チョイと前に、韓国に住む外国人が思う「韓国最大の魅力」を記事で紹介した。
世界55の国や地域の人たちが参加した韓国語のスピーチコンテストで、たくさんの外国人が指摘した韓国の良さは、韓国人の情や人間の気持ちを大事する文化だった、
聯合ニュースの記事(2018/05/15)から。
多くの参加者は韓国の最大の魅力として、同質感と所属感を与えてくれる「情」を選び、韓国には「私」よりも「私たち」を優先する温かい文化があると称賛した。
「韓国人の情ってどんなん?」と思った人はこの記事をごらんなされ。
外国人が感じた”韓国人の情”というのが、具体的にどういうものかは分からん。
でもたしかに、韓国人にはそんなところがあると思う。
「私たち」の仲間に深く同情や共感をして、その人のために積極的に動くという部分がある。
でもそれがいいことばかりではない。
「360度どこから見ても善」なんてものは、なかなかない。
良い面もあれば悪い面がある。
外国人にとっては最大の魅力である「情」や「”私たち”の意識」も同じ。
情を重視することが、法を軽視することにつながってしまうこともある。
韓国にはそんなことがよーくある。
それに日本人が怒って、日韓関係もうまくいかない。
これから、そんな韓国人や日本人の特徴や日韓関係について書いていきます。
いまの韓国人が「私たち」という意識を持って、情や共感を一番強く寄せるのは元慰安婦の人たちだ。
この人たち以上に、韓国人が感情移入をする対象はないだろう。
元慰安婦の人たちが苦しい思いを語って「日本に真の謝罪をさせたい」と言えば、多くの韓国人が立ち上げる。
全力でそれを支持する。
韓国社会では、この”情”に”法”が勝てない。
その象徴が慰安婦像だ。
いま釜山の日本総領事館前に慰安婦像が設置されている。
でもこれは、本当は法律違反。
釜山市や韓国政府はこの像を”違法の像”と認識しているのだけど、これを動かすことができない。
前にそれをやったことがある。
釜山の東区が強制的に慰安婦像を撤去したのだけど、市民団体がこれに激怒。
区には抗議が殺到して仕事にならない。
そして法は情に負けた。
法にしたがって行動した区長が、違法行為をした市民団体に謝罪した。
法より国民感情が優先されるから、韓国は「情治国家」なんてやゆされる。
韓国人の情や”私たち”を優先する文化は、いろいろな人を結び付けて、法も政府も立ち向かえないほどの怪物になる。
今月1日に、市民団体が徴用工像を日本総領事館前に建てようと計画していた。
このとき東区の区長さんは、「法が国民感情に勝つことはできない」と事前にギブアップ宣言をしていた。
中央日報の記事(2018年04月20日)から。
「法が国民感情に勝つことはできない」とし「少女像のように設置を防ぐ手立てがない」と述べた。(中略)「そういうものとは別に、国民的感情が先立つ。昨年、少女像を撤去したところ、東区が激しい袋叩きに遭ったではないか。(労働者像を不法に設置しても)絶対に前回のように撤去することはできない」と述べた。
「不法に設置しても、撤去することはできない」というのが韓国社会の現実。
国民感情とたたかったこの区長は本当にかわいそうだと思う。
このとき釜山市も政府も国民の反発をおそれて、誰もこの区長を守ろうとしなかった。
みんなダンマリ。
いま日本と韓国の関係はうまくいっていない。
ハッキリ言えば悪い。
でも、その大きな原因は韓国側にある。
韓国はいまだに、慰安婦問題で合意したことを履行していない。
日本はこのとき約束したことを全て実行した。
でも韓国は、日本大使館前にある慰安婦像をまだ撤去していない。
韓国政府がこれをやろうとしてもできない。
その原因も韓国民の情だ。
元慰安婦の人たちが「あの合意は納得いかない」と言えば、国民もその方向で動く。
すると韓国政府もお手上げ。
年末には、外交部長官(日本でいう外務大臣)がこう言っていた。
中央日報の記事(2017年12月27日)から。
康長官は「国民の70%が受け入れることができず被害者が満足できない合意を政府はどのように持っていくのか、あらゆるオプションを残して、この方たちと疎通しなければならないと考える」と述べた。
「あらゆるオプション」には、合意の破棄や再交渉もふくまれている。
でも、これはあり得ない。
国家間の合意を”国民の気分”で破るような政府と、これからどんな約束ができるのか?
政府がこんなことを言っているから、日韓関係はうまくいかない。
70%の韓国人が「日韓合意は受け入れられない」と言うことと、日本との合意は別問題。
韓国政府は合意に反対する70%の国民を説得して、60%、50%と下げる必要がある。
でも政府にはそれができない。
国民感情や反日感情を前にすると、下を向いてしまう。
それで「合意を破っちゃおうか?」なんてことをホンキで考えて、チラリとそれを言って日本側の様子をうかがう。
韓国人の「私たち」を優先する意識や国民感情が政府も向かうと、政府が困ってしまう。
それを日本側では、自業自得・オウンゴール・ブーメランなんて言いながらながめている。
でも、国民感情には立ち向かえないから、韓国政府は日本に「温情」を求めてくることがある。
でも日本ではそれが通じず、「甘えんな!」と怒られる。
次回、そのことを書いていきます。
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