韓国少女像②日本の中高生・市長が韓国訪問を中止した理由

 

飛鳥時代(6世紀~7世紀ごろ)、日本は朝鮮半島にあった百済という国と仲がよかった。

その百済の都があった韓国の忠清南道(チュンチョンナムド)は、言ってみれば「韓国の京都」。
そこがいま、修学旅行の誘致に力を入れている。
日本の中高生を呼びこもうと、歴史を学ぶツアー商品を開発した。

日本人観光客を誘致する活動は、韓国で熱心におこなわれている。

韓国は一生懸命、日本人を呼びこんでいるのだけど、同時に、それをジャマすることもしている。
いま「平和の少女像」が原因となって、日本と韓国との交流がうまくいっていない。

*「少女像」は韓国での呼び方なので、ここでは日本政府が使う「慰安婦像」を使う。

 

2017年には、韓国の地方自治体に慰安婦像が設置されたため、日韓の交流活動が中止されるケースが出てきた。

朝鮮日報の記事(2017年12月28日)から。

日本の複数の地方自治体が、慰安婦を象徴する少女像が京畿道平沢市に設置されたことに反発し、青少年の交流事業を相次いで中止し始めた。

17日付の朝日新聞によると、秋田県はこの夏の平沢市への高校生派遣を中止することを決めた。

「日本が高校生の韓国派遣を相次ぎ中止、平沢の少女像に反発」

 

慰安婦像の設置をするにしても、百歩ゆずって、「日本の高校生には見せない」という配慮を韓国側がしてくれたらよかった。

でも平沢市は、慰安婦像を青少年文化センターの前に設置しやがりました。
ここで韓国の高校生と交流するのだから、日本の高校生はイヤでも慰安婦像を間近で見てしまう。
秋田の高校生がこの像を見て、「よしっ!韓国の高校生と友好交流をするぞっ!」という気になるわけない。

だったら、「なまはげ」のほうがまだいい。

韓国側は、むしろ像を日本の高校生に見せたかったかもしれない。
でも、秋田側はこれにご立腹。
「施設を拠点として高校生の交流を行うことは教育上適切ではない」と反発して、交流中止を決断する。

 

韓国はこういう矛盾したことをよくやる。

「日本の中高生を韓国へ送ってください!」と修学旅行の誘致を熱心におこなう一方で、慰安婦像を設置して、高校生の訪韓を中止させてしまう。

やっぱり、反日と交流・ビジネスの両立はむずかしいのだ。

 

 

こんなことは他でもあった。

2017年には、水原(スウォン)市と福井市の友好交流事業が中止されてしまう。
これも原因は慰安婦像だ。

水原市がドイツ・フライブルク市に、慰安婦像の設置をすすめていたことを福井市側が問題視する。
福井市と水原市は友好都市15周年を記念して、福井市長が韓国を訪問する予定だったのだけど、水原市の「慰安婦像支援」によって取り消されてしまった。

市内ならまだ分かるけど、なんで水原市がドイツの都市に慰安婦像を建てようするのか?
これで「友好」をアピールされても、日本側は受け入れられない。

 

慰安婦像は釜山市と福岡市の友好関係にもダメージをあたえている。

2016年12月に、釜山市内にある日本総領事館の前に、慰安婦像が設置された。
これによって、姉妹都市関係にある福岡市が「職員や市民の交流が危険にさらされる恐れがある」と釜山市に何回も伝える。

福岡市の高島市長はこう話している。

「長い交流の歴史があるが、領事館前に像があることが日韓関係を冷え切らせている。耳の痛いこともしっかり伝えることが大切な関係だと思う」

交流を中止するかどうかは置いておいて、「日本側は慰安婦像を認めない」という立場はハッキリしめしたほうがいい。
何も言わないということは、「慰安婦像を認めた」ということになるから。

「見て見ぬふりをする」というのは大人の対応ではない。
何の意思も伝えないと、問題はより大きく解決困難になるだけ。

問題の先送りをすると、福岡市の後任の人たちが困ることになる。

 

 

慰安婦像が日韓関係を冷え切らせていることは、だれが見ても分かる。
でも韓国には、「反日愛国」なら何でも許されるという空気がある。

慰安婦像を設置することで、日本との友好交流がうまくできなっている。
このことについて、韓国側はどう考えているのか?
次回、そのことを書いていきます。

 

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。