はじめの一言
破傷風の純粋培養に成功した北里柴三郎に対して、
「自分は直ちに北里の研究所に至って大成功を祝したが、この時の自分の喜びは非常なものであった。今日当時のことを追懐するだに愉快に耐えない
(コッホ 明治時代)」
「日本賛辞の至言33撰 ごま書房」
今回の内容
・ロッテホテルのドタキャン
・その後のロッテホテル
・ロッテホテルのドタキャン
前回紹介した朝鮮日報の記事にあった、この出来事を知ってますか?
日本は自衛隊が創設された1954年7月1日を記念する行事を毎年、ソウル市内のホテルなどで開催してきた。
だが、自衛隊創設60周年だった2014年からは韓国国内の世論の反発などにより、大使館で行事を開催していた。昨年の行事も大使館で開催された。「ソウルで自衛隊記念行事、韓国軍関係者の出席は適切か」
このことを知っている人からしたら、この部分できっと「えっ?」となる。
2014年からは韓国国内の世論の反発などにより、大使館で行事を開催していた
これを読むと、まるで日本が韓国世論の反発を受けて、大使館で行事をしていたような印象を受ける。
でも、実際はちょっと違う。
ここにはロッテホテルという要素がある。
ちなみに、ソウルのロッテホテルは日本と関係の深いホテルだった。
日本との関わり
・ロッテグループ創業者の重光武雄が当時の朴正煕大統領に「ぜひソウルでホテルをやってほしい」と頼まれたのが開業のきっかけという逸話がある。
・開業にあたっては日本の帝国ホテルをモデルにしたという。
・日本の歴代首相が宿泊してきたほか、 2014年7月に舛添要一都知事がソウルを訪問した際に宿泊するなど、日本側の要人やビジネスマン、観光客等によく利用されており、宿泊客の3割が日本人だという。しかし、2014年には初めて中国人が日本人を抜いて最多の宿泊者数となった。
「ウィキペディア」
はい、ここ注目ですよ。
「2014年には初めて中国人が日本人を抜いて最多の宿泊者数となった。」
2014年、ロッテホテルに何があったのか?
それは、産経新聞の記事(2014.7.11)が教えてくれる。
岸田外相「極めて遺憾だ」 ソウルのホテルでの自衛隊行事キャンセル
菅義偉(すが・よしひで)官房長官は11日午前の記者会見で、ソウルのロッテホテルが自衛隊創設記念の恒例レセプションの開催を拒否したことについて「いかなる理由があろうとも、開催前日になってこのような措置を取ることは極めて遺憾だ」と述べ、在韓国日本大使館がホテル側に強く抗議したことを明らかにした。
先ほどの朝鮮日報の記事では、「2014年からは韓国国内の世論の反発などにより、大使館で行事を開催していた」となっていた。
でも実際には、「ロッテホテルのドタキャン」という大きな要素があった。
開催日の前日にドタキャンされたから、日本側は仕方なく、大使館で自衛隊創設記念の行事を開かざるをえなくなった。
そして、その次の年も大使館で開いた、ということ。
ロッテホテルのあまりの非常識な行動に、さすがの日本政府も怒った。
このときは、官房長官だけではなくて外務大臣も「遺憾の意」を示している。
ロッテホテルがドタキャンしたのは、韓国の市民団体から激しく抗議を受けたから。
韓国人の反日感情には、韓国人も手を焼くことがある。
・その後のロッテホテル
ホテルのキャンセルで、官房長官や外務大臣が遺憾の意を示すというのは前代未聞だ。
そんなロッテホテルには、その後”変化”が起きている。
レコードチャイナの記事(2015年6月25日)から。
2015年6月23日、韓国・朝鮮日報によると、在韓日本大使館関連行事の会場として最も多く使われていたソウル市のロッテホテルが、この1年間は1度も使われていないことが分かった。ホテル業界では「日本の報復だ」との見方が強まっている。
自衛隊を拒否したロッテホテルに日本大使館が復讐?1年間の利用はゼロ=韓国ネット「日本人は心が狭い!」「日本を批判する韓国人は愚か…」
「日本の報復」というより、ロッテホテルが信用をなくしたからだ。
大々的な行事を前日にキャンセルしたホテルが悪い。
こんな不誠実なことをしたら、二度と使ってもらえない。
これは常識。
日本政府に抗議させるようなドタキャンをしていて、「今までどおりホテルを利用してもらおう」なんて考えは甘すぎる。
上の記事では、このことに対する韓国人の賛成と反対の声を伝えている。
「日本人はやることが汚い。そして心が狭い」
「前日にキャンセルしたロッテホテルを批判せずに、日本人は心が狭いと非難する人たちは本当にどうしようもないやつらだ」
「ビジネスの基本も知らない小学生レベルの考え方で、反日感情をむき出しにする韓国国民はとても愚かだと思う」
日本人としては、後者のような考え方をする韓国人が増えてほしいと祈るばかり。
台湾の韓国ガイドブック
「指南」は「ガイド」の意味。
「韓流」という言葉は、もともと台湾語。
でも、ロッテホテルにも言い分がある。
ロッテホテルも、キャンセルをしたかったわけではない。
このドタキャンの原因をつくったのは、東亜日報という新聞だ。
東亜日報がこの行事を問題視して大きく報じたことで、これほどの騒ぎになってまった。
この新聞は行事について、細かいことまで丁寧に伝えている。
それによって、ホテルは抗議を受けただけではなく、脅迫までされている。
東亜日報が10日付朝刊でレセプションを批判的に報じ、開始時刻と催事場の部屋まで明示したとにより、抗議・脅迫電話が殺到するなどしたことを指すとみられる。
この影響により、日本大使館は以降主催する行事の開催や関係者の宿所を別のホテルにしており、ロッテホテルの利用は0件となった
何で東亜日報がロッテホテルでのイベントを批判的に報じたのか?
それは、「韓国人の反日感情を刺激すれば新聞が売れるから」だろう。
それだけが理由じゃないだろうけど、「対日本」を意識させる商売のやり方は韓国で定着している。
ロッテホテルも、かなりツライ立場だったと思う。。
「自衛隊の行事を開くな!」という反日感情と、「キャンセルしたら、ホテルの信用を失う」というビジネスの常識の間にはさまれて、かなり苦しかったと想像する。
その意味では、ロッテホテルも被害者だ。
前日ドタキャンで、これ以上ないお得意さまを失ったのだから。
日韓関係を考えたら、韓国人が「反日すると損をする」「いき過ぎた反日感情は、韓国に害を与える」ということを知るのは、とても良いことだ。
「反日感情をむき出しにする韓国国民はとても愚かだと思う」
そう冷静に考える韓国人がたくさん出てきたら、日韓関係はきっと変わる。
続く。
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