韓国で、また新しい少女像(慰安婦像)が設置された。
*今回は韓国の視点からの記事を書きたいので、「少女像」と表現する。
場所は、「全羅北道鎮安郡」というところ。
ボクはこの場所をまったく聞いたことがない。
韓国にくわしい人でも、こんな「郡」までは知らないだろう。
とりあえず、韓国の隅々にまで慰安婦像が建てられていることは分かった。
慰安婦像が建てられ始めたころ、日本のインターネットでは「いっそのこと、韓国全土に設置したら?」なんて冗談めいたコメントがいくつもあったけど、2017年11月の今から考えると、冗談が現実になりつつある。
今、韓国に少女像はいくつあるのか?
今年の8月の時点で、その数は80を超えた。
でも、韓国での少女像建設ラッシュには、疑問を感じている韓国人がけっこういる。
レコードチャイナの記事(2017年8月15日)から。
意外にも懐疑的な意見が多く寄せられている。コメント欄には「こんなにたくさん作ったら価値が薄れるだろう」「何事にも程度というものがある」「各家に少女像を置くって、一体これは何なんだ?」
ここまで増えると、韓国人にとっても、少女像を設置する意味や理由、目的が分かりにくくなっているらしい。
今回新しくできた鎮安郡の慰安婦像は写真で見るとまるでこの地域の”神像”だ。
画像は下の聯合ニュースの記事(2017/11/06)から見てほしい。
鎮安平和の少女像建立推進委員会が募金活動などを通じ約3800万ウォン(約390万円)を集め、鎮安青少年修練館に少女像を建てた。4日に除幕式が行われた。
韓国の田舎(地方)で、3800万ウォン(390万円)というのはかなりの額だ。
韓国にいる日本人のブログ記事(2017-08-01)には、「田舎のコンビニだと時給400円ぐらい」と書いてある。
それも、「ちゃんともらえたら」という条件がつく。
韓国ではバイトをしても、給料がしっかり支払われないことがよく問題になっている。
これはよくニュースになっていて日本でも知っている人が多いと思うんですが、 韓国のアルバイトでは給料踏み倒し問題が頻繁に発生します。
小さな地方都市で募金活動をして390万円も集まるとは。
「少女像を建てよう!」と思い立って、韓国の人たちは行動に移すけど、その動機や目的が分かりづらい。
今年(2017年)1月に放送された「あさチャン!」では、「釜山の少女像を設置した団体は、実際の慰安婦と、会ったことも話したこともなかった」ということを、驚きをもって伝えていた。
慰安婦だった人たちの意思から離れて、設置団体が好きに少女像を建てているような印象がある。
*以下の画像はTBSの「あさチャン!」のキャプチャー
学生団体のリーダーは、「慰安婦と話したことがない」「記事で読んだだけ」と平気で言う。
今回新しく少女像を建てた鎮安郡の関係者は、「人口2万人の小さな都市に少女像が設置され非常にうれしい」と話している。
でも、日本人も知らないようなところに、少女像を建てないといけない理由があったのか?
像を建てる前と後でどんな変化があって、人々はどんなメリットを手にしたのか?
たぶん、具体的には何もない。
像を建てた動機は、「韓国の他の場所には少女像があるのに、ここにはない。だからつくらないといけない!」というライバル意識によるものだろう。
少女像を建てている団体も、韓国国内の”建設競争”をいましめている。
像設置を拙速に進めたり、区役所間の競争として映ることが懸念される」とし、「少女像を立てるプロセスは、適切な韓日関係の樹立と、正しい歴史認識のきっかけにならねばならない」とした。
少女像を100体200体つくっても、「適切な韓日関係の樹立と、正しい歴史認識のきっかけ」にならないことは、日本人がよく知っている。
少女像設置の理由や目的が、「適切な韓日関係の樹立」と「正しい歴史認識のきっかけ」ということなら、その意味はない。
これをつくるたびに、日本の嫌韓感情が高まるだけだから、むしろ逆効果でしかない。
今の韓国では、何かの目的のために少女像を設置するのではなくて、像を設置すること自体が目的になっている。
釜山では、安倍首相がひざまずいて少女像に謝罪するパフォーマンスをおこなっていた。
こういう目的で少女像をつくるのはやめてほしい。
少女像の設置が「適切な韓日関係の樹立」や「正しい歴史認識のきっかけ」とは、まったく逆の効果をもたらしていることがよく分かる。
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