関係改善が国益! でも、初めから違う日本と韓国の認識

 

「最悪の状況で放置されていた韓日関係の復元がわれわれの国益」

次期大統領ユン・ソクヨル氏のそんな意向を受けて、韓国の「政策協議代表団」が24日に日本へやって来て、各界の要人と話し合いをするらしい。

聯合ニュース(2022/04/17)

日本派遣の韓国代表団長 「関係復元」目指す

文政権下で戦後最悪となった日韓関係をこのままほっといて、安楽死させるわけにはいかない。
安楽死どころか、このまま放置して韓国にある日本企業の財産が現金化されたら、両国関係は爆発してしまう。
関係復元が国益になるという点は日本も同じ。
だから日本政府(松野官房長官)はこの代表団の訪日を機会に、「新政権と緊密に意思疎通をしていく考えであります」と話す。
だがしかし、いまの日韓で一致できるのはここまでだ。
日本と韓国では目指すゴールは同じでも、スタート地点がまるで違う。

 

韓国側の団長は、1998年にキム大統領と小渕首相が確認した「日韓共同宣言」を取り上げて、

「歴史を直視しながら金大中・小渕宣言水準の未来志向の韓日関係を構築しなければならない」

と強調した。
「日韓共同宣言」で両国のトップが過去の歴史と現在の友好協力関係を再確認して、新しい日韓パートナーシップを構築するときめた。
うん、なかなか未来志向的。
このとき小渕首相は、「(日本が)過去の一時期、韓国国民に対し、植民地支配により多大な損害と苦痛を与えた歴史的事実を謙虚に受け止め、これに対し、痛切な反省と心からのおわび」を表明した。
団長の話からすると、どうやら韓国側はまた日本に歴史に対する反省や謝罪を求めているらしい。
大統領になったらすぐに関係改善に乗り出すというユン氏も、「金大中・小渕宣言を改めて確認することから始まる」と大統領選で話した。

「日韓共同宣言」で注目されたのは、日本の過去に対する反省が両国の公式の外交文書に初めて盛り込まれたこと。
当然のことながら、これは日韓の間で繰り返されてきた不毛な歴史論争にピリオドを打つためだ。
なのに韓国側は歴史を蒸し返して、日本に「痛切な反省と心からのおわび」をさせて、自分たちがそれを“許す”ことから関係改善を始めるつもりのようだ。

 

そんなの認識は日本とは180°、パラレルワールドのレベルで違っている。
松野官房長官は、北朝鮮への対応や地域の安定にとって日韓、日米韓の連携は不可欠で、日韓関係の改善はとても重要で放置することはできないと言う。
そして元徴用工・慰安婦問題などについて、「国と国との約束を守ることは国家間の関係の基本で、日韓関係を健全な関係に戻すべく、日本の一貫した立場」に基づいて韓国と対応していくと話す。
新政権との緊密な意思疎通は、この認識が土台になっている。
最悪の関係になった主原因は文政権下の韓国で、日韓請求権協定や慰安婦合意が実質的にひっくり返されたことにある。
国家間の約束を破って、国際法違反の状態を生んだ韓国にはそれを是正する責任がある。話はそれからだ。

というのが日本の立場でしょ。
1998年に小渕首相が「痛切な反省と心からのおわび」を、2015年にも安倍首相が「心からお詫びと反省」を表明をして、韓国もそれを受け入れたのだから、またパンドラの箱を開けるようなことをしてはいけない。
「未来志向の韓日関係を構築しなければならない」という思いでは完全一致でも、そのためにまず「約束を守ること」、つまり韓国側が解決案をだすことを求める日本と、「金大中・小渕宣言を改めて確認することから始まる」という韓国ではスタート地点からすでにまったく違っている。
大丈夫なんだろうか?
「政策協議代表団」が来日した結果、「分かり合えないことが分かった」ということにならないといいけど。

 

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。