2018年のサッカーW杯はフランスの優勝で終わった。
するとフランスでは、狂気の大騒ぎが始まった。
パブリック・ビューイングで約9万人がフランスの優勝を目撃する。
その瞬間、よろこびが爆発。
酒のせいもあると思うのだけど、一部のフランス人が暴走する。
警察が出て来て、放水銃や催涙ガスを浴びせて暴徒を鎮圧。
さらに商店の窓をたたき割って、略奪を始める人間も出てきた。
パリは燃えているか?
服をすべて脱ぎ捨てて全裸になって歩く人や、よろこびのあまり、運河に飛びこんだ50歳の男性もいた。
でも不幸なことに、この運河は水深が浅い。
この男性はクビの骨を折って、帰らぬ人になってしまった。
くわしいことは、スポニチアネックスの記事(2018年7月16日)をご覧ください。
W杯優勝でフランス国内は騒然 略奪 泥酔 全裸 死のダイブなど各地で混乱
狂喜乱舞のフランスに日本のネットの反応は?
・優勝したら犯罪増えるてヤバイよなw
・渋谷とかかわいいもんね
・同じこと日本がやったら世界の恥とか言うくせにw
・運河悪い
・フランス人も大阪人みたいなのいるんやなw
・猛虎魂を感じる
・水深もわからんのに飛び込む50歳・・・
フランス人は知的でクールな個人主義者の集まりだったハズだが
・カーネルサンダース像を放り込むぐらいにしておけばよかったのに
日本がワールドカップで優勝したら、想像がつかないけど、きっととんでもないことになる。
でも、商店の窓をたたき割って略奪を始める人間はいない。
運河に飛びこんで亡くなる人は出るかもしれない。
海外の反応を見ていると、外国人は日本人よりも喜怒哀楽をハッキリ表す。
それだと、負けたときが大変だ。
「山高ければ、谷深し」
試合前の期待が高いほど、敗戦の衝撃は大きい。
1950年の「マラカナンの悲劇」がまさにそれ。
これはブラジルサッカー史上最大の事件で、ワールドカップの歴史でも、最大の悲劇に数えられる。
![](https://i0.wp.com/yukashikisekai.com/wp-content/uploads/2018/07/quarter-finals-3513675_960_720-300x200.jpg?resize=300%2C200)
ワールドカップ・ロシア大会の準々決勝で「ブラジル vs ベルギー」の試合が行われる前、知り合いの日系ブラジル人の女性がSNSにこんな書き込みをしていた。
話すとき、考えるとき、夢の中は全部日本語なのにブラジルを応援するときはポルトガル語になる!ヴァーイ ポーハー!
この人は日本人男性と結婚して、日本には15年以上住んでいる。
ふだんは日本語しか使わないから、「ポルトガル語をどんどん忘れて困ってる」なんてグチをこぼしていた。
それでもやっぱり、セレソン(ブラジル代表)を応援するときは自然とポルトガル語になるらしい。
日本にいても、流れる血がそうさせる。
でも残念ながら、試合はブラジルの負け。
その人のSNSもしばらく沈黙していた。
ブラジルの悪夢「マラカナンの悲劇」を聞いたのはこの人から。
その後のブラジル代表の変化も。
![](https://i0.wp.com/yukashikisekai.com/wp-content/uploads/2018/07/Neymargoldenball-191x300.jpg?resize=191%2C300)
ブラジル代表のユニフォームといえば、なんと言っても黄色のカナリア色。
黄、青、緑、白の色はブラジルの国旗にちなんでいる。
![](https://i0.wp.com/yukashikisekai.com/wp-content/uploads/2018/07/260px-Flag_of_Brazil_svg.png?resize=260%2C182)
「マラカナンの悲劇」のマラカナンとは、ブラジル・リオデジャネイロにあるサッカースタジアム(エスタジオ・ド・マラカナン)のこと。
1950年7月16日、ここで起きた出来事にブラジル人が打ちのめされる。
このときのワールドカップは地元ブラジルで開催されていた。
開催国での初優勝をめざして、ブラジル代表は順調に勝ち進んでいく。
そして、ウルグアイに勝つか引き分ければ、ブラジルの優勝が決まるところまで来た。
ブラジル対ウルグアイの試合を観るために、マラカナンスタジアムに駆けつけた人の数は約20万。
大観衆の前で、ブラジル代表は後半開始2分に得点を決める。
その瞬間、巨大なマラカナンスタジアムが揺れた。
でもウルグアイは同点に追いつく。
さらに後半34分に逆転ゴールを決めて、試合は終了。
ブラジルはまさかの逆転負け。
優勝したのはウルグアイ。
このとき、フランスの優勝騒ぎとは反対のことが起きた。
会場は水を打ったように静まり返り、自殺を図る者まで現れた。結局2人がその場で自殺し、2人がショック死、20人以上が失神し、ブラジルサッカー史上最大の事件となった。
![](https://i0.wp.com/yukashikisekai.com/wp-content/uploads/2018/06/football-stadium-62891_960_720-300x225.jpg?resize=300%2C225)
この試合まで、ブラジル代表は白を基調としたユニフォームを着ていた。
でもこの事件を忘れるために、ブラジルは白を封印し、代表ユニフォームを黄色に変更した。
ブラジル代表の着るカナリア色には、悲しみがこもっている。
その試合の様子
Uruguay Football の Last minute of 1950 FIFA World Cup final. Brazil vs. Uruguay. (English Subtitles)
この動画のコメント欄にはこんな書き込みがある。
One of the famous moments in football and sport history.
「サッカーとスポーツの歴史上、もっとも有名な瞬間の1つだ」
No question about it.
「間違いない」
I remember that day I was 2 years old
「あの日を覚えているよ。ボクは2歳だった」
おまけ
サッカーで日本がどこかの国と戦うとき、ブラジル人はほとんどの場合、日本を応援するらしい。
というのは、ブラジルで日本人(日系人)は信頼されているから。
これも、先ほどの日系ブラジル人から聞いた話。
「sportiva」の記事(2018.07.06)にもそんなことが書いてあった。
ブラジルは世界で一番、日系人の多い国で、その数は160万人を超えるといわれている。ブラジル人なら誰もが日系二世、三世もしくは四世の知り合いがいるし、勤勉で礼儀正しい彼らは、ブラジルでも一目置かれる存在だ。
こういう人たちが日本とブラジルのかけ橋になっている。
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