海外にいて韓国人から突然、慰安婦問題の話を持ち出され、「きみはどう思う?」と意見を求められる。
確率としてはかなり低いが、ゼロではない。
海外旅行をしていて、そんな事故に巻き込まれたという日本人と会ったり、ネットでそんな日本人をたまにK見かける。
フィリピンで英語留学をしていたある日本人が食堂で昼食を食べていると、韓国人から話しかけられ、慰安婦問題について自分の考えを説明したあと、その日本人に意見を求めてきた。
このときの韓国人の主張はこんな感じだ。
「つばさ&あゆみの夫婦で世界放浪旅~美味しいお酒を求めて~」の記事から。(2017年8月29日)
彼は『でも、強制的な慰安婦がいたのは事実だからそこに対して認めないのはおかしい。ドイツは現在もユダヤ人に対して支援金を行なっていることを知ってるか?ドイツは第二次世界大戦で犯した罪に対する支援をずっとしてるのに、日本が辞めるのはおかしい。日本は韓国に対してひどいことを行なったのだから。』と言ってきました。
この人は慰安婦問題を知っていたから、自分の考えを述べている。
けっこう激しい話し合いになったのだけど、韓国人のほうはわりとサッパリしていて、その後、この日本人と会うと彼は何事もなかったようにあいさつをして、普通に話しかけたらしい。
普通の日本人なら慰安婦問題なんてよく分からないだろうし、韓国の人たちとは知識も”熱”も違う。
そんなギャップから、1999年に東京で、日本と韓国の大学生が行ったある学生交流がとても不幸な結果に終わってしまった。
このとき日本の学生は「21世紀のパートナーシップ」をテーマにして日韓友好について話し合おうとしたのだが、韓国の学生たちが選んだのは「従軍慰安婦問題」についてだった。
結局は韓国の学生の意見が通り、慰安婦問題の討論をすることとなる。
すると、話は全くかみ合わず、最後には修羅場になったと朝鮮日報のコラムに書いてある。(2016/01/04)
討論は支離滅裂だった。日本の学生たちの「私たちは責任認定も補償もすべて行った」との言葉に感情が高ぶり、「あなたたちがああいう目に遭ったと考えてみてよ。あれで済んだと思えるの?」と問い掛けた。
すると突然、日本の女子学生の一人が冷たい床で土下座を始めた。「こうすれば気が済むの?」と。
「日本から謝罪を受ける韓国の意志と戦略」
「慰安婦問題について議論する」といっても、韓国人のなかで答えは決まっていて、韓国側の主張を日本人に認めさせるだけの作業でしかない。
この時は韓国人サイドから感情的に日本の加害責任を追及され、日本人もどうしていいか分からなくなって、その場を収めるために、女子大生が土下座をした。
韓国の学生もこんなことは求めてなく、目の前の光景にビックリして戸惑ったらしい。
どっちの学生も後味の悪い思いをして、結果としては最悪だ。
やっぱり、日本の学生が提案した「21世紀のパートナーシップ」について討論するべきだったのだ。
ただ、上のコラムが伝えたかったことはこの”土下座事件”ではない。
2015年に日韓両政府が慰安婦問題について話し合い、最終的な解決を確認したが、韓国側ではこの合意内容に納得がいかず、大きな不満があった。
朝鮮日報はその気持ちに理解を示しながらも、「不十分な合意だったけれど、これを受け入れよう」と国民に訴える。
それが「日本から謝罪を受ける韓国の意志」らしい。
2016年にこのコラムを載せた朝鮮日報が最近の記事で、文大統領の対日外交を評価する。(2018/05/07)
記事の中で韓国の大学教授がこう言う。
東国大の高有煥(コ・ユファン)教授は「日本との関係が最も整理できていない。慰安婦・独島(日本名:竹島)問題が解決しておらず、南北問題でも日本が(南北関係改善に)消極的な状況」と指摘した。
文在寅政権1年:対日外交、韓国専門家らは辛口評価
最大の外交問題だった慰安婦問題について、日韓両政府が最終的、不可逆的な解決をが確認した。
合意にもとづいて安倍首相が心からのおわびを表明し、「不十分な内容だけど、受け入れよう」と韓国紙も書いていた。
でも、結局はまったく前に進んでいなかった。
慰安婦問題は未解決とされ、日本との関係もうまくいっていないという。
「日本から謝罪を受ける韓国の意志」という崇高な意志は、どこかへ消えてしまったらしい。
ということは、記事の始めで書いたことがこれからも世界のどこかで起こるだろう。
海外にいる日本人がいきなり韓国人から慰安婦問題について意見を聞かれ、話し合いというか、激しいやり合いになる。
その際、日本人が生まれる前のことについて個人が謝罪をする必要はないし、土下座なんて論外だ。
そんなコトは韓国人もきっと望んでいない。
日本人としては、「日韓政府が話し合いを重ね、最終的な解決を確認した」という事実を繰り返し指摘するしかない。
コメントを残す