クリスマスを来週にひかえて、仏教と神道の国・日本が盛り上がっている。
*「国教」という意味じゃない。
日本語で「キリスト降誕祭」と表記されるクリスマスは、「Christmas」(キリストのミサ)という意味で完っ全にキリスト教の行事。
と思いきや、「これはもともと異教の習慣でキリスト教とは関係ない」とクリスマスを祝わない真面目なキリスト教徒もいるとイギリス人から聞いたことがある。
キリストのギリシア語は「クリストス」だから、頭文字の「X」をとってXmasにもなる。
日本では「Christmas」でも「Xmas」でもどっちでも問題ナッシング。
でも、これはどうなのか?
公式ホームページのキャプチャー
山口市は12月になると日本の「クリスマス市」になる。らしい。
なぜ山口が?とおもって調べたら、こんな理由があった。
戦国時代、いまの山口市は大内義隆が支配していた。
そこへフランシスコ=ザビエルがやってくる。
ザビエルが来日した理由は言うまでもなく、冒険王になるため。ではなくて、日本にキリスト教を広めるためだった。
そんなザビエルを迎え入れた大内義隆は彼の願いも聞きとどけ、1552年12月24日に山口で誕生祭をおこなうことを許可したのだ。
これが記録に残る日本で初めてのクリスマス。
そのことから山口市は毎年12月に「クリスマス市」と改名するようになった。
日本初のクリスマスは500年ほど前と古いけど、山口市がこう名乗るようになったのは最近で、2008年に「日本のクリスマスは山口から実行委員会」がつくられてから。
どのぐらいの日本人が知っているか分からないけど、山口市は動いている。
日本郵便では、期間中に山口市宛ての郵便物の郵政住所を「クリスマス市」宛てにしても郵便物を届ける体制を取っている。
ザビエルが大内義隆に誕生祭の開催をお願いしたように、山口市も日本郵便に頼み込んだ結果だろう。
さて、先ほどあった「絆」とは何と何の絆なのか?
まずはザビエルと大内義隆の「X(絆)」だ。
これにXavier(ザビエル)とX-masを加えた「3つのX」(絆)らしい。
そして山口は「ザビエルを魅了した日本各地との「きずな」を温め合うまち」になるという。
香川が「うどん県」になったように、山口市の愛称として「クリスマス市」が定着するだろうか?
知らんけど全国では無理で、まあ山口だけだろう。
約500年間忘れていて、つい最近はじめた知名度向上キャンペーンだから山口とクリスマスの関連は薄すぎる。
山口以外の日本人が、「わたしたちクリスマス市民」というフレーズを聞いたらイラっとくるかも。
そもそも彼らのほとんどが信仰するのは仏教と神道だろう。
それに山口市には他にやることが山盛り。
「chakuriki」というネットで好き勝手につぶやく掲示板には「山口市の噂」があって、そこには地元民を中心にこんな書き込みがある。
・最も人口の少ない県庁所在地だが多分数十年たつと最下位を脱出すると考えられる。
・県庁所在地なのにメインルートと離れてしまっている。下関市にはかなわないが他には負けたくない。
・もっとも栄えたのは、室町時代だと思う。
・KDDIの通信センターが観光名所になっている。
・2015年に鳥取県鳥取市にスターバックスがOPENし、全都道府県制覇を成し遂げたが、県庁所在地にスターバックスがないのはここだけ。(2017年にオープンしたからこれは解消済み。)
・県庁所在地なのに銀行の本店がない!(県庁所在地では山口市だけ)山口銀行は下関市、西京銀行は周南市に本店がある。
「12月、山口市はクリスマス市になる」という一方で、市民はこんなことを考えていたのだった。
個人的には山口市を「クリスマス市」と呼ぶことはないけど、歴史の勉強になったことには感謝している。
いつかそのうちメイビー、山口市へ行こうとおもう。
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