【歴史のIF】日独の共通点「今度はイタリア抜きで」が世界で通じる理由

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トランプ氏の挑発と歴史の「もしも」

トランプ米大統領がまたまた問題発をした。
トランプ氏はグリーンランドを手に入れたいと望んでいるが、欧州諸国は大反対している。これに怒って、トランプ氏はスイスのダボス会議で、第二次世界大戦ではアメリカの参戦がヨーロッパを救ったと強調し、こう言い放った。

「我々がいなければ、君たちは今ごろ全員ドイツ語か、少しの日本語を話していただろう」

「さすがオヤビン! おれたちにできない事を平然とやってのけるッ」とシビれた人もいるかも知れないが、日本のネット民の反応は冷めていた。

・ロシア語じやねーのw
・アメリカがなかったら日本もディスカバリーされずに鎖国していたはずだ
・白人は世界中で暴れまわってフィリピンに英語押し付けたり南米にスペイン語やポルトガル語押し付けたけどな。

第二次世界大戦では、日本・ドイツ・イタリアが枢軸国の中心だったのに、なんでトランプさんはイタリア語を無視したのか?
イタリアは1943年9月に降伏した後、連合国側に回ってドイツや日本に宣戦布告したため、「別枠」扱いされたのかもしれない(イタリアの降伏)。

枢軸国が勝利した世界線という禁断のテーマ

歴史の「If」を考えることは世界中で人気がある。

もし第二次世界大戦で、日本やドイツが勝利していたら、世界はどうなっていたのか?

多くの人が興味を持つテーマだが、それはナチスによるホロコースト(ユダヤ人大虐殺)が継続されていたことを意味するため、公に語るにはリスクをともなう。
それを堂々と言ってのけるのはトランプ大統領ぐらいでは?

ドイツ人が語る「笑えないジョーク」の背景

このニュースで、ある有名なブラックジョークを思い出した。
20年ほど前、ベトナムを旅行中、ツアーで一緒になったドイツ人が、「次はイタリア抜きでやろうぜ」とニヤリと笑いながら言ったのだ。

第二次世界大戦ではイタリアが足を引っ張ったから、次はドイツと日本で第三次世界大戦を始めよう、といった意味だから、一瞬、固まってしまった。

このブラックジョークは昔からあり、作家の椎名誠氏がドイツの「オクトーバーフェスト」でそんな体験をした。
日本に好意的なドイツ人とビールを飲んでいると、

「あのときはイタリア野郎が加わってきたので負けてしまったけれど、今度戦争をやるときは日本とドイツだけ組んでやろう」

と言われたという。
椎名氏がそんなエピソードを披露したことなどで、日本でもこのジョークが有名になった。今でもネットでたまに見かける。
ちなみに、知人のドイツ人はそんなジョークを聞いたことがなく、まったく笑えないと引いていた。

海外掲示板Redditでも有名な「歴史ミーム」

AIに英語でたずねると、これは「よく知られた歴史ミーム(It is a well-known “history meme”)」だという。
海外掲示板の Redditで「next time without italy」と検索すると、以下のようなコメントが見つかった(原文は英語)。

・第二次世界大戦で日本は2回の核攻撃を受け、ドイツは2つに分割された。第三次世界大戦では日本が3回の核攻撃を受け、ドイツは3つに分割されるのか?
・日本はアメリカを戦争に引きずり込んだ。次は我々(ドイツ)が単独で戦う。同盟国がいない方がましだ。
・世界大戦でイタリアの戦績は1勝1敗。一方、ドイツは0勝2敗だ。
・ブルガリアは両方の世界大戦でドイツ側に立った唯一の国です。
・私はイタリア出身ですが、そのほうが確実です。

なぜこのジョークは消えないのか?

この危険なジョークが支持される背景には、各国のステレオタイプ(固定観念)があるだろう。

ドイツと日本:「規律に厳しい」「とても真面目」「技術を重視する」といった、いわば「お固い優等生」のようなイメージがある。
イタリア:「陽気」「自由奔放」「愛と美食を優先する」といった「人生を楽しむ自由人」というイメージがある。

イタリアの自由奔放なキャラが生む「歩く不幸フラグ」のような面白さが、重苦しい歴史の中でも共感を集め、国境を超えて語り継がれているのだろう。

この3カ国が同盟を結んだ結果、真っ先にイタリアが降伏して「裏切り」、日本とドイツに攻撃を仕掛け、最終的には全員そろって敗戦国となった。
自由奔放なイタリアが「歩く不幸フラグ」となっているのはとても“らしい”し、「オチ」としての完成度も高い。

そんなことから、「今度はイタリア抜きで」というジョークは、実際には重苦しい歴史であるにもかかわらず、時代と国境を超えて共感できる部分があるから、今でも世界中で使われているのだろう。

 

 

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この記事を書いた人

今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。
また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。

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