「おまえはもう、死んでいる」と言ったのが北斗の拳のケンシロウ。
「それはもう、終わっている」と言いたくなるのが、韓国の徴用工問題。
韓国の政府やマスコミは、案外そう思っているかもしれない。
韓国の市民団体が徴用工問題で騒いでいるけれど、この動きは、日本より韓国政府にとって都合が悪いから。
反日の怒りが行きすぎたり、日本ではなくて韓国政府に向けられたりすると、政府も困ってしまう。
今回と次回で、そんな反日ブーメランについて書いていこうと思う。
まあ、いつもの自業自得ですよ。
徴用工問題で、いま一番迷惑をしているのは日本の三菱重工業だろう。
韓国全国紙のトップページに、「日本戦犯企業」と書かれてしまった。
「日本の戦争犯罪企業」ということだと思う。
これは三菱重工のこと。
でも、三菱重工は戦争犯罪をしていない。
「日本企業」だけでいいのだけど、加害性を強調するために、「戦犯」をつけるところが韓国紙らしい。
こうやって国民の反日感情をあおる報道をしているから、韓国政府が困ることにもなる。
この記事(2018年06月16日)には、韓国の市民団体が「日本戦犯企業に日帝強占期の強制動員問題の解決を促す書簡を送った」とある。
日本が韓国を統治していた時代、朝鮮半島から日本に連れて来られ、三菱重工業名古屋航空製作所で働いていた韓国人がいた。
その本人や遺族が三菱重工業に損害賠償を求めている。
でも、三菱重工側には、損害賠償をする意思はない。
「お金は払いません」という態度をとっている。
それが正しいのだけど、納得いかない市民団体は三菱重工業にこう訴えた。
市民会は「徴用被害問題は人類普遍的な常識」とし「問題の解決は三菱側にかかっている」と強調した。
ようするに、「三菱重工業は我々に金を払え」ということ。
でも、これは無理筋。
まず、当時の韓国人が日本に連れて来られたのは、法律にもとづいたもので違法行為ではない。
日本人も同じように働かされたり、戦場に行かされたりしていた。
それより徴用工問題について、一番大事なことは「それはもう、終わっている」ってこと。
韓国の日本に対する請求権問題は、1965年に解決している。
このとき日本は韓国政府に、巨額の資金供与をおこなった(無償3億ドル、有償2億ドル、民間借款3億ドル)。
韓国がこれを受け入れ、日本への請求権問題は「完全かつ最終的に解決された」と確認する。
両締約国は、両締約国及びその国民(法人含む)の財産、権利及び利益並びに両締約国及びその国民の間の請求権に関する問題が、完全かつ最終的に解決されたこととなることを確認する。(個別請求権の問題解決。)
これは韓国の国家予算の2・3倍というばく大な金額で、これをもとに韓国は「漢江の奇跡」といわれる経済成長を生み出すことがきた。
徴用工問題もこのときに終わっている。
韓国人の元徴用工の人たちの分もふくめて、日本は一括して、韓国政府にお金をわたしたのだから。
日韓両政府が「完全かつ最終的に解決された」と確認したのに、今になって市民団体が、三菱重工に「損害賠償をしろ」というのは通らない。
それは「人類普遍的な常識」ではなくて、韓国でしか通じない常識。
反日なら無理な主張ができるという、いわゆる反日無罪だ。
1965年に解決した問題について、「問題の解決は三菱側にかかっている」という市民団体の主張はヒドすぎる。
でもこの市民団体は、1965年に起きたことを知らないかもしれない。
日本が韓国政府に巨額の資金を供与した事実を知らないから、三菱重工にこんな無理筋要求をしているのかもしれない。
実際、「あのとき日本から受け取った金を、オレたちによこせ!」と、韓国政府を裁判に訴えた市民団体も出てきた。
反日の怒りが日本に向かっていればいい。
でも、それが自分たちに向けられると、韓国の政府やマスコミが困ってしまう。
次回、そんな「反日のオウンゴール」について書いていきます。
それにしても、韓国の新聞も「日本戦犯企業」と、反日や嫌韓をあおる表現をしなきゃいいのに。
これで後になって「自制を求める」と書くから、「マッチポンプ報道」なんて言われる。
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