ウソつきで性格が悪い？ 日本人から見たエジプト人

「エジプト人」と入力して検索すると、こんなが言葉が関連ワードとして出てくる。

「嘘つきや性格の悪い人は日本にもエジプトにも、どこの国にもいる！」という当たり前論はいいとして、「性格が悪い」は人によって見方が違うことも指摘しつつ、今回はエジプト人の性格の一面を取り出して日本人との価値観や考え方の違いを紹介しようと思う。

ボクがはじめてエジプトへ行ったのは25年ぐらいまえのこと。
そのときは１か月半かけてエジプトの上（アスワン）から下（アレキサンドリア）までを旅行して、その間に２～３回、エジプト人から借金の申し込みをされた。

例えばレストランでひとりでご飯を食べていると、ウェイターが笑顔で近づいてきてボクの正面に座る。
もちろん、「座っていいですか？」のひと言もなく。
そして彼は「エジプトはどうだ？気に入ったか？」などと一方的に話しかけてきて、５分もしないうちに、「実はオレの母親が病気なんだ。病院に連れて行きたいけど、ウチは貧しくてお金がない。だから5000円を貸してくれないか？」と言い出す。
＊エジプトポンドは面倒くさいから円表記。

ツッコミどころが山盛りだったから迷ったけど、とりあえず、「ボクは明日この街を出る予定だけど、君はどうやってお金を返すつもり？」と返済方法をきいてみた。
「それは問題ない！３日後には店から給料をもらえるから、そしたら君のいるところへ送金するよ。もし日本に戻っていたら日本に送る」と言う。

そうか。なら安心だ。
って思う人間がこの世にいると思うか？
このウソ松め。

＊宿に戻ってからエジプト人スタッフに一応確認したけど、「ウソに決まってるだろ。そういうヤツはたくさんいるから無視しろ」で終わり。

また別のケースでは、宿の共有スペースでひとりでくつろいでいると、宿のスタッフが笑顔で近づいてきて…、以下くり返し。

旅行中に会った日本人にこの話をすると、彼も同じ経験をしたと言う。
「初対面の外国人にいきなり借金を申し込む。日本人にはないメンタルですね～」という認識で彼と完全一致。

日本人バックパッカーの間ではインド人も「タフな相手」として有名だけど、これまでインドに５、６回行った経験では、いきなり借金を申し込まれたことは一度もない。
だからエジプト人について「嘘つき・性格が悪い」と聞くと、この出来事を思い出す。

エジプトのインスタントラーメン

それから20年以上の月日が過ぎて、つい先月のこと。

日本に興味のある外国人が集まるSNSグループで、エジプト人男性が遺跡の投稿をしているのを発見。
「それはとても素晴らしい！」というメッセージをして、彼と少しやり取りをしたら、その日のうちに友達申請がきた。
まあいいかと友達になって、彼から最初に届いたメッセージがこれ。

こんにちは。
君は友達がほしくないか？
自分はアラビア語と英語ができるアラブ人で、日本語もがんばっている。
君と友人になれたら、とてもすばらしいと思ったよ。
わたしのワッツアップかテレグラムに君を登録してもいいかな？

ボクの想像するエジプト人がまさにこんな感じ。
初対面から自分の言いたいことをガンガン言って、プライベートにグイグイ踏み込んでくる。
そんなところが日本人とはぜんぜん違う。

さらにこのエジプト人は「And I’m into Japanese things」「I can be your tour guide in sinai😊」と、自分は日本のことに興味があって、もしボクがシナイ半島に行ったら案内してくれると言う。

ワッツアップとテレグラムの話が出た時点で、「これは地雷だ。触っちゃいけない」と危険センサーが反応して、１日メッセージをしなかったら、いきなり「助けてくれないか？」と言ってきやがる。

いま落ち込んでいて、大学を辞めたいと言う友人がいる。彼女は日本が大好きなんだ。

はいきたウソ松。
日本好きや親切なオレをアピールしたあとに、友人の家がいま大変で学費が払えないから200ドル（約21000円）を貸してほしいと言う。

うん。
25年前とまったく変わってなくて、もはやなつかしい。
だが断る、と返事をしないでいると今度はこうだ。

「Don’t leave us in the middle of the road
We all need u」

道の真ん中で私たちを置き去りにしないで。私たちはみんな君を必要としている。

表現が大げさで、すごく熱心（またはしつこい）というのも、ボクが思い描くエジプト人そのものだ。

さらに放っておくと、こんなことを言い出す。

「If u don’t use messenger usually
I may chat with u via whatever app you use」

もし君がメッセンジャーをよく使わないのなら、君が使っているアプリで話してもいい。どんなアプリでも大丈夫だ。

haha。もちろん無視。

そしてこれが彼からのラストメッセージ。

スマホを使っていると頭痛がしてくる（me too!）。
それにもう容量がいっぱいだから、メッセンジャーを消そうとおもう。
もしわたしに連絡をしたかったら、この番号に電話してほしい。（いやいやいや）
最初にエジプトの国番号20を忘れないで。
そしてワッツアップかテレグラムにわたしを加えてくれ。

見知らぬエジプト人による、ひとり劇はこれで終わり。
今回の中であった真実といえば、彼がエジプト人ということだけ。
あとは全てウソ。それか、かなりあやしく信用できないものばかり。

日本人から見て「嘘つき・性格悪い」というのは、エジプト人のこういう自己中で超強引な態度を言うのだろう。

このあと、「最近こんなことがありました。あなたはどう思う？」と信頼できるエジプト人女性に聞いたら、こんなメッセージがきた。

それが本当がどうか分からないけど、わたしなら信じない。
ウソをつく人はたくさんいるし、真実を話す人もいる。

「I Don’t」とDが大文字になっているのはわざとで、「そんなことは知らない。わたしには関係ない！」と強調しているのだと思う。
失礼な質問だったか。

このあとのやり取りで、いまのエジプトでは、コロナのせいで学費が払えない学生がたくさんいることは事実と判明。
ボクはあのエジプト人の話を最初から最後まで全てウソだと思っていたけど、0.1％の真実があったかもしれない。

それにこのエジプト人女性は、自分が学費を払えなくて大学を辞めそうな立場にいて、友人がお金を貸してくれたら本当にうれしいし頼もしく思うと言う。
方法はどうあれ、多少無理しても友人を助けたいと思うのはエジプト人の美徳だとか。

ボクの少ない経験からだけど、人と人のつながりは日本人よりエジプト人の方が濃いと思う。
それにエジプト人は考え方として、方法より結果を重視するという。
エジプト人が外国人旅行者に高額のぼったり行為をしていても、家族にとっては、頼れるいい父親かもしれない。
でも、詐欺行為を正当化するつもりはない。

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