしれない。

これは「オリンピック史上最大の悲劇」と言われるできごと。
今から45年前、ドイツでミュンヘンオリンピックが開かれているときにこれが起きた。

オリンピック開催中に、「ブラックセプテンバー(黒い九月)」という8人のパレスチナ武装組織がオリンピック村に侵入する。

自動小銃や手榴弾などで武装したメンバーは、選手村にいたイスラエルの選手やコーチ9人を人質にとった。
この襲撃のときに、選手とコーチの2人が殺さている。

武装組織の目的は、イスラエルの刑務所にいる234人のパレスチナ人を釈放すること。
このなかには、日本赤軍の岡本公三がふくまれていた。
だから、日本もこの事件とまったく無関係というわけではない。

 

この事件の結末は最悪。

イスラエルのアスリート11人が殺害された。

最終的に、ゲリラの1人が手投げ弾で自爆し、人質が乗ったヘリコプターが爆発、炎上した。人質たちは、両手を後ろ手に縛られ、目隠しのまま、数珠つなぎにされていたため逃げることができなかった

ミュンヘンオリンピック事件

 

何人ものオリンピック選手が目を隠され、両手両足を縛られたまま焼き殺されてしまった。
オリンピックの歴史上、これ以上の悲劇は他にない。

この事件が起きた原因は、テロリストを選手村に侵入させてしまったこと。
それでこの事件以降、選手村の警備が強化され、関係者以外の立ち入りはできなくなった。

 

今ヨーロッパの各国が平昌オリンピックへの参加をためらっているのは、このテロ事件の記憶があるためだと思う。

 

事件現場となったイスラエル選手宿舎(ウィキペディアから)

 

この事件はこれで終わらない。
イスラエルが終わらせなかった。

事件を起こしたブラックセプテンバーのメンバーを世界の各地で暗殺する。

ローマ・パリ・キプロスなどで、メンバーがイスラエルの特殊部隊によって射殺や爆殺された。

イスラエルではこの報復を「神の怒り作戦」と呼んでいた。

 

 

1988年のソウルオリンピックでも「事件」は起きた。

でもこれはミュンヘンオリンピック事件とは全然ちがう。
「しょうもない」事件。

開会式の聖火点灯で、平和を象徴する鳩を焼いてしまったのだ。

それでウィキペディアには「聖火鳩焼き問題」という不名誉な項目がつくられている。

そのとき聖火台に止まっていた数羽の鳩を聖火で焼いたことから問題になった。本来なら点火式の後に放つはずだった鳩を先に放ってしまい、何羽かの鳩が聖火台に止まり、ランナーがそのまま聖火を点灯して焼いてしまった。

「ウィキペディア」

 

このできごとに死傷者はいない。
でも、世界で何億という人たちが見ている開会式で平和の鳩を燃やしてしまった。
これは前代未聞。
最悪の事件ではないけど、韓国人にとっては「最低の事件」だと思う。

 

でも、なんだかんだ言って、ヨーロッパの国は平昌オリンピックに参加して、オリンピックも無事に終わると思う。
鳩を焼くのと同じぐらいのミスは起こるかもしれないけど。

 

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。