韓国が、慰安婦問題の日韓合意について検証した結果を発表した。
でもそもそも、これはおかしい。
本来韓国がすることは、この時の約束を守ることだ。
大事なことはそれで、この約束が交わされた背景を探ることではない。
だから、読売新聞は「検証すること自体問題」と言い、産経新聞は「国内向けの時間稼ぎは終わりにしてもらいたい」と非難している。
この検証報告に、日本は大ブーイング。
韓国に対して、「約束を守れ!」「守らなかったら、もう韓国は信用できない」といった声であふれている。
そのことについては、この記事で書いた。
この記事では、朝日・毎日・読売・日経・産経新聞の社説を紹介した。
この中で産経新聞が、韓国の反日感情が今のように高まった背景に触れている。
今回はそのことを書いていこうと思う。
韓国の反日には、今までの韓国政府やマスコミの対応が大きくかかわっている。
一度受け入れた日韓合意を、今になって韓国が「それはムリ!」と言い出した理由に、韓国国民の声がある。
つい先日も、韓国の外交部長官(日本でいう外務大臣)がこう言っていた。
中央日報の記事(2017年12月27日)から。
康長官は「国民の70%が受け入れることができず被害者が満足できない合意を政府はどのように持っていくのか、あらゆるオプションを残して、この方たちと疎通しなければならないと考える」と述べた。
「あらゆるオプション」には、合意の破棄や再交渉がある。
でも、これはあり得ない。
国と国が合意したことをこんな簡単に破られたら、これから韓国を信じて約束することができなくなってしまう。
70%の韓国人が「日韓合意は受け入れられない」と言っているからといって、韓国政府が「日本との慰安婦合意は破ってもいい」ということにはならない。
合意に反対する70%の国民を説得するのが韓国政府の仕事のはず。
それにしても、なんで韓国国民の多くが、国家間の合意を拒否することができると考えるのか?
これには、反日ならムリを言っても通ってしまう「反日無罪」という韓国社会の空気がある。
釜山の日本総領事館前に慰安婦像(少女像)が建てられたとき、「ここに像を建てることは違法行為だ!」と役所が一度、像を撤去したことがある。
でもその後、役所に非難が殺到して、像が戻された。
韓国では違法行為でも、反日なら許されてしまう。
法にもとづいて慰安婦像を撤去した釜山市の区長が、逆に謝罪している。
法を守った側が破った側に謝罪する。
日本では想像できないことだけど、韓国ではこういうことがある。
今回のことについても、70%の国民が「日本との約束を破ってもかまわない」と考える背後には、「反日無罪」の空気がきっとある。
日韓合意の検証結果を発表した韓国に対して、産経新聞は「日韓合意の「検証」 もう責任転嫁は許さない」という社説で、日本が韓国におこなってきた経済協力に触れている。
昭和40年の日韓国交正常化に伴う協定で、戦後賠償の問題は解決済みと明記された。日本は無償供与3億ドルと政府借款2億ドルの経済協力などをし、韓国は奇跡といわれる経済復興を果たした。日本側の拠出金には個人の補償問題の解決金が含まれている。
でも韓国の政府やマスコミは、こうした日本の経済協力を国民にきちんと説明してこなかった。
その結果、「歴代政権のツケを日本に回す。それが実態である」と産経新聞は指摘する。
政府やマスコミの対応が、今の韓国の反日感情につながっていることは間違いない。
元駐韓日本大使で、韓国をよく知る武藤氏が韓国の反日についてこう話している。
産経新聞の記事(2015.5.21)から。
韓国の反日については「韓国では政治を離れ、国民レベルでは、日本が好きという人がむしろ多いと思う」と話し、「反日を言っているのは朴槿恵(パク・クネ)大統領であり、政治家であり、マスコミであり、非政府組織(NGO)だ」と非難した。
過去に日本が韓国にしてきた”良いこと”は、国民に伝えない。
それでいて、日本の”反日”をくり返し取り上げるから、韓国人の反日感情をあおり立てる結果になった。
でも、反日をアピールしたほうが記事が読まれるから、新聞社の経営上「おいしい」ことはたしかだけど。
下の画像を見てほしい。
これは、2017年12月13日の韓国紙・中央日報の一面だ。
一面トップに、「韓国人受刑者の母親「刑務官がムカデ投げ入れ…人権侵害深刻」」という記事がと載っている。
この記事によると、日本の刑務所で服役している韓国人の受刑者が、刑務官から全長20センチのムカデを投げられている。
ムカデにかまれた受刑者は治療を要求したけど、日本の刑務所はそれを拒絶したという。
「韓国人の受刑者に対して、日本の刑務所がそんな人権侵害をおこなっている」と、この受刑者の母親が証言したことを中央日報がでかでかと記事で伝えている。
この記事を読んだときは、半信半疑ではなく「あり得ない」と思った。
日本の刑務所で、受刑者に20センチのムカデを投げ込まれることが起こるだろうか?
そもそも、そんなムカデを手に入れて職場に持って行く刑務官が日本にいるのか?
「人権侵害深刻」を報じた後、この件についての続報は一切ない。
この記事に載っているのは母親の証言だけで、ムカデを投げ込まれたという根拠は何も示していない。
もし本当に日本の刑務所でこんなことがあったら、大問題になる。
日本の新聞やテレビで、「韓国人の受刑者にムカデを投げ入れた」と報じたのを見たことがない。
信ぴょう性がないから、取り上げる価値もないと判断したからだろう。
「日本の刑務所で、息子がムカデを投げられた」と具体的な根拠を示さず、証言だけを伝える。
こういうことを韓国のマスコミは、以前からやっている。
慰安婦問題について言えば、「慰安婦が日本軍に強制連行された」「慰安婦は性奴隷だった」といった報道がその例だ。
元慰安婦の証言だけを伝えて、それが事実だという根拠は何も示さない。
韓国の政府もマスコミも、日本から援助があったことは伝えない。
それでいて、「ムカデを投げられた」「強制連行された」「性奴隷にされた」といった反日報道はくり返し流す。
だから、国民の反日感情が高まっていった。
「慰安婦合意は受け入れられない」と主張する70%の人たちの背後には、そんな韓国の政府やマスコミの対応がある。
産経新聞の言葉で言えば、そのツケを日本に回すのは止めてほしい。
その70%の人たちは、韓国政府が責任をもって説得してください。
こんなムカデををつかんで投ることができる日本人は、全国で何人いるのだろう?
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