前回、北朝鮮が韓国の平昌五輪で「ほほ笑み外交」をしつつも、本国ではミサイル開発をしていたことを書いた。
友好的な態度を見せていても、腹ではまったく別のことを考えている。
ひどい話だ。
でもそれは、韓国も同じだったりする。
五輪ホスト国として参加国をあたたかく迎える一方で、しっかり反日はしていた。
「自国で五輪をしているときぐらいは、反日をひかえてほしい」というのはただの甘えでしかなかった。
今回はそんな、相変わらずの韓国を紹介したい。
「韓国は日本や日本人をどう見ているのか?」ということが少しはわかるはず。
イギリスBBCは、平昌五輪の最大の見せ場は「北朝鮮のほほ笑み外交」と言っていた。
でも、日本と韓国のあいだで一番盛り上がったのは、小平奈緒選手と韓国の李相花(イ・サンファ)選手がリンクの上で抱き合った場面だろう。
金メダルが確定した小平選手が銀の李選手に近づいて、「リスペクトしているよ」と言う。
李選手は「あなたを誇りに思う」と言って2人は抱擁した。
KBS(韓国放送公社)のインタビューで、李選手はこのときのことをこうふり返っている。
「私が泣いている時、奈緒が近づいて慰めてくれた。その時、さらに涙が出た」
「今回一緒に五輪の授賞台に並んで上がることができたのもとても良かった」
中央日報の記事(2018年02月21日)から。
李相花「小平がいたからこそ私がおり、私がいたからこそ彼女がいた」
ボクもこの2人には胸を熱くさせてもらった。
朝日新聞も社説(2018年2月27日)で、この場面を強調している。
中でもスピードスケートの小平奈緒、李相花(イサンファ)両選手がみせた国境を超えた友情は、多くの共感と感動を呼び、スポーツがもつ力を強く印象づけた。ぜひ東京に引き継ぎたい財産だ。
平昌→東京 五輪への思いをつなぐ
韓国のハンギョレ新聞も記事(2018-02-19)で2人を絶賛。
二人の素晴らしい競争と美しい友情に惜しみない賛辞を贈りたい。
このところ、日本と韓国の関係はうまくいっていない。
ハッキリ言えば、かなり悪い。
朝鮮日報の記事(2018/03/04)では、この2人の姿に韓日関係を改善させるヒントを見出している。
心温まる韓日戦にファンは「政治では作り出せないスポーツによる友情」と称賛している。平昌で感動を与えてくれた「新・韓日戦」が、こじれた韓日関係の解決のヒントになるのではないだろうか。
「『新・韓日戦』が与えた感動」
それはそうだけど、だが待ってほしい。
平昌五輪のあいだ、「すごいのは選手であって、国ではない」という意見をよく耳にした。
ボクはこの考え方に反対だけど、耳をかたむける必要はある。
「すごいのは小平選手と李選手であって、日本と韓国ではない」
これはその通りで、すばらしいのは2人の友情であって日韓関係ではない。
2人が抱き合ったからといって、日本と韓国の関係が良くなることはない。
「日韓関係はそんなに甘くはない」ということを、平昌五輪の期間中と終了後に、韓国政府は教えてくれていた。
平昌五輪は2月25日に終わる。
その3日前、韓国の大臣が国連の場で慰安婦を「性奴隷」と発言した。
毎日新聞の記事(2018年2月23日)から。
韓国の鄭鉉栢・女性家族相が旧日本軍の従軍慰安婦問題について、日本政府が使用しないよう求めている「性奴隷」の言葉を用いて説明を行った。
国連委で韓国女性家族相が「性奴隷」使用
これは日韓合意に反する。
日本は、「事実に反する言葉が使われた」「受け入れられない」と韓国に抗議する。
五輪が終わった次の日、26日には外交部(外務省)の長官も、国連で慰安婦問題を取り上げて日本を怒らせている。
中央日報の記事(2018年02月27日)から。
韓国の康京和(カン・ギョンファ)外交部長官が26日(現地時間)、国連人権理事会の総会で慰安婦問題に言及したことに対し、日本政府が反発した。
日本はまた韓国に抗議した。
とどめは3月1日だ。
この日に文大統領が「反日演説」をおこなって、日本中を激怒させた。
読売新聞は社説(2018年03月02日)で文大統領にあきれている。
独善的な歴史観に基づく一方的な日本批判が、未来志向の関係構築につながると本気で思っているのだろうか。左派政権の「反日」的な主張を懸念せざるを得ない。
文大統領演説 歴史を歪曲する「反日」体質
2月23日から3月1日までの1週間のあいだに、韓国は「反日3連発」をくり出していた。
日本はそのたびに、韓国に抗議している。
自国で五輪をおこなっていても関係ない。
韓国と日本の国民が小平選手と李選手に感動しても、韓国政府は反日の手をゆるめない。
やっぱり、すばらしいのは選手であって国ではなかった。
2人が抱き合ったからといって、日本と韓国の関係が良くなることはない。
韓国政府は日本にそう伝えている。
去年、浅田真央さんが引退を発表した。
そのとき韓国五輪が公式インスタグラムにこんな言葉をのせた。
「キム・ヨナ選手と善意の競争をしてきた日本のフィギュアスター、浅田真央選手が引退を発表しました。浅田真央選手の今後の明るい未来を祈ります。お疲れさまでした」
「まったく問題ない」というのは日本人の見方。
これを見て韓国人が怒り、「メール爆弾」を送りつける。
中央日報の記事(2017年04月17日)から。
これに反対する内容の書き込みでいっぱいになった。浅田真央はキム・ヨナと善意の競争をしていた関係ではなく、キム・ヨナに多大な被害を与えたため、該当掲示物は適切でないということだ。
国民から非難を受けた韓国五輪はこのメッセージを削除する。
韓国人の見方や考え方を知っている人からすれば、「知ってた」で終わり。
だけど、ボクはそこまで韓国人のことを理解していなかったから、「ここまでするか?」と驚いてしまった。
正直、韓国で浅田真央さんは、「キム・ヨナ選手の引き立て役」と考えられていると思っていた。
だから、「キム・ヨナに多大な被害を与えた人間」という認識が広くあったことには、まったく気がつかなかった。
韓国人がわかってない、ということですね。
こんなことがあったから、「平昌五輪ぐらいでは、日本と韓国の関係は変わらない」ということは分かっていた。
でも、まさかあんな「反日3連発」がくるとは想像していなかった。
韓国がわかってない、ということですね。
でも、小平選手と李選手は、浅田真央さんとキム・ヨナさんのようにはならないと思う。
ただ、かん違いをしてほしくないのだけど、ボクが嫌いなのは反日であって韓国ではない。
韓国には何回か旅行に行ったことがあるし、韓国人の友人もいる。
「これでもかっ」というほど韓国の反日を見せられても、韓国嫌いにならならない。
だから、「ひょっとしたら、自分は韓国がすごく好きなんじゃないか?」とも思う。
「韓国のキレイなところだけを見せられて、後で反日を知ってガッカリする」という人の話はけっこう耳にした。
だから韓国の反日面を知って、「反日耐性」を身につけたほうがきっとその人のためになる。
日本には「韓国と断交を!」という声があるけれど、現実的にそれはムリだ。
匿名での書きこみならいいけれど、責任のある政治家でそんなことを主張している人はいない。
相手の価値観や考え方を理解して、”それなりに”つき合っていくことを考えたほうがいい。
こちらもどうぞ。
日本の新聞が文大統領に「”反日”体質・歴史のわい曲」と批判。
IOCと日本人のお願い「韓国は選手に敬意をしめしてほしい」。
コメントを残す