安倍首相は始め、韓国の平昌五輪には出席しないつもりだった。
でもここにきて、急きょ韓国行きを発表する。
これには賛否両論。
自民党から「今韓国に行って、何かいいことがあるのか?」という声が上がれば、ネットでは「結局、韓国に負けた」とたたかれる。
韓国政府は2年前に「最終的な解決」で合意した慰安婦問題を、今になって「あれで解決にはならない」と言い出す。
そんな誠意のない韓国政府に、安倍首相は不満を持っているはず。
それでも最後に安倍首相は、政治とスポーツを切り離して考え、韓国に行くことを決断した。
個人的には、スポーツ庁の大臣が行けばいいと思っている。
首相の訪韓は、韓国にとってはうれしい。
でもそのおかげで、ネットでは「韓国に負けた」なんて陰口をたたかれている。
だから、韓国はこんなことをしてくれるよ。
共同通信の記事(2018/2/5)から。
「日本政府、竹島入り統一旗で抗議 平昌五輪巡り韓国に」
北朝鮮が平昌五輪に参加することによって、急きょ韓国と北朝鮮の合同チーム「コリア」が結成された。
2月4日に、そのコリアが強化試合をおこなっている。
女子アイスホッケーの南北合同チームが外国と試合をする。
一見、日本が抗議する要素はないのだけど、そのへんはインクレディブル・コリア。
試合でかかげられた統一旗(朝鮮半島を描いた旗)に、日本固有の領土・竹島が入っていた。
日本政府(菅官房長官)は当然、これに抗議する。
統一旗は、南北融和の象徴として白地に青で朝鮮半島が描かれている。菅氏は「極めて遺憾だ。引き続き、適切な対応を強く求めていきたい」と語った。
「日本政府、竹島入り統一旗で抗議 平昌五輪巡り韓国に」
外務省も韓国の日本大使館も、この件について韓国側に抗議をしている。
日本政府による一斉総抗議。
でも、たぶん韓国は聞かないし効かない。
これには、日本のネットでも激おこ。
・安倍総理は行くの止めろよ!
・菅さんはまた遺憾砲ですか
・政治をスポーツに持ち込むな
・いつまで舐められていればいいんだ。
・明らかにオリンピックの政治利用だな
北朝鮮との合同チームだから、韓国旗をかかげることはできない。
統一旗はいい。
けど、オリンピック開催国として、竹島を外すぐらいの配慮はほしい。
韓国政府は韓日関係について、よく「ツートラック」という言葉を使う。
このトラックは、荷物を運ぶトラックのことではない。
陸上競技は英語で「track and field」という。
このトラック(走路)のこと。
韓国の言うツートラックというのは、「歴史問題(主に慰安婦問題)とそれ以外の分野(安全保障や経済など)を切り離して考える」ということ。
韓国の文大統領は、前から韓日関係をツートラックで考えていた。
例えば文氏が大統領になる前、こんなことを言っていた。
聯合ニュースの記事(2017/02/16)から。
日本との外交問題について「(旧日本軍の)慰安婦問題をはじめ、過去の歴史問題に対する(解決)要求を継続していく一方、これを韓日外交関係の前提条件とせず、未来志向の発展は別のトラックとするツートラックでやっていく必要がある」と述べた。
ツートラックの具体例には「慰安婦問題と韓日通貨スワップ交渉」がある。
日本は韓国政府に、「2015年の日韓合意にもとづいて、慰安婦像を動かしてほしい」と要求する。
直接こうは言わないけれど、日本は韓国側に慰安婦像の撤去を求めている。
でも、それをすると国民に怒られるから、韓国政府は慰安婦像に触れたくない。
同時に韓国政府は、日本と通貨スワップ協定を結びたいと考えている。
日本と通貨スワップ協定を結んでおけば、韓国が経済危機におちいる可能性はかなり少なくなる。
だが日本は断る。
「慰安婦問題で韓国政府が誠意ある対応をしないのなら、通貨スワップの交渉には応じられない」という態度をとる。
去年、麻生財務相は「約束した話が守られないなら、貸した金も返ってくる可能性もない」と述べて、日韓通貨スワップ協定の交渉を拒否している。
ハッキリ言って日本政府は、合意を守らない今の韓国政府を信頼していない。
でも、韓国はこれに激おこ。
「日本もツートラックの考え方で、慰安婦問題と経済は切り離して対応するべきだ!」と要求する。
でもこれは、韓国にとって都合が良すぎる。
韓国は慰安婦像を動かさないけど、日本には経済協力をしてもらえる。
去年1月、駐韓日本大使が帰国して韓国にはいなかったとき、中央日報はソウル大学教授のこんな言葉を載せていた。
日本とは過去の歴史と経済協力を分離してツートラックで解決しなければいけない
ツートラックは韓国にとっておいしいことだらけ。
だから、韓国政府はこの考え方を手放さない。
だから、日本政府はツートラックを認めない。
韓国は「歴史とそれ以外を切り離す」ツートラックをよく日本に主張してくる。
それなのに韓国は、「スポーツと政治」を切り離そうとはしない。
オリンピックの強化試合でわざわざ竹島を描いた旗をかかげて、日本を怒らせる。
日本に対して「慰安婦問題と経済は分けて考えるべき」と要求するのなら、自分たちもスポーツと政治を分けて考えるべきだ。
そうでなければ、不公平。
先ほどの「政治をスポーツに持ち込むな」というコメントは、日本人の総意だろう。
文大統領は、2月5日におこなわれたIOC(国際オリンピック委員会)総会の開会式でこう演説した。
FNNニュース(20018/02/06)から。
「南北が開会式に共同入場して、五輪史上初めて南北単一チームが出場します」と述べたほか、「スポーツは、政治やイデオロギーの壁を乗り越えられる。平昌が、全世界と人類に、それを見せてくれる」などと
「韓国大統領「北」五輪参加の意義強調」
文大統領の「スポーツは、政治やイデオロギーの壁を乗り越えられる」という言葉は、文大統領の行動によって否定されている。
旗に竹島を加えて、日本政府に抗議させているのだから。
日本との政治的対立をあおっておいて、IOCの総会でそんなカッコいいことを言ってはいけない。
文政権は「これをやったら日本が怒る」ということを知っていながら、それをやる。
トランプ大統領に独島エビと元慰安婦を用意した「反日晩さん会」のときから、まったく変わっていない。
文大統領は1か月ほど前に、こうも言っていた。
聯合ニュースの記事(2018/01/10)から。
今後の対日関係に関しては、「韓国と日本は文化的・歴史的に多くの部分を共有している」として、「日本と心が通じ合う真の友になることを望む」と力を込めた。
今の日本人は文政権の韓国と、心が通じ合う真の友になることを望んでいるのか?
答えはNOだ。
この言葉の後におこなわれた世論調査では、文政権がしめした慰安婦問題の方針に「納得できない」と答えた人が90.8%もいた。
くわしいことはこの記事をどうぞ。
自分の言葉を行動で否定するから、文大統領は日本人に信頼されない。
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