では、前回の続きですよっと。
今回のソウルと釜山の慰安婦像について、日本とアメリカが韓国に伝えていることは同じ。
NHKによると、日本はこう要求している。
菅官房長官は6日の記者会見で、「韓国はまさに隣国で極めて重要な国だ。今回、このような措置を取らざるをえなかったのは極めて残念だが、国と国として 約束したことは履行してほしいという強い思いだ」と述べました。
少女像撤去の見通し立たず 日韓関係悪化は不可避
「国と国として 約束したことは履行してほしいという強い思い」
「履行(りこう)してほしい」というのは、「韓国は日韓合意にもとづいて、行動してほしい」ということ。具体的にいえば、「ソウルの日本大使館と釜山の領事館の前にある慰安婦像を、早く動かしてくれよ!」ってこと。
アメリカが韓国に要求していることもこれと同じ。
韓国はアメリカの動きをどう見ているか?
それがわかるように、韓国の視点からアメリカの反応を見ていきたい。
これは韓国の中央日報の記事。
共同通信など日本メディアによると、安倍首相はこの日、ジョー・バイデン米副大統領と電話会談を行い、この中でこのように明らかにした。バイデン副大統領は「米国政府として慰安婦問題に関する日韓合意を支持しており、双方によって着実に履行されることを強く期待する」と伝えた。
一方、少女像の設置に対する日本側の対応措置については何も言及しなかったという。
この記事から、日本とアメリカは同じことを韓国に要求していることがわかる。
日本:「国と国として 約束したことは履行してほしい」
アメリカ:「米国政府として慰安婦問題に関する日韓合意を支持しており、双方によって着実に履行されることを強く期待する」
アメリカは「双方によって」と言っているけど、日本はすでに履行している。
日韓合意にもとづいて、安倍首相が心からのおわびと反省を表明してたうえで、10億円を韓国に渡した。
アメリカが同盟国の韓国に、「韓国は着実に日韓合意を履行するように」と公式の場で言えるわけがない。
名指しで言われたら、韓国の国家としてのメンツがつぶれてしまう。
だから「双方に」という優しい言い方をしているけど、実質的には「今度は韓国の番だ」と言っているのだと思う。
「仏の顔も三度まで」
このアメリカのメッセージは、「日韓合意を履行しろよ」と韓国にプレッシャーをかけているようなもの。
さらにいえば、「この混乱の責任は韓国にある」と伝えているのだと思う。
韓国紙の記事に「日本側の対応措置については何も言及しなかった」という文があった。
これは、アメリカが日本の韓国への対応を認めたということ。
アメリカのOKをもらったから、日本政府は大使の一時帰国を決めたのだろう。
アメリカは前々から、「日韓合意を守ってほしい」と言っていたのだから、今回は日本の側に立っていると考えておかしくない。
そうでなかったらおかしいぐらい。
そしてこの日米の共同歩調に戸惑っているのが、今の韓国。
国民の反発が大きすぎて、慰安婦像を動かすことができない。
日本とアメリカから「日韓合意を守ってほしい」と要求されても、韓国は守ることができないのが現状。
でも、国と国が交わした約束だから。
韓国の名誉のためにも、これはやってもらわなきゃ。
アメリカは、韓国に直接プレッシャーをかけていたみたい。
朝日デジタルにこんな記事(2017年1月8日)がある。
米国のバイデン副大統領が6日、韓国の大統領権限を代行する黄教安(ファンギョアン)首相と電話で協議し、慰安婦問題をめぐって再び険悪になった日韓関係について「日韓両国が平和的な外交で問題を解決してほしい」と要請した。
さて、日本は約束をはたした。
今度は、韓国の番ですね。
その韓国は今どんな反応をしているか?
簡単に言ってしまえば、かなり困っているのだ。
朝鮮日報の記事(2017/01/07)にはこう書いてある。
韓国政府内部が困惑しているのは明らかだ。
日本政府は「在韓日本大使館と釜山日本総領事館前への少女像設置は外国公館の品位を傷付けることを防止するよう求めた『外交関係に関するウィーン条約』第22条に反する」と主張している。
ウィーン条約の解釈にはさまざまな意見があるが、国内の法的根拠が不十分な状況であり、日本を説得する論理が整っていない。慰安婦:「ウィーン条約違反」 日本の主張に対抗できない韓国
また、中央日報の記事(2017年01月09日)でも、韓国側は日本に反論することができないから苦しんでいる。
安倍首相「10億円出した」…公式反論もできない韓国外交部
慰安婦像がウィーン条約に抵触していることを、韓国の外交部も認めている。
国際法から考えると、日本大使館や領事館の前の慰安婦像は「問題アリ」とわかっている。
だから、日本の言っていることは正しい。
日本から正しいことを言われているから、韓国の外交部は困っている。
だから、日本には「公式反論もできない」し「主張に対抗できない」という状態になっている。
でもね、それは今まで韓国人の反日感情を野放しにしてきた結果だよ?
だから、法律違反でも反日的で愛国的な行為なら許されるという「反日無罪」の社会になってしまった。
慰安婦像が韓国の国内法や国際法(ウィーン条約)に違反しているにもかかわらず、像を撤去できないような社会をつくりあげてきたのは、韓国の政府でありマスコミじゃないですか。
今韓国が向かい合っているのは日本ではなくて、今まで放置してきた韓国の反日感情そのもの。
自業自得の面は否定できないのだから、受け入れてくれ。
今の韓国にとって、一番気になるのはアメリカの見方だと思う。
韓国にとって一番大事な同盟国であるアメリカは、今回の慰安婦像の問題と日韓の対立をどう見ているか?
韓国の新聞を読んでいると、韓国は今、日本とアメリカの両方の同盟国から迫られてかなりあせっているみたい。
中央日報(2017年01月09日)には、こう書いてある。
外交部の内外では今回の事態が韓日関係の悪化だけでなく韓日米の連携の亀裂にまで進むという懸念が出ている。
次回、こんな韓国の反応について書いていきます。
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