安倍政権を支える野党議員の自爆。イバンカ基金の”印象操作”

 

イバンカさんといえば、アメリカのトランプ大統領の娘にして、ホワイトハウス大統領補佐官でもある。
そんな重要人物がインスタに、「ありがとうございます」と平仮名で書いて日本を去った。

 

「Your dad’s the worst of them all」ってコメントはひどいな、おい。

 

このイバンカ氏をめぐって、日本であることが大きな話題になった。

毎日新聞にこんな記事がある。

イバンカ氏基金 安倍首相、57億円拠出を表明

 

このことについて、社民党の福島瑞穂議員はツイッターでこうつぶやいた。

安倍総理のイバンカさんの基金に57億円拠出するという表明には違和感がある。イバンカさんはトランプ大統領の娘。大統領の来日に合わせて、安倍総理がトランプ大統領にプレゼントをしたように見えかねない。なぜこのタイミングなのか?しかも個人的なプレゼントではない。みんなの血税だ。

 

同じく野党・民進党の柚木道義議員はテレビ番組でこんな発言をした。

これイバンカ基金ね。トランプ大統領のお嬢さん。57億円の拠出を表明されてますけども、ま、女性活躍のための応援はいいですけども、まぁ国民の税金は安倍総理のポケットマネーではありませぇん。57億ものお金があればね、いや待機児童問題とか介護の話も含めて、もっと国民にとって何が必要なのかスーパーセレブのトランプさんのお嬢さんにね、そこまで拠出する必要があるのかなど、非常に私の中では、国民の中でも、驕り緩みが出てきてるように思いますねぇ。

これら野党議員の言葉を聞いて、どう思いましたか?

 

この基金については、韓国の中央日報にこんな記事がある。

韓国はこれに先立ち、イバンカ氏が主導した国際機構「女性企業家基金」に1000万ドル(11億3840万円)の拠出を約束し、来年度予算にもこのうち30億3100万ウォン(3億1000万円)を編成している。

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「イバンカ基金」とは、国際機構「女性企業家基金」のこと。

先ほどの毎日新聞の記事にもこう書いてる。
「トランプ米大統領の長女イバンカ大統領補佐官が設立に関わった、女性起業家を支援する基金」

この基金を運営しているのは世界銀行だ。
イバンカ氏は基金の「設立に関わった」けれど、運営管理には関与していない。

でも、「女性企業家基金」という言葉を無視して「イバンカ基金」とだけ書くと、まるで「イバンカ氏の個人的な基金」という印象を持ってしまわないだろうか?

 

「イバンカ基金」という言葉について、自民党のすがわら一秀議員が自身のブログでこう書いている。

これは、先のG20において公約し、すでに発表済の話であり、それを安倍総理からイバンカ氏にあらためて申し上げただけの話。
しかも、その財源は、外貨準備金と米国債であり、このような時に特定の使途がみとめられている資金だ。

イバンカ基金

 

また、駒澤大学や明治学院大学などで非常勤講師をしている石川くみ子氏は「イバンカ基金報道」についてツイッターでこう指摘している。

「安倍総理がイバンカ基金に57億円拠出」と報道されている件、不正確な点が2点ある。国内使用できずドルで塩漬けになっている外貨準備高からの拠出であり、「血税」は一切投入されていない。また世界銀行グループ内設立のファシリティであり、イヴァンカ氏は運営管理や資金調達には関与していない。

 

外貨準備高も元をたどっていくと税金にたどり着くのだろうけど、外貨準備高はあくまで「外貨準備高」。
「税金」ではなくて、「外貨準備高」と書いた方がいい。
政治家が国民に伝える言葉なら、正確な方がいい。

国民の税金を、そのまま「女性企業家基金」に出すわけではないのだから。

それに、この基金に57億円のお金を出すことは前から決まっていて、発表もされている。
安倍首相がイバンカ氏に直接会う機会があったから、改めて言っただけのこと。

 

福島議員も柚木議員も「女性企業家基金」や「外貨準備高」という言葉は知っていたはず。
国会議員がこの言葉を知らないはずがない。

知っていたけど、それは隠してこう言う。

「安倍総理がトランプ大統領にプレゼントをしたように見えかねない」
「国民の税金は安倍総理のポケットマネーではありませぇん」
「スーパーセレブのトランプさんのお嬢さんにね、そこまで拠出する必要があるのか」

「女性企業家基金」や「外貨準備高」という言葉を知らない人なら、これを読んで「安倍首相が税金を私物化している」「イバンカ氏に国民の税金をプレゼントした」という印象を持ってしまうだろう。

でも、両議員のねらいはまさにそれで、国民に安倍政権に対するマイナスの印象を持たせることだったはず。

この言葉からは、「安倍政権をつぶしたい」という野党議員の気持ちは伝わってくるけど、「日本を良くしたい」という信念はまるで感じられない。

 

野党が与党を攻めることはいい。

国会で安倍首相を徹底的に追及して、追いつめてやればいい。

でも、政治家がこんな印象操作をしてはいけない。
「女性企業家基金」も「外貨準備高」も書かないで、「イバンカ基金」、「トランプへのプレゼント」、「税金は安倍総理のポケットマネー」としか書かない。

これでは、「情報操作」と言われても仕方がない。
「とにかく安倍政権にダメージを与えてやりたい」という必死さしか伝わらない。

 

今は、いろいろな人たちがネットで政治家の言動をチェックしている。
インターネットの時代では、政治家が「何を言わなかったのか?」がバレてすぐに拡散されてしまう。

国民を”引っかける”ようなやり方が、支持されるワケない。

 

 

今の与党は強すぎる。
野党には本当にがんばってもらいたい。
この前の選挙で安倍政権は大勝したけど、「他よりはマシ」という消極的な理由で投票した人も多かったはず。

野党議員が言葉をいじって国民にさっ覚を起こさせることをねらっていたら、「ダメだこりゃ」と思われるだけ。
安倍政権に国民の支持が集まるのは、野党が「自滅」するからだ。
この前の選挙でも、野党は分裂して自滅し、安倍政権に神風を運んでしまった。

 

野党議員の言葉を聞いていても、「とにかく安倍政権をつぶしたい」という気持ちがばかりで、「日本を良くしたい」という思いがあまり伝わってこない。
本当に残念だ。

 

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。