【俺のものになれ】エジプトで発見された“呪いの人形”

 

韓国旅行でソウルにある民俗博物館(たぶん)の中を歩いていて、「あっっ!」と思わず声が出そうになった展示物がコレ。

 

 

「呪いのわら人形」って日本オリジナルの儀式とアイテムと思っていたけど、どうやら違うらしい。
このとき一緒にいた韓国人に聞いたら、使い方は基本的に日本と同じで、呪いたい相手を念じながらわら人形に釘をさす。
その韓国人が中学生だったころ、校庭にわら人形が落ちているのが見つかって教師も生徒もパニック状態になったという。
そんなことがあったら日本の学校でも大騒ぎになって、何十年先の同窓会でも「そういえば」と話題になる。
学校にそんな人形が落ちているというのは怪異系アニメの第一話でありそうだ。

ではもし、現代の日本でこれを使ったら罪に問われるのか?

朝日新聞の記事によるとその答えはイエス。(2017年1月30日)

呪いのわら人形は犯罪か 脅迫罪になる?殺人未遂罪は?

群馬県のゲームセンターの駐車場に縦19cm、横11・5cmの、麻ひもで作られた「わら人形」のようなものが落ちているのを従業員が発見。
その胴体には経営者の女性の名前が赤い文字で書かれていて、約6センチの釘が打ち込まれていた。
女性がいつも車を止める場所にその人形があったから、恐怖を感じて警察に連絡し、その後脅迫の容疑で50代の男が捕まった。
その男はゲームセンターの客で、女性に好意があってプレゼントを渡そうとしたけど拒否られたから、こんな嫌がらせをしたとか。

いまの日本では、危害を加える意思を相手に伝えた場合、脅迫罪が成立して「呪い」が罪に問われるらしい。

 

材料や目的は違っても、人形を使って呪いをかけるという発想は世界中にある。
フランスのルーブル美術館にあるコレもそれを現代に伝えている。

 

出典:© Marie-Lan Nguyen / Wikimedia Commons
https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Voodoo_doll_Louvre_E27145a.jpg

 

「ルーブルの人形(Louvre Doll)」や「ブードゥー人形(voodoo doll)」といわれるこの像は、4世紀のエジプトのもので呪いの儀式で使われたという。
ブードゥー(教)とは西アフリカやカリブの国などで信仰されている民間信仰で、呪いの儀式を行って相手を殺したり、危害を加えたりできるという考えがある。
ブードゥーの信仰とこのエジプトの人形は直接関係はないけれど、「呪いの人形」なんてアイテムは欧米の伝統文化にはないから、「黒魔術・呪いの文化=ブードゥー」と考えたのだろう。

ひざまずいた女性の人形の目、口、耳、胸など13か所に針が打ち込まれている。
見た目のインパクトと分かりやすさから、国や宗教を超えて世界中でこの「ルーブル人形」は話題になった。
*ボクも外国人のネット投稿でこれを知った。

オカルト系ニュースをあつかうメディア『アトラス』にくわしい説明がある。(2018/9/17)

大量の針を突き刺す…不気味な「恋愛のおまじない人形」とは 

これは相手を呪い殺すのではなくて、人形と一緒にあった金属板によると、プトレマイスという女性を好きになった男性が、彼女を「自分のもの」にするためこの人形に針を打ち込む魔術を行なった。

この男がプトレマイスさんと結ばれたかは知らんけど、いまの日本なら、この行為を相手に伝えたら間違いなく逮捕案件だ。
この人形が学校の敷地内に落ちてたら、日本でも韓国でも大騒ぎになることは避けられない。

 

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。