銀座にある洋菓子の名店「銀座ウエスト」が今年4月、公式ツイッターアカウントにこんな投稿をした。
小さなお子様をお連れの喫茶室ご利用のお客様へのお願い:炎上覚悟で申し上げます。大きなお声を出したり、走り回るなどのお子様の行為が周囲のお客様へ多大なご迷惑となっている場合がございますので、くれぐれもご注意の程何卒お願い申し上げます。 pic.twitter.com/gzrH0SJmiE
— 銀座ウエスト (@ginzawest) 2018年4月24日
店内で大声を出す。
そして走り回る。
はしゃいだっていいじゃない、子供だもの。
というのは、ファストフード店とかファミレスで通じる話。
それでも、「店内を走り回る」というのはどうかと思うけど。
静かな雰囲気の高級店で、それはマナー違反ではないか?
日本人の声は前回紹介したから、今回は外国人編。
タイ人・インド人・中国人・アメリカ人に聞いてみたから、それを紹介しようと思う。
*アメリカ人は次回。
でもその前に、旅行会社エクスペディアが行ったアンケート調査の結果を見てほしい。
世界23カ国・約2万人を対象に「飛行機の中で最低のマナー違反者は?」を聞いたところ、3位は「もめ事を起こす子どもを放置する親(39%)」だった。
さらに「ホテルでのマナー違反者」の第1位は、「子どもの間違いを放置する無神経な親(45%)」。
世界の人たちが迷惑に思っているのは、子供ではなくてその親。
子供をしつけようとせず、無責任な親の態度は世界の人から嫌われている。
これは前回書いた日本人の意見と同じ。
今回話を聞いた外国人も、悪いのは子供ではなくて親だと指摘している。
アンケート調査のくわしい内容はこの記事をどうぞ。
「高級レストランの店内で、子供が大声を出したり走り回ったりすることについてどう思うか?」
タイ人・インド人・中国人にこの質問をしてみた。
*これからの内容は、あくまで彼らの個人的な意見。
タイ人はこう言う。
「そういうことはタイでもあります。でも、とくに問題にはなっていません。タイの大人は子供に甘いんですよ。だから店の中で子供が大声を出しても、『子供だからしかない』と思って、大目に見ると思いますよ」
タイでは、子どものふるまいに怒る人が少ないらしい。
インド人もタイ人と同じことを言う。
インドの大人も子供には激甘。
5つ星レストランの中で子供が走っていても、『それが子供だし、かわいいから』ということで、目くじらを立てることはないという。
全体的にタイ人とインド人は日本人より、細かいことを気にしない。
よく言えば心が広い。
悪く言えば、いい加減でテキトー。
では、中国人はどうか?
友人の中国人は「中国の高級レストランでもそんなことはあるけど、問題になるほどではない」と言う。
「そもそも中国人は話し声が大きいですから。自分の話に夢中になっていて、まわりのことは気にならないと思いますよ」
たしかにそうかも。
北京ダックの高級店に行ったことがあるけど、店内は客の話し声でドうるさかった。
あれなら子供の声は目立たない。
タイ人・インド人・中国人の話を聞いて思ったのは、「日本と同じことがあっても、彼らの社会では問題にはならない」ということ。
外国にもこの問題があって、どんな対策をしているのか聞きたかったのだけど、何も聞けなかった。
「問題が起こる」といっても、それを問題に思う人がいるから問題になる。
だれも気にしなかったら、その出来事は問題にはならない。
つまり、「問題視」という別の問題がある。
外国人に比べて、日本人は「他人に迷惑をかける」ということをすごく気にする。
「自分は迷惑をかけられている」ということにも敏感だ。
だから礼儀正しいし、ルールもよく守る。
ボクがタイ・インド・中国に行ったとき、電車や地下鉄の中で携帯電話で話をしている人をよく見た。
でも、それを気にする人は少ないから、マナー違反になっていない。
「高級店への子供連れ問題」もこれと同じで、他の客が気にならないから問題にはならない。
そうなると「高級店への子供連れ」も、「日本では問題だけど、外国ではノープロブレム」ということになる。
でもそれは「気にしない社会」での話。
アメリカはそうではない。
次回、アメリカ人に聞いた話を紹介します。
ちなみに、先ほどの旅行会社の調査ではこの逆があった。
「日本人は気にしないけど、外国人には気になる」ということ。
飛行機の中で靴を脱ぐことについて、63%の人が「必ず履いていなければならない」と答えている。
でも、ボクが見る限り、日本人は機内でよく靴を脱いでいる。
「素足でも大丈夫」という人は、外国人では7%だったけど、日本人では16%いた。
靴を脱いで素足でいることを「迷惑行為」と考えている人の割合は、日本人が一番少ない。
日本人は話し声には敏感でも、「靴脱ぎ行為」には鈍感だ。
畳文化の国民には平気なことでも、それを問題視する外国人は多いらしい。
エコノミークラスで靴を脱ぐときは、最低限、「におわない足」でいよう。
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イザベラバードやオールコックの翻訳本には子供を可愛がる日本社会への言及があります。私としては昨今の日本社会で虐待がニュースになるご時世に、お店の対応には違和感があるのも事実。もちろん古今東西さんの仰る通り親の責任で間違いありません。しかし店の対応としては雰囲気に合わないのならば入店を断るべきです。鼻に付く高級さを嫌ったのかもしれませんが、その結果がコレでもあります。叱るべき時は叱る必要がありますが、多くの方が子供時代は出来るだけ笑顔で過ごして欲しいと思っているでしょうから。
>入店を断るべきです。
私もそう思いました。
でも、礼儀正しく食事をする子供もいることから、店側は全員一律で入店禁止にはしたくないらしいです。
どこに基準を合わせるかという問題ですね。
これかもこんな問題は起きると思います。