天才軍師の劉基、密かに文書を送りたい朱元璋に妙案さずける

 

ムーン・ケーキ(Mooncake)という食べ物がある。
もちろん韓国ムン大統領とは関係ない。

中国では中秋節、日本でいうなら十五夜の日、月に見立てた丸い月餅というお菓子を食べることが国民的なお約束で、この月餅を英語でいうと「Mooncake」になる。

 

画像:Junelee

 

これはもともとは月の神さまへのささげ物で、むかしの中国人は家族の安全や幸運を願って月神にお供えしたあと、月餅をカットして家族で食べたという。(いまもそうしてるかも)
興味のある人は中国版ウィキペディア「百度」の 月饼 にくわしい説明があるからそこをどうぞ。

さて、四方を敵に囲まれたり監視されている状況下で、誰にも気づかれないよう仲間にメッセージを届けたいときはどうすればいいか。
アニメやマンガで鳥に秘密文書を持たせて運ばせるという発想は、ベタすぎてもう使えないかも。
仲間に直接わたせないのは当然として、周囲に気取られることなく連絡するいい方法はないだろうか。
それについて中国にはこんな伝説がある。

 

モンゴル人の強圧的な支配に漢人(中国人)が苦しんでいた14世紀の元の時代、朱元璋(しゅげんしょう)は元を倒して漢人の国を復興しようと決意する。
でも元の監視はオソロシイほど厳しくて、反乱軍が互いに連絡を取り合うことは不可能。
朱元璋には、いまの中国で三国志の諸葛孔明と並び称される、天才軍師の劉 基(りゅう き:劉伯温とも)という頼れる男がいた。
前漢の伝説的軍師・張良になぞらえて朱元璋が「わが子房(張良のこと)」とよび、深く信頼していた劉基は月餅を使った案を提案する。

中秋節のときに月餅を送り合うことは当たり前の習慣だったから、「八月十五殺韃子(8月15日にモンゴル人を殺せ)」と書いた紙を入れた月餅を仲間に送って、それを反乱の合図とした。

適逢中秋節將至,劉伯溫獻計,在中秋節互贈的月餅裡面夾紙條,上面寫著「八月十五殺韃子」。

八月十五殺韃子

 

この言い伝えがホントかどうかは知らない。
でも朱元璋が革命を起こしてモンゴル人の王朝を倒し、1368年に応天府(南京)で初代皇帝に即位して明王朝を始めたのはガチ。
さらに清王朝を倒した1911年の辛亥革命のとき、革命党がこの言葉をスローガンとして使ったのも歴史の事実。
*上のリンク先に「辛亥革命时,在陕西,八月十五杀鞑子成为革命党鼓动革命的口号。」とある。

さて天才軍師・劉基のこの一計は、いまの日本のアニメやマンガなら採用されるだろうか。

 

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。