困ったときには、助け合うのが隣人ってもの。
経済危機におちいって国が破産しないように、以前日本と韓国は通貨スワップ協定を結んでいて、いざとなったらお金を融通し合う関係を築いていた。
とはいえ現実的に日韓では経済力や国際的な信用の高さが違うから、日本が国家破綻する可能性はほぼない。
それに対して韓国は1997年通貨危機(国家破綻の危機)を経験して、国際通貨基金 (IMF) に救済された。
これは韓国のプライドをズタズタに切り裂き、国民に深い苦しみと傷跡を残す。
というわけで通貨スワップは実際のところ、日本が韓国をサポートすることにほかならない。
片山さつき総務大臣政務官は「『日韓双方に利益があるなら』なんて、とんでもない。日韓通貨スワップの実質は、日本による韓国への信用補強です」と否定している。
この協定は地理的関係ではなく、互いの信頼関係に基づいている。
日韓は2001年に初めて通貨スワップ契約を結び、11年には700億ドルまでに規模したが、翌年12年に当時のイ・ミョンバク大統領がその雰囲気を破壊する。
竹島に上陸し、さらに天皇陛下への謝罪要求を行ったことたで日本人が激怒、両国関係は急激に悪化した。
そして日韓の通貨スワップは2015年に完全終了。
でもその後、最大の外交問題だった慰安婦問題の解決を確認する日韓合意を結んだことなどで、雪解けの雰囲気が出てきて、通貨スワップを再び締結しようという動きがでてきた。
しかし、それを粉みじんにしたのがムン政権。
日韓合意を破る形で市民団体が慰安婦像を建てることを韓国政府が黙認すると、日本がこれに怒って通貨スワップは消えた。
中央日報の記事(2020.12.17)
2016年末に韓日間で関連の協議があったが、2017年1月に釜山(プサン)日本領事館前に慰安婦少女像が設置されたことを受け、日本側が一方的に交渉を中断した。
韓米通貨スワップ6カ月延長したが…韓日通貨スワップは再開もできず
アメリカとは延長したけど、韓国としては絶対的な安心を得るためにも日本と結びたい。
それなら、いまからでも日韓請求権協定と慰安婦合意を守ればいいのだけど、日本との対決姿勢をアピールして、国内の反日世論をあおって支持を得てきたムン政権にはそれができない。
政治と経済を分けて別々に日本にアプローチする韓国の外交戦略「ツートラック」は、つまるところ国内の反日と日本の支援の両立をめざすものだから、日本での受けはきわめて悪い。ネットじゃ最悪。
だから日本政府はほぼ無視している。
それに通貨スワップ消滅については、日本が差し伸べた手を韓国が払ったことも破綻の原因だ。
この問題については誰よりもくわしい麻生財務相がこんな事情を暴露した。
中央日報の記事(2020.03.30)
日本が「協定を延長しなくてもいいのか」と繰り返しその意志を打診してきたものの、韓国が「日本がお願いするならしてもいい」と硬直した態度を示したため延長交渉が決裂したということだ。
麻生氏、韓日通貨スワップに言及 「誰が頭を下げて金を貸すか」
なんでそこでメンツをとる!
慰安婦像の設置を「合意違反」と非難した麻生大臣は「約束した話が守られないなら、貸した金も返ってくる可能性もない」と通貨スワップ協定の可能性を否定した。
カネの話は結局、信頼関係だ。
大統領の竹島上陸といい合意違反といい、最悪のタイミングで最悪の選択をして、チャンスをつぶしてきたのは韓国自身。
そんな自業自得を「日本側が一方的に交渉を中断した」なんて表現しているうちは、「韓日通貨スワップは再開もできず」なんて見出しの言葉も変わらない。
まずは鏡を見ないと。
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70兆円近くも援助して、さらに別口で13兆円も貸してあげて、これだけ配慮しても国連で「反省が足りない」と非難。