6月7日に、台風4号が中国の広東省に上陸した!
で?っていう。
99.999%の日本人には関係ない。
まあ、「コロッケ買うなら早めにどうぞ。それと、田んぼの様子は見に行かないほうがいいですよ」ってアドバイスするぐらいか。
ただこのとき、中国のネット上ではこんな話が流れたらしい。
「中国には北西太平洋で発生した台風の命名権がなく、この権利は日本の手にあり、理由は以前の中国の技術が日本には及ばなかったからだ」
台風の命名権は中国にはなく、日本が持っている。
初耳だわ。
というか、それはまちがってる。
日本の気象庁に、そんな強大な権限なんてない。
発生した台風の名前を付けているのは、日本ではなくて「SOS団」だ。
あ、違った。「台風委員会」だった。
この台風委員会は日本・中国・アメリカなどの14の国・地域で組織されている。
それぞれの国や地域が台風の名前を10個ずつ用意していて、台風が発生すると、そのリストの順番で名前が付けられることになっている。
その委員会の中心が日本にあったから、誤解が中国で広がったのかもしれない。
レコードチャイナの記事(2018年6月11日)から。
台風委員会の情報交換の中心である「太平洋台風センター」が日本の気象庁に置かれているにすぎないと指摘した。
台風に国籍も国境はない。
そんなインターナショナルなものに命名できるほど、日本に強い権限はない。
買いかぶりですよ、中国さん。
ということで、今回は雑学として、台風の命名について見ていきましょう。
ちなみに「コロッケ買うなら~」というのは、日本のネットで有名な「台風コロッケ」のこと。
ぐるなびは2013年8〜10月に発生した台風とぐるなび検索の関係を比較し、コロッケの検索数が増えたと折れ線グラフで発表した。 Twitterでも台風が接近するとトレンドワードにランクインするなどインターネット上では定着している。
台風の命名法についてはさっき書いた。
14の国や地域が用意した10の名称を順番に使っていくのだ。
台風の命名には、それぞれの国や地域の“らしさ”があられている。
例えば「ウーコン(孫)悟空」は、中国が命名した台風のこと。
他にも、その国や地域の神様・人名・英雄・動物・植物などが、台風の名称としてつけられている。
ざっと見てみよう。
ダムレイ(象)はカンボジア
イーウィニ(嵐の神)はミクロネシア
カイタク(啓徳)は昔の香港の空港(なつかしい!)
レンレン(少女の名前)も香港
フンシェン(風神)は中国
メーカラー(雷の天使)はタイ
ケーミー(アリ)は韓国(なぜ台風の名にアリ?)
ノグリー(たぬき)も韓国
トラジー(桔梗)は北朝鮮
バビンカ(プリン)はマカオ
マリクシ(速い)とルピート(冷酷な)はフィリピン
マリア(女性の名前)とフランシスコ(男性の名前)はアメリカ
で、肝心の日本はというと、これがすごい!
サムライ・サクラ・ゲイシャ・フジ・スシ・ワルプルギス…
じゃなくて、「テンビン、ヤギ、ウサギ、カジキ、カンムリ、クジラ、コップ、コンパス、トカゲ、ワシ」の10だった。
あれ?これって、全部正座の名前じゃん。
そう、日本は台風の名称に星座名を採用したのだ。
台風の影響をメッチャ受けるのが船乗りの人たち。
船の航海では、星座が利用されていた。
それで星座を台風の名称にしたらしい。
そんな理由で、日本の”らしさ”がない台風名になってしまったという。
でも、このマジメでツマラナイ命名こそ、日本人らしいかも。
くわしくは気象庁のホームページに書いてありまっせ。
イエス・キリストを抱く聖母マリア
分からないのはアメリカのネーミングセンス。
なんで「マリア」を台風の名前にしたのか?
マリアとは聖書に出てくるキリストの母親で、「神の母」や「聖処女」などと呼ばれて尊敬されている。
台風にそんな高貴な名前をつけるセンスがよく分からない。
そんなことをするから、こうなってしまう。
BBCの記事(2018年05月30日)から。
2017年9月にカリブ海を襲ったハリケーン・マリアによるプエルトリコでの死者数は4600人以上だったとの試算結果が29日、明らかになった
「マリアによる死者数は4600人以上」というのはいいのか?
これでは大量殺りくだ。
マリアはその逆で、苦しみの中にいる人間の魂を救済するようなイメージがあるんだけど。
これもアメリカの”らしさ”か?
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