はじめにクイズをひとつ。
漢字で書くと、「愛蘭」になる国はどこでしょう?
答えはアイルランド。
イギリスの西にある国。
イギリスと向かい合うようにして、アイルランド島がある。
アイルランド島の北部はイギリス領だけど、それ以外はアイルランド共和国になる。
そのアイルランドに「ヌーディストビーチができる!」ということが、いま大きな話題になっている。
これはアイルランドで初となるヌーディストビーチだ。
ここならもう、水着を忘れても心配はいらない。
その海岸はもともと裸の人と水着をつけた海水浴客がいるところで、「公式にヌーディストビーチになっても、混乱はないんじゃね?」と思われたらしい。
ただ、CNNニュース(2018.03.31)によると、許可されたのは全裸になることだけ。
アイルランドでのヌーディスト海岸の誕生は、公共の場でのヌードに関する同国法令の改正を受けている。この結果、意図的に恐怖心、困惑や警戒心を招く行動や性的行為の実行だけが違反行為になった。
ちなみに日本では、1970年代に和歌山県でヌーディストビーチをつくる計画があった。
でも反対運動が起きて、この計画は夢に終わる。
日本でヌーディストビーチはたぶんムリ。
日本の社会で、老若男女が公共の場所で全裸で歩き回るという自由空間は必要ないと思う。
アイルランド出身の20代のイギリス人女性に、「アイルランドでヌーディストビーチができる」というニュースをどう思うか聞いてみた。
「ええ!アイルランドで!!」と彼女は驚いた顔をする。
「フランスやドイツなら分かる。そこなら裸になることが好きな人は多いし、ヌーディストビーチもいくつかあるから。でも、イギリスでそういう人は少ない。アイルランドはカトリックの影響が強くてイギリスよりも保守的な国なのに、ヌーディストビーチが認められるなんて驚いたわ」
このイギリス人の話だと、裸族はイギリスよりも、フランスとドイツに多く生息しているらしい。
とにかく「アイルランド初のヌーディストビーチ誕生!」を祝して、今回と次回で、アイルランドという国を知っていきましょう。
まずはアイルランドの基本データ。
面積:7万300平方キロメートル(北海道とほぼ同じ)
人口:約476万人(2016年)
首都:ダブリン(約134万人,2016年)
言語:アイルランド語(ゲール語)及び英語
宗教:約78%がカトリック教徒(2016年アイルランド国勢調査)
以上の数字は外務省ホームページのアイルランド(Ireland) 基礎データから。
北海道の人口は約530万人だから、アイルランドと面積や人口で近い。
アイルランドの国旗っす。
緑はケルトの伝統を、オレンジはウィリアム3世(オレンジ公ウィリアム)の支持者(w:Williamite)を、白はその両者の平和を表す。
日本でも有名なU2やエンヤはアイルランド出身の歌手。
「ギネスビール」もアイルランドで生まれたビールだ。
「ウイスキー」という言葉の語源も、アイルランド語(ゲール語)の「生命の水(Uisge-beatha:ウシュクベーハー)と言われている。
サントリーのホームページから。
時代を経るに従い、ウスケボー(Usquebaugh)、Usqua(ウイスカ)、Usky(ウイスキー)と転化し、今日のWhisky・Whiskeyになったといわれています。
日本との関係でいえば、東京の銀座や君が代の誕生にはアイルランド人がかかわっている。
くわしいことはこの記事をどうぞ。
2週間ほど前に「セントパトリックス・デー(聖パトリックの祝日)」があった。
聖パトリックについて高校世界史ではこう習う。
聖パトリック 389頃~461頃
アイルランドにカトリックを広め、「守護聖人」となった使徒。
伝承では、現在アイルランドの国花である(クローバーの一種)をもちいて人々に三位一体説を説いたとされる。「世界史用語集 (山川出版)」
3月17日は、アイルランドにキリスト教(カトリック)を広めた聖人・聖パトリックの命日。
だからその日はアイルランドでとても大事な祝日になっている。
多くの日本人にアイルランドのことを知ってもらうと、東京や横浜などで毎年「セントパトリックスデー・パレード」がおこなわれる。
「アイリッシュ・ネットワーク・ジャパン」によると、アジアでおこなわれるアイルランドのイベントとしてはこれが最大級のもの。
1992年から開催されているアジア最大級のアイリッシュ イベントです。アイルランドのシンボルカラー「グリーン」を身につけた1,000人以上の人々が原宿 表参道をにぎやかに行進します。
横浜でのセントパトリックスデー・パレード
アイルランドのシンボルカラーである緑が多い。
聖パトリックがカトリック布教に使って、今はアイルランドの国花になっているクローバーもよく使われる。
2007年のセントパトリックスデー(3月17日)では、東京タワーも緑にそまった。
「あのアイルランドで、ヌーディストビーチができるなんて!」とイギリス人女性が驚いていた。
次回、そんなアイルランドの保守的な面について書いていきます。
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