ではこれから、日本に対する隣国メディアの報道姿勢を知っていこう。
今回のサッカーW杯で韓国メディアが問題視して、一斉に報じたのはポーランドとの試合。
試合終了10分前の時点で、日本とセネガルの戦績は「1勝1敗1分けで勝ち点4」とまったく同じ。
でも、日本はフェアプレーの点数でセネガルより上にいた。
セネガルのイエローカードは6枚で日本は4枚だったから、カード2枚分、日本はセネガルを上回っていたわけだ。
だから、決勝トーナメントに進むためには、ポーランドに勝つ必要がない。
このままの状態で試合が終われば次のステージへ進むことができたから、日本代表はパスを回して時間をつぶし、試合はそのまま終了。
決勝トーナメント進出を決めたが、日本の時間稼ぎを「戦術」と評価する海外メディアもあれば、批判する声も多かった。
すると韓国メディアが後者に乗っかって、「この試合は本当にあきれる試合だ。特に終了直前の姿がそうだ」という英BBCの解説者の言葉を使って日本批判を展開する。
韓国メディアは他にも、BBC解説委員のこんなネガティブコメントを載せた。
「日本はレベルの低い試合をした」
「フェアプレー点数は本当にレベルの低い考えだ。サッカーで最も重要なのはゴール」
BBCのパネラーも「今回のW杯で最もあきれる試合」と怒る。
日本の「スポーツマンシップのなさ」を非難した『スポーツソウル』はこう書く。
「夢の舞台でスポーツマンシップに欠ける試合がまた出てきた」
「一番の被害者は観客だろう」
「血と汗の代わりに意味なく転がっていくサッカーボールを見るハメになった」
「スポーツマンシップが不足したスタジアムには観衆のブーイングでいっぱいとなった」
あるサッカーファンは「これが日本サッカーのサムライ精神なのか。ベルギーが16強で正義を見せることを願う」と言ったという。
日本に対して「正義を見せる」という発想は韓国にはよくある。
*上の内容はこの3つの記事にある。
中央日報
<W杯>日本の「ボール回し」ブーイング…西野監督「勝ち上がるための戦略」
「GOAL」
韓国紙が日本の“時間稼ぎ”を非難「スポーツマンシップに欠ける」「一番の被害者は観客」
中央日報
<W杯>「これがサムライ精神か」…日本のボール回しに批判続出
「これがサムライ精神か、批判続出」という日本にネガティブ情報に加え、愛国心などの感情をくすぐるとものがあると読者の受けは格段に良くなる。
これが韓国メディアの特徴のひとつになっているのだ。
たとえば中央日報は、元韓国代表のアン・ジョンファン氏のこんな言葉を伝えた。
(2018年06月29日)でこう言う。
「こんなことならいっそのことセネガルが正義を見せるためにゴールを入れてコロンビアと共に決勝トーナメントに進出してほしい」とし「韓国は美しく敗退したが、日本は醜く16強に進出した」と述べた。
日韓を比較して、優越感をくすぐるような内容は読者によく読んでもらえる。
それで中央日報は、「ベスト16落ちでも拍手受けた韓国、ベスト16行きでもヤジ飛ばされた日本」と記事のタイトルを付け、それを「イチオシ記事」にしている。
こんな「韓国上げ・日本下げ」を、日本の読売新聞や朝日新聞のような全国紙がすることは想像できない。
その点、朝鮮日報の記事はまだひかえ目だ。
「サッカーW杯:日本、ポーランドに負けるも決勝T進出」
「サッカーW杯:日本、ブーイング浴びながら16強進出」
いちいち韓国と比べる必要はないから、これぐらいでちょうどいい。
でも、韓国の読者にはインパクトに欠けるから「スポーツマンシップに欠ける」、「一番の被害者は観客」といった言葉がスパイスになる。
ソウル新聞の記者が韓国メディアの特徴を5つ書いてる(2013.07.10)。
*韓国語の文を機械翻訳して修正した文だから、不明な点は原文を見てほしい。
・内容を切り捨てて、必要な単語だけを寄せ集める。
・小さな問題を全体的な問題として誇張する。
だから、後になって「実際は大したことなかった」と分かる。
・どんな問題でも、自分の好きなように解析する。
・大声で問題提起をするけれど、最後は立ち消えになる。
・他人の主張に合わせる。明らかになっていないことでも、「それはきっとこうだ」「これが事実だ」という雰囲気をつくっていく。
こうした特徴を日本戦に当てはめると、上のような記事が完成するのだ。
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