【日本人の人種感覚】“肌色”は平成、“美白”は令和に消える

 

ファミマが、らしからぬミスをしてしまったようで。

朝日新聞の記事(2021年3月26日)

ファミマ、「はだいろ」表記のPB下着を回収

千年以上前の文献には、人や獣の肉の色を指す『しし色』ということばある。
この『しし』とは獅子(ライオン)ではなく『宍(しし)』のことで、これは獣の肉を表す。やがて肉食を禁止する風潮が強まると、『しし色』に代わって『はだ色』と呼ばれるようになったと言われる。

でも、白人・黒人・アジア人など世界にはいろんな肌の色があるから、特定の一色を肌色とするのは21世紀の感覚ではない。
これは明らかに不適切だ。
それで人種差別問題や多様性、国際感覚などの観点から、クレヨンやクーピーをはじめ日本社会のいろんなところから「肌色」ということばは消えて、いまではその色は「ペールオレンジ」や「うすだいだい」などになっている。

そんな動きは20年ぐらい前から始まっているのに、衣類の色表記を「はだいろ」とするのはマズい。
その代償は大きく、ファミマは約22万5千枚の商品を回収することとなった。

ただファミマが先行販売したときは「ベージュ」だったけど、全国展開する際に「ひらがなにして、幅広い世代に受け入れてもらう」という狙いから「はだいろ」に変えられたという。

ネットを見ると意外と「昭和脳」の人が多くてビックリ。

・裸に見えるから?
・そんな事言い出したら絵の具の「はだいろ」もダメなの?
それとも俺が知らないだけで既に「ベージュ」とかになってるの?
・肌色すら差別用語なのか?
・子供のクーピー見て驚いた
・はだおもいはどうなるの?
・いまどきの若い衆に「はだいろ」はマジ通じない
「ちゃいろ」もヤバくて黄緑色をもってくる

ただ『肌色』がないわけでもない。
文房具屋には、世界のいろんな肌の色を集めた『12色の色鉛筆セット』があって最近人気らしい。
ここ10年で日本人にもいろんな“色”が登場したから、やっぱりこれまでの『肌色』には退場してもらうしかない。

 

 

『肌色』は平成に消えて、令和のいまでは白を美しいとする見方もなくなりつつある。
それも急速に。
きょねんアメリカで盛り上がった黒人差別への抗議運動を受けて、海外の化粧品メーカーが「ホワイトニング」の表記を差別的だとして取りやめた。
それで花王も日本初となる決断をした。

日本経済新聞の記事(2021年3月26日)

今後、全てのブランドで美白の表現を使わない。国内勢で初めて花王が肌の色の多様性に配慮することで同様の動きが広がりそうだ。

花王、「美白」表現を撤廃 人種の多様性議論に配慮

 

「人種の多様性」を持ち出されたら、いまの時勢で「美白」を擁護・強調するのは、個人のレベルならいいけど社会的には無理。

20年ほどまえに東南アジアの国を旅行中、ある石鹸を使って黒人男性が体を洗うと、泡だらけになったあと白人になるというCMを見て驚いた。
*この手のCMは他の国でも見た。

でもこのときは、『美白』ということばがなくなるとは想像もつかず。
時代や価値観の変化についていくのは面倒くさいけど、意識そのままの結果、何十万もの商品を回収して表記の修正を行うことよりはマシだ。
日本人の人権・人種感覚も変わっていって、肌色を知らなかった世代がそのうち下の世代の人間から「『美白』ってなんですか?」と質問されて驚くようになる。

いまネットを見ていたら、美容系サイトで『“色の白いは七難隠す”の七難って?色白女子の特権を知って今夜から儚げスキンケア』という2019年の記事を発見した。
この感覚はもう時代おくれ。

 

 

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4 件のコメント

  • まあ、肌の色も、顔の形も、目尻の高さも、個人の好みの範囲だろうとは思いますが、もうそれをあからさまに口に出していい時代じゃないでしょうね。特に、書面とか映像とか証拠に残るような形でそんなことを発言するのは単なるアホですよ。Lineで、女性タレントの見た目をイジる議論をしている馬鹿も同じだ。無能きわまりない。
    道路の信号機の意味を知らないのと同レベル。とっとと引退しなさい。

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    今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。