トランプ大統領が日本を訪問していたとき、日本は高級和牛で大統領をもてなした。
それを見て、韓国の新聞(中央日報)はこんなことを書いていた。
和牛ステーキでトランプ大統領の心を溶かそうとする「おもてなし外交」の現場だ。
良い味は舌だけでなく脳にも長く記憶されるという。ともかくトランプ大統領が韓国に到着したら私たちは何で彼の心を溶かすのだろうか。和牛ステーキ…日本の「おもてなし外交」の現場
ボクもこれには関心があった。
「韓国は国賓として招いたトランプ大統領に、どんなおもてなしをするのだろう?」
で、トランプ大統領のために開かれた夕食会を見て驚いた。
ボクだけじゃない。
日本中がビックリしたはず。
夕食会に元慰安婦を招待し、さらに「独島エビ」を大統領にふるまったから。
日本の高級和牛に、独島エビで対抗するとは!
アメリカ大統領の夕食会で、「反日」を演出をするなんて、日本政府だって予想できなかっただろう。
この「反日メニュー」は、日本のテレビや新聞でも大きく取り上げられた。
日韓議員連盟の会長として、韓国に理解をしめしていた額賀元財務相でさえ、「北朝鮮問題を中心に関係を強化していくにあたり、誠に残念な事態だ」と不快感を示した(毎日新聞)ほど。
思わず買ってしまった「独島は我が領土だ」のり。
日本はともかくとして、アメリカは元慰安婦を招待していたことについて、どう反応したのか?
そこでこの記事では、この2点を中心に書いていきたい。
1、アメリカ政府は事前に元慰安婦の参加を知っていたのだろうか?
2、あの面会はアメリカ政府が希望したものだろうか?
まず、「アメリカ政府は元慰安婦の参加を知っていたのか?」ということについて。
結論から言うと、アメリカ政府はまったく知らなかった。
朝日新聞にこんな記事(2017年11月9日)がある。
「元慰安婦招待、日米政府に相談なし トランプ氏歓迎会」
日米両政府は元慰安婦の女性が参加することは知らされておらず、事実確認に走ったが、韓国外交省は把握していなかった。
ということで夕食会の直前に、韓国政府がアメリカ側に元慰安婦が来ることを告げたという。
「日米両政府」って書いてあるけど、日本には伝えなくても良かったとのでは?
こういう外交上の手続きはよく分からないけど、一般的な感覚として、アメリカにも伝えなかったのはマズイんじゃないか?
この晩さん会は、アメリカ大統領を歓迎するために開かれている。
直前になって、大事な出席者を知らせるというのは、アメリカに失礼なような気がする。
ピコ太郎なら分かる。
韓国政府は直前になるまで、アメリカに伝えることができなかったのかもしれない。
アメリカに反対されたら、元慰安婦は夕食会に参加できなくなるだろう。
そうすると、政府は国内に「反日愛国アピール」ができなくなってしまう。
それにしても、日米両政府だけではなくて、韓国の外交省(日本でいう外務省)にも知らせなかったというのは、「それで大丈夫か?」と思ってしまう。
韓国国内にも政府の独断を迷惑に思った人間はたくさんいるような気がする。
続いて、「あの面会はアメリカ政府が希望したものだろうか?」ということについて。
これも結論から言うと、アメリカはそんなことを望んでいなかった。
そのことは中央日報の記事(2017年11月10日)を読めば分かる。
トランプ大統領が元慰安婦の女性を抱擁したことについて、韓国のアメリカ大使はこう言っている。
駐韓米国大使代理のマーク・ナッパー氏が9日、ドナルド・トランプ大統領が慰安婦被害女性と抱き合ったことについて「来賓をあたたかく迎えたもので、政治的な目で見てほしくない」と述べた。
トランプ氏-慰安婦被害女性の抱擁 駐韓米国大使代理「単なる人間的ジェスチャー」
あの夕食会の場で、トランプ大統領が目の前の女性を無視するわけにはいかない。
女性から抱擁を求められたら、大統領としては、応じないわけにはいかないだろう。
駐韓アメリカ大使は、このことを「単なる人間的なジェスチャーだったと見れば良い」と述べている。
単なるジェスチャーということなのだから、「あれは表面的な行為であって特に意味はない」と理解していい。
トランプ大統領が元慰安婦の女性を抱擁したからといって、慰安婦問題でアメリカが韓国を支持したということにはならない。
むしろ、そう誤解されたくないから、アメリカ大使は「政治的な目で見てほしくない」「単なる人間的なジェスチャーだったと見れば良い」と釘をさしているのだろう。
でも、それ以前の問題がある。
驚いたことにトランプ大統領は、自分が抱擁した相手がどんな人物なのか、知らなかったかもしれない。
女性が元慰安婦だったことを知らなかった可能性がある。
現場では両首脳の周辺に来賓を紹介する通訳がいなかったため李さんがどのような人物か、トランプ大統領は知ることができなかったという話もある。
トランプ氏-慰安婦被害女性の抱擁 駐韓米国大使代理「単なる人間的ジェスチャー」
アメリカ大統領が元慰安婦を抱擁したことについて、韓国では、新聞各紙で大きく取り上げていた。
ハンギョレ新聞は、「日本軍「慰安婦」被害者であるイ・ヨンスさん(89)が紹介されると」、大統領が近づいて抱擁したと書いている。
でもこれは間違い。
正確には女性が抱擁を求めてきたから、トランプ大統領がそれに応じただけ。
その動画を見てくれたら分かるけど、「単なる人間的なジェスチャー」だ。
また、中央日報はこうある。
彼は7日、青瓦台(チョンワデ、大統領府)晩餐会場で慰安婦被害者を暖かく抱いた。韓日間で絶えず提起されてきた慰安婦論争で普遍的な人権の方に軍配をあげたわけだ。
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「軍配をあげたわけだ」というのは、「慰安婦論争で、トランプ大統領は日本ではなく、韓国を支持した」ということを言いたいのだろう。
でも、これは的外れな見方だ。
トランプ大統領は、あの女性がだれだか分からなかった可能性が高いのだから。
アメリカとしては、日米韓の結びつきを深めることがねらいだったのだから、突然の「元慰安婦の参加」にはとまどったと思う。
「軍配をあげたわけだ」と韓国は誇らしそうだけど、このできごとの最終的な敗者は韓国になる気がしてならない。
少なくとも、韓国がトランプ大統領の心を溶かすことに成功したようには見えない。
慰安婦問題より、北朝鮮問題でしょ。
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