お寺でよく見かける「卍(まんじ)」のマーク。
日本人にはマンガの影響もあって身近な存在なんだが、外国人には意味不明だったり、「タブー」だったりする。
これから、日本に住んでいるスリランカ人の視点を通して、ナチスのシンボルとの違いや「神様の胸毛」という意外な由来なんかを紹介しよう。


ナチスのシンボルマークであるハーケンクロイツ(カギ十字)
卍とは向きが反対で、傾いていると言う違いがある。
静岡の大学に通うスリランカ人留学生(20代・♂)をお寺に案内したあと、カフェで話をした。ここでは彼の名前を「アシャン」とする。
スリランカ人が「卍」を見て驚いた理由
ーーさっき、アシャンがお寺で「卍」のマークを見て、「意味がわかりません」と言ったのは驚いた。それはボクのセリフだけど、あれは本当なの?
アシャン:はい。あれを見て、「なんで仏教寺院にナチスのマークが!」ってビックリしました。
ーーそれって、日本に来たばかりの欧米人の反応じゃん。
卍の正体は「神様の胸毛」?
ーー「卍」は日本や中国では吉兆(めでたいサイン)で、とても縁起が良いものなんだ。もともとはヒンドゥー教のヴィシュヌ神の「胸毛」を表したらしい。だから、日本の仏像の胸にもたまにあのマークがある。
アシャン:へ〜! 物知りですね。
ーースリランカ人として、その反応はどうかと思うけどね。インドで知らない人はいないくらい神聖なサインだけど、スリランカにはヒンドゥー教徒も多いのに、アシャンは見たことなかった?
アシャン:ないですね〜。ヒンドゥー寺院には行きませんし。
ーースリランカでは、仏教のお寺にも「卍」があった気がするけど。

京都のお寺にあった、シャカの教えを意味する五色幕(ごしきまく)。
青はシャカの毛髪、黄は身体、赤は血、白は歯、紫(黒)は袈裟を象徴している。
スリランカの仏教と「5色の旗」
ーースリランカで仏教のマークってなに? 『せんとくん」みたいなやつ?
アシャン:スリランカは仏教に厳しいので、ああいう「ゆるキャラ」みたいなのはダメです。シンボルなら「5色の旗」がよくあります。それなら問題ないですけど、ドイツ人が「卍」を見たら二度見しますね。
ーーソーセージを口から落として凝視するレベル。ドイツでは、街なかでハーケンクロイツを見せるのは違法だからね。
ドイツでおこなわれたアニメ関連のイベントで、『東リベ』のコスプレをする人は「卍」を隠せって、注意が出たこともある。
『東リベ』で卍を知るスリランカ人
アシャン:あっ! あのマークって『東京リベンジャーズ』に出てきたヤツですよね?
ーースリランカ人が『東リベ』で 卍を知る時代がくるとはね。あれって、漫画は『東京 卍リベンジャーズ』だけど、卍がヤバいってことでアニメのタイトルではそれが消えたって説がある。
アシャン:あれも幸運のシンボルなんですか?
ーー違うでしょ。日本の暴走族界隈では、「強さ」や「気合」を表すために「卍」を使うらしいから、あれはきっとそういう意味。暴力の気配がして、仏教とは完全に離れている。
「卍固め」とか「マジ卍」とか、日本人は海外由来のものを勝手に変えるのが得意なんだ。
※後日、AIに英語で聞いたら、スリランカで「卍」は幸福と守護の普遍的な象徴としてとても有名らしい。彼は例外だったようだ。

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