「韓国の敵は韓国人」
こんな言葉を韓国人の友だちから聞いたことがあるし、韓国の新聞でもときどきそんな記事を見る。
「韓国がピンチをむかえていて、国民が一致団結しないといけない時なのに、国民は自分の言いたいことを叫んで争っている」
国民が「賛成派・反対派」に分かれてまとまらないから、結果的に、韓国にダメージを与えてしまう。
こんなことが韓国では昔からある。
外から国難が近づいているにもかかわらず、韓国人は言い争いばかりしている。
最近も中央日報がそんなことをなげいていた。
にもかかわらず文在寅(ムン・ジェイン)政権と野党は積弊清算をめぐって激しく対決している。あたかも数十万の倭軍が海を渡ってくる中で東西朋党に分かれた400年余り前を見るようだ。
これは豊臣秀吉の朝鮮出兵のことを言っている。
日本軍が攻めてくる直前、朝鮮は東人と西人の2つのグループに分かれて対立していた。
その次の年に、日本軍が朝鮮に攻めんこんで来る。
二十万の大軍を侵入を受けた朝鮮は二十日後の五月二日、首都漢城を明け渡してしまった。(中略)間もなく、朝鮮は全羅道地域と平安道の一部を除いた全地域を日本軍に取られてしまった
「朝鮮王朝実録 朴永圭(新潮社)」
このとき朝鮮は、国王が首都から逃げ出してしまうほどの大打撃を受けた。
この大きな原因に、朝鮮人同士の対立がある。
国難を前にしても国民がまとまらないのは今の韓国も同じ。
それで韓国の政府もマスコミも困っている。
現在、韓国はどんな状態にあるか?
中央日報の記事(2017年11月07日)によると、1950年の朝鮮戦争から今までで、もっとも危険な状態だ。
韓国戦争(朝鮮戦争)以降で戦争の可能性が最も高まっている現在、トランプ大統領の訪韓は強固な韓米同盟を再確認して北核危機の平和的解決を推進する契機として意味が大きい。
韓国が対北朝鮮を考えた場合、もっとも大事なことはアメリカとの関係を深めること。
この国難に、韓国一国だけでは対応できない。
アメリカとの協力が絶対に必要になる。
でも、たまには日本のことも思い出してください。
その意味で今回トランプ訪問は、韓国にとって特別重要な意味がある。
だから、韓国は25年ぶりに国賓(こくひん)としてトランプ大統領をむかえることを決めた。
ちなみに、国賓とはその国の政府が公式に招待した客で、考えられる限りの最高のおもてなしが約束されている。
日本の国賓にはこんなことをする。
天皇は、国賓に対して御料車(天皇専用の自動車)を提供し、迎賓館での歓迎式典、皇居・宮殿での会見、歓迎晩さん会、迎賓館でのお別れ訪問を行う。
「知恵蔵」
これ以上のおもてなしは日本にはない。
戦争の危機が近づいているにもかかわらず、韓国は分裂している。
トランプ大統領を歓迎するグループと反トランプのデモ隊との間で、もめにもめている。
デモ隊の意気込みはこんな感じ。
中央日報の記事(2017年11月06日)から。
220余りの団体が集まった「ノー(No)トランプ共同行動」が核心だ。7日には青瓦台(チョンワデ、大統領府)に、8日には国会に集まり、トランプ大統領を24時間追いながらデモをすると意気込んでいる。
220人ではない。
220の団体が集まって、「トランプ大統領を24時間追いながらデモをする」のだ。
日本人にはない情熱だ。
国賓にここまでする日本人はきっといない。
この反トランプ派の人たちは、トランプ大統領に対して「北朝鮮を威嚇(いかく)した罪」を問うというのだから驚く。
日本や韓国を威嚇する罪は、どう見ても北朝鮮にある。
それをアメリカの罪にするというのは、「異常」の他に言葉がない。
「韓米同盟がなくなれば北朝鮮の核の脅威も、米国の対北朝鮮軍事行動も防げないのが我々の現実だ」という中央日報の主張はまったくそのとおり。
でも、正義を叫ぶことはとても気持ちが良い。
だから、反トランプデモをおこなう人にはそれが見えない。
トランプ訪韓を前にして、政府は国民に協力を求めていた。
聯合ニュース(2017/11/05)から。
「客人を歓待することはわが国の伝統」とした上で、「国民の皆さんが心を合わせて温かくトランプ大統領を歓迎してほしい」と話した。
韓国国民は、政府の呼びかけにどう答えたか?
トランプ大統領が韓国に到着すると、「心を合わせて温かく歓迎する」どころか、反トランプデモは激化した。
朝鮮日報の記事(2017/11/07)から。
警察は拡声器で「届け出のない違法集会は解散しなさい」と求めたが、デモ隊は警察に罵声を浴びせて反発した。警察は午後2時ごろ、デモ隊が道路に乱入できないよう警察のバス23台でバリケードを築いた。
反米団体のデモ激化、トランプ氏の行く先々で「失せろ」
中央日報はこんなことを書いていた。
「日本はトランプ大統領を盛大に歓迎した。それだけに次の韓国訪問でトランプ大統領が屈辱を感じれば、韓日は対照的な姿として映る」
それなのに、デモ隊はトランプ大統領の行く先々で「失せろ!」と叫ぶ。
「客人を歓待することはわが国の伝統」は絶滅していたらしい。
反トランプデモは、トランプ大統領の行動にも影響を与えている。
トランプ米大統領が文大統領との夕食会を終えた後、車でホテルに向かう途中で、ルートが変更された。
デモ隊が車道に物を投げ入れたことで、トランプ大統領は「逆走」してホテルへ行っている。
時事通信の記事(2017年11月8日)のそのことが書いてある。
デモが暴力的に変質し警察はトランプ大統領の車両の経路を変える「外交的欠礼」を犯さなければならなかった。(中略)反米デモ隊はトランプ大統領が晩餐を終えた10時30分ごろからスローガンを叫びながら紙コップとサイリウムを道路に投げつけた。
ここ70年でもっとも危険な状態にある中で、国賓に向かって「失せろ」と言ったり物を投げたりする。
「国賓訪問したトランプ大統領は警察の助けを受けて反対側の道路から「逆走行」してホテルに戻った」というのは、国家として恥だ。
この中央日報の記事に書いてあるけど、反トランプの韓国人は警官や日本のテレビカメラの記者にも殴りかかっている。
本当にやりたい放題。
国民は政府を選ぶことができるけど、政府は国民を選べない。
韓国政府が気の毒になる。
トランプ大統領を歓迎する人たちと反対する人たちで対立している。
「聯合ニュース」から。
国難を前にして、国民が分裂して言い争う。
韓国は大変だけど、日本には関係がない。
なんてことは、言っていられなくなるかもしれない。
対北朝鮮を考えたら、どうしても日米韓が協力しないといけない。
韓国の混乱は、そのうち日本にも影響を及ぼしそう。
「韓国の敵は韓国人」という言葉が死語になるのは、まだまだ先だ。
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